3月の始まり
シノブを買いました。
パソコンでもスマートフォンでもなく、万年筆を手にして綴る。
ぺらりと紙をめくって、時々見返して笑ったり眉間にシワを寄せたり。
毎日は続かないから、書きたいときに書きたい分だけ。
来月から新しい年度が始まるから、なんだか新しいことがしたくなって手を出したグリーン。
掌にすっぽり収まってしまう小さな緑。人参の葉っぱみたいな姿が懐かしくて愛らしい。
ビルに囲まれたコンクリートジャングルに埋もれていると、時々息が詰まりそうになる。
360度森に囲まれて育った私。地元が大好きな私。やりたいことを叶えるために暖かい寝床を置いてきた。
上手くいかないことも、ちょっぴり褒められて舞い上がることも経験してる。
慣れるまでどの位時間が必要だったっけ。もしかすると未だに慣れていないのかも。
それでも、いい。
今年度も頑張りました。
失敗も挫折も後悔もたまに憤怒もしたけれど、嬉しいことは辛いことの百倍だよって祖母の言葉。
百分の一しか嬉しいことは起こらないけれど、その分百倍嬉しいんだよって教えてくれた。
どれだけ悔しくても涙しても絶対笑ってやるって決めていた。
少しずつ、認めてもらえるようになったよお祖母ちゃん。
自惚れちゃいけないよね、注意する。だけど喜ぶことも大事なんだよね、お祖母ちゃん。
芽が出たサツマイモが可愛かったからって、窓際に置かれていた小さな緑。
ふとね、それを思い出したんだ。
見つけたものを大切に思うか捨てるかは人によって違うけれど、沢山のことを大切に思える貴女のような人になりたい。
ちゃんと成長してくれるかな。
大切にする。
すぐには分からなくても、いつか気付いて驚くような成長をするんだ、シノブと一緒に。