エピローグ:人気者になった月曜日
月曜日が、人気者になった。
それは、静かに、しかし確実に起こった変化だった。
SNSでは「#月曜革命」がトレンド入りし、
カフェでは「月曜限定メニュー」が話題になった。
図書館は月曜日に開館するようになり、
企業は「月曜フレックス制度」を導入した。
人々は、月曜日にだけ特別な服を着るようになった。
月曜日にだけ、誰かに優しくするようになった。
月曜日にだけ、自分を少しだけ褒めるようになった。
主人公は、月曜日を誕生日として祝うようになった。
毎年のブルーマンデーを、自分の記念日にした。
「へろー、リクウィッドです」
液体猫は、月曜日の朝にだけ現れ、語りかける。
彼は、月曜日にだけブログを更新した。
「嫌われ者の月曜日を人気者にしよう」
そのタイトルは、もはや合言葉になっていた。
月曜日は、始まりの象徴。
でも、それだけじゃない。
月曜日は、再生の象徴。
月曜日は、神話の器。
月曜日は、誰かの恋の記憶。
月曜日は、歩いた道の地図。
月曜日は、革命の火種。
月曜日は、液体猫の居場所。
リクウィッドは、最後にこう語った。
「僕は液体猫。
月曜日の精霊。
憂鬱の中に潜む、ちょっとしたユーモアと、ちょっとした希望。
月曜日が嫌われ者だった時代は、もう終わった。
今では、みんなが月曜日に会いたがる。
それって、ちょっと素敵じゃない?」
主人公は、月曜日の朝に目を覚ます。
カーテンを開ける。
太陽が昇る。
次の月曜日が、来る。
そして、彼は呟く。
「嫌われ者の月曜日を人気者にしよう。
僕らの手で。」
物語は終わる。
でも、月曜日はまた始まる。
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