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スピンオフ:リクウィッド、火曜日に迷い込む

「しまった…」


リクウィッドは、液体のまま排水溝を流れていた。

気づけば、月曜日が終わっていた。

太陽は沈み、カレンダーは火曜日を示していた。


「僕は月曜日の精霊。

火曜日に存在するなんて、規則違反だ」


でも、何かがおかしかった。

火曜日なのに、街は静かだった。

人々は、まだ月曜日の顔をしていた。


リクウィッドは、あるアパートの一室に入り込んだ。

そこには、火曜日を“月曜日の延長戦”だと思い込んでいる男がいた。


彼は、月曜日にやるべきことを火曜日に持ち越していた。

洗濯物は干されず、メールは未読のまま。

冷蔵庫には、月曜日用のカレーが残っていた。


「月曜日が好きになったのはいいけど、

火曜日まで引きずるのは、ちょっと違うよ」


リクウィッドは、液体の尾で男の頬をペチンと叩いた。

男は目を覚ました。

「火曜日か…やっちまったな」


彼は、月曜日の余韻を断ち切るように、シャワーを浴びた。

そして、火曜日の服を着た。

それは、月曜日とは違う色だった。

少しだけ、未来の色が混じっていた。


リクウィッドは、排水口から抜け出し、空へと昇った。

「月曜日は、始まり。

でも、始まりを終わらせるのも、大事な仕事だ」


彼は、次の月曜日まで眠ることにした。

でも、時々こうして迷い込む。

火曜日、水曜日、木曜日——

月曜日の残り香を探して。


それが、液体猫のささやかな旅。

人気者になった月曜日の、ちょっとした後日談。


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