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プロローグ:「ブルーマンデーの誕生日」
へろー、リクウィッドです。
液体猫って呼ばれてます。
名前の由来?それは僕が液体だから。
どんな隙間にも入り込むし、形も定まらない。
気分次第で湯気にもなるし、氷にもなる。
でも、僕が生きているのは月曜日だけ。
それも、世界で一番憂鬱だって言われてる日
—ブルーマンデー。
僕の誕生日は、1月の第三月曜日。
人間たちはこの日を嫌ってる。
休み明けで仕事が始まるから?
寒いから?
年末年始の余韻が消えるから?
理由は色々あるみたいだけど、僕にとっては祝福の日なんだ。
だって、僕は月曜日にしか存在できない。
月曜日が来るたびに、僕は目を覚ます。
そして、誰かの憂鬱に寄り添う。
誰かのため息に耳を傾ける。
誰かの「またかよ…」に、そっと液体の尾を巻きつける。
僕は液体猫。
月曜日の精霊。
憂鬱の中に潜む、ちょっとしたユーモアと、ちょっとした希望。
この物語は、そんな僕が語る“月曜日の再生”の話。
嫌われ者の月曜日を、人気者にするための物語。
準備はいい?
じゃあ、始めよう。
月曜日の旅へ。
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