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“婚約者の従妹”

プロットを考えるのは、長編と比べてはるかに簡単だった。


「“婚約者の従妹“がデートを邪魔してきてウザい」というテンプレにしようと思い立つや否や、スーパーで買い物をしている間に脳内で方向性がまとまった。


「この設定なら私ならこうやってオチをつけるな」と前から思っていたので、そのアイデアを元にいくつかChatGPTで詳細を検証すると、あっという間にプロットが完成。夕食後に書きはじめて、夜中には完成してしまった。


数日後の金曜の夜に投稿すると決め、何度も何度も見返して、読みやすさをチェックし、伏線の描写を整えた。イラストを描き上げて、そわそわしながらついに投稿。


正直、サクッとできたお話だし、そこまで期待はしていなかった。だが、前回の連載の反省から、できるだけ分かりやすい話になるよう心がけたつもりではあった。


(しっかり、読者に届いてくれますように)


その願いは叶い、この短編は少しずつ、しかし確実にランキングを駆け上がった。


複数のランキングを追うとややこしいので、ここでは

[日間]異世界〔恋愛〕– 短編

に絞って話をしよう。


投稿翌日の81位から始まり、42位、27位、13位、8位……とじわじわと階段を登り、

投稿から6日後にはなんと、ギリギリ5位にランクインしたのである。


(え、著名な作家さんでなくてもベスト5って入れるんだ!?)


毎日、PVは倍以上に伸び、これまでは想像できなかった数の評価とブクマがついた。


私は悟った。「小説家になろう」は「椅子取りゲーム」なのだと。……この成果は偶然も多分に含まれていたと思うが、まずは「いかにしてランキングに入るか」が重要なのだ。


ランキングに入れば、人の目に触れやすくなる。その中で、ポイントをたくさんつけてもらえれば、ランキング上位に上がれて、さらに読者に届きやすくなる。その繰り返しだ。


当たり前のことかもしれないが、自分の作品がランキングを上がっていって初めて、それを実感した。


初動はきっと、投稿タイミング、タイトル、あらすじがたまたまよかったのだと思う。人気ジャンルであり、「テンプレ」を思い起こさせる内容であったこともクリックに一役買ったことは間違いない。


そして、思った以上に評価やブクマのボタンを押してくれる人が多かった。おかげでランキングを上がれた。(次回取り上げる予定だが、これは「評価の平均が高い」という意味ではなく、「評価行動をしてくれる人が多い」という意味だ)


私の物語は「テンプレ異世界恋愛」×「どんでん返し」×「ハッピーエンド」という構造を取っているから、テンプレに期待して読むと、一定の裏切りがあり、それが何らかの行動につながったのではないかと思う。


書き手の間では「テンプレ」を書くことの是非はよく問われているように思う。——ではなぜ「テンプレ」が人気なのか?私は「期待できる感情的報酬を得られるから」ではないかと思っている。


例えば、私はジャンル問わず幅広く本を読むほうだが、それでも疲れている時には重い話は読みたくない。軽く読める話が読みたい。胸糞も読みたくない。ハッピーエンドがいい。


これらは、有名な作品であれば、読む前に評判が分かるので安心して読める。でも大半のWeb小説は事前に評判が分かりづらい。だから、作品の判別のためにテンプレは便利なのだ。


スッキリしたいから「ざまぁ」を読む、とか満たされたいから「溺愛モノ」を読むとかである。


だから、「テンプレ」を裏切った話は敬遠されやすいのだが、私は「どんでん返し」×「ハッピーエンド」と組み合わせることで、欲しい「感情的報酬」を期待を超える形で感じてもらえるのではないかと思った。


その読みがおそらく当たったのではないかと思う。もちろん、中には「好みじゃない」という意味でアクションした方もいると思うが、少なくとも、行動につながる感情を起こすことに成功したのではないか。


というわけで、この短編は

・ランキングの登り方

・私の作品構造が通用するという確信

を得た、重要な機会となった。


この経験が、私にとって“ランキングに挑む書き手としての最初の実感”となった。次回は、「ランキング」と「評価」について、さらに掘り下げてみるつもりだ。


私の三作目です。


婚約者の従妹が、デートのたびに熱を出す件

https://ncode.syosetu.com/n3941kv/


約13000pt・ブクマ400の私の代表作になりました。(2025年8月16日現在)

よろしければご覧ください。

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