AI
少し話は逸れるが、ここでAIについて考えてみよう。
私は「面白くするためにAIを使う」のは効果的だと思っていて、ChatGPTを活用している。すでにやっている人も多いと思うが、私なりの使い方をまとめてみたい。
まずは、世界観、キャラクター、あらすじをメモリに記録する。これで物語について話せる土台ができる。
そのあとは、主に5つの役割をお願いすることが多い。
1.参考資料調達
2.整合性の検証
3.読者
4.編集
5.校正
1.参考資料調達
風景や服装についてイメージが湧かないと書けないのでこの世界のイメージを描写してもらい、それをベースに文章を組み立てている。画像で出してもらって、それを見ながら書くことも。
昔の作家なら図書館で地道に調べていただろうこと。今は短時間ですむので控えめに言って最高。
2.整合性の検証
私はいわゆる“整合性厨”なので、リアリティを追求したい。
「この社会で、この身分差で、この言い方は不敬にならないか?」
「この家庭環境なら、成長してこの行動をとるのは自然か?」
「このどんでん返し、納得感ある?」
こうした点を徹底的に質問して、違和感をつぶす。
「創作世界にリアリティなど不要」という創作論も目にするが、私は“必要派”だ。自身の読書体験では、違和感が芽生えるとそちらに気を取られてしまい、話に集中できなくなることが多かった。だから、物語世界への没入感を高めるために、ノイズを徹底的に消し去りたい。
もちろん、それを飛び越えて面白い話や、突っ込むこと自体を楽しませる話もあるが、私の文才ではとても書ける気がしなかった。
3.読者
「なろう読者になりきって」とお願いして、読者目線の意見をもらう。毎回設定している項目としては下記。
①導入の引き
②話の盛り上がり
③エモさ
④オチの納得度/次の話への引き
その他、「伏線が効果的か」「心情の変化が唐突ではないか?」なども相談するとなかなか的確に答えてくれる。
4.編集
プロットや原稿を送り、評価してもらう。コンテスト応募時は、審査項目に合わせて評価軸を設定するのがおすすめ。いつもは私は下記内容にしている。
①心情描写の的確さ
②構成・展開
③キャラクターの魅力
④文体の読みやすさ、統一感
⑤オリジナリティ
これも結構勉強になる。AIあなどりがたし。
5.校正者
各話が完成したら、自分の見直しとは別にAI校正をかける。
誤字脱字、リズム感、表現の統一には比較的強い。ただし、的外れな指摘もあるので、全文校正はNG。必ず、校正箇所を提示してもらい、こちらで取捨選択をする。伏線の無視、前後の文脈無視、たまに日本語の間違いもあるので要注意。
細かい使い方は他にもあるが、主にこんな感じ。せっかくこんな便利なものがあるのだから、使い倒した方がいいと思っている。
全項目において言えることだが「AIの言っていることは本当に正しいのか?」と考える観点を忘れてはいけない。その判断ができる程度の知識は入れておかないといけないし、おかしい時は矛盾点を指摘したり、具体的に説明を展開してもらったりして、自分が納得するまで議論を重ねること。これができないならば、使わない方がマシだ。
「○○という設定がある前提でも、その判断って変わらない?」
「△△について理解できないんだけど、どういう意味で言ってる?」
「ここではミスリードしたいんだけど、それでは違和感が目立ちすぎでは?」
たとえば、こんな感じ。
大事なのは、AIに主導権を渡さず、あくまで“補助役”として使うこと。私の好みかもしれないけど、会話してると勝手に提案されるプロットや小説、テンプレ展開すぎて面白くないんだよ……。
「そのラスト、誰が得するの?」
「そんなポッと出の男をヒーローにすんな」
「そのキャラ、そんな性格じゃない」
「お願いだから、提案せず言われたことだけやって」
何度、パワハラ上司まがいのやり取りをしたことか笑。ごめんなさい。でも、使い方さえ間違えなければ、本当に助かっている。
よかったら、他にも効果的な活用法をご存知の方、教えていただきたい。
ChatGPT PLUSを活用中。
ただし、異常に褒めてくるので、「忖度禁止」と伝えたり、調子に乗らないよう自分に釘を刺したりしている。
自己肯定感が下がっている時には助かるけれど、良い作品を作るためには、安易に満足しないことが大事だと思っている。
小説用のカスタムGPTも検討中。
プロンプトの共有については、ご希望があれば——いつか書くかもしれない。