短編
短編を書こうと決めて情報収集をしていたとき、「短編を書いても長編の流入は増えない」という創作論を見つけた。しかも、一人ではなく、多くの人がそう口にしていた。
——これを見て、どう思うだろうか?
私は反射的に「そんなことはない」と思った。何も結果の出ていない初心者なのに、謎の自信があった。
私は「人の発言を鵜呑みにしない」ことを日頃から意識している。そこで「短編から長編に流入しないとしたら、なぜか?」と考えた。これを考えれば、自ずと答えは出るはずだ。
おそらくだが、短編一作だけでは、この作者は毎回面白いのか、偶然この話だけが面白かったのか判定できない。だから、流入しないのだ。
ならば、短編一作だけでも他の話の面白さを想像しやすくすればいい。
私は、一つの作戦を考えた。それは、シリーズを強く打ち出すことだった。
もともと、私の物語は「ソレイユ王国シリーズ」と銘打ち、シリーズ化している。その中で、同じキャラクターの別の面を見られたり、世界観について少しずつ理解を深められたりしたら楽しいのではないかと思った。読者としても、そんな経験があったから。
作戦はもう一つあった。「どんでん返し」だ。私はこの要素を自身の作品の核として必ずどの話にも入れている。そして、「どんでん返し」ものは、ハマると続けて読みたくなるのだ。実際に私は一ヶ月に百冊ほど読んだことがある(笑)。
そこで私は、『どんでん返し系異世界譚・ソレイユ王国シリーズ』というリンクを、短編のあとがきにつけることにした。
この作戦で、きっと他の作品も読んでもらえるに違いない。
そして、私の読みは当たった。
運良くなのか、作戦勝ちなのか。それはまだわからないが、ともかく。
私の三作目となる短編は、瞬く間にランキングを駆け上がり、私の既存作も、多くの人に見てもらえることになったのだから。
短編の詳細は、次話にて。