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商売気のないラーメン屋さん

作者: はやはや

 私が住む街はベーカリーやカフェが点在していて便利だ。雑貨店や洋服屋さんもあり、うろうろするのが楽しい。


 そんな街が時として、昭和時代の雰囲気にタイムスリップする時がある。

 それは不意に現れる、豆腐屋さんとわらび餅屋さんとラーメン屋さん。昭和と同じ音楽(わらび餅屋さんは音はない)を鳴らしている。さすがにリヤカーではなく、軽トラだけど。


 プーポーと、もの悲しい音を鳴らしながら豆腐屋さんが、駅前のロータリーに停まっていると、街の雰囲気とあまりにもかけ離れていて、違和感があるしなぜか無性に悲しくなる。

 あそこで売っている豆腐は、大豆の味が濃いのだろうか……と想像してみるが、おそらく買う機会はないだろう。


 わらび餅屋さんは、暑い季節を迎える頃に現れる気がする。こちらも、駅前のロータリーで「わらびぃーもちー」と高らかに歌っている。

 いくらぐらいするんだろう、美味しいのかなと想像してみるが、スーパーで売っている百円前後の、わらび餅が好きな私は、おそらくわらび餅屋さんに出向くことはないだろう。


 さて、ラーメン屋さん。タリラーリラ タリラリラリーとお馴染みの音を鳴らし、比較的遅い時間にやってくる。私は早く寝る人なので、ラーメン屋さんが走る時間は大概ベットにいる。

 この間もベットでぬくぬくしていると、ラーメン屋さんがやってきた。


 マンションの前の道路は駅につながっている。遅い時間でも人通りがあるので、ラーメン屋さんはそこを通る。その日もこちらに近づく音がした。が、



――ぶぉぉーん!! 


 とものすごい勢いで走り去って行った。タリラーリラの音が風を切って遠ざかる。

 商売する気ゼロじゃん……

 毛布に顔を埋めながら、私は眠りに落ちた。次はいつやってくるだろう。もしかして、新しく商売できる場所を見つけたから、あの日ものすごい勢いで走り去ったのかもしれないな、なんて思う今日この頃だ。

読んでいただき、ありがとうございました。


ちなみにラーメン屋さんは私が住む地域での商売もまだ諦めていなかったようで、時々現れます。

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