ポイント制とは……
最下位は、教室の後ろの黒板に常に貼り出される事になっている。
この学年の最下位は……僕だった。
「天雲、お前、三田村がいなくなったら、次はお前だな」
「マジでな!」
「嫌なら、一回ぐらい三田村に罵詈雑言浴びせてる方がいいんじゃね」
「頭がいいから出来ないんじゃねーーか」
「母さん、淫乱のくせにな」
僕は、みんなを睨み付ける。
「こわっ」
最下位とターゲットにたいした差は存在しない。
【デスゲーム】に参加しない最下位はターゲット寄りだと判断されているからだ。
「まあ、天雲。1ポイントは稼いでおけ」
ポンポンと肩を叩かれる。
【デスゲーム】に基本的に、参加しない奴はいない。
女子は、「きしょーー」って言うだけでポイントが入る。
ただ、僕には三田村君をいじめる理由が何一つ見つからない。
入学式で、トイレに入った時三田村君はハンカチを忘れた僕にハンカチを貸してくれた。
その優しさに感動はしたけれど、いじめたいなどとは思わなかった。
僕は、流れに流されるのが苦手な生き物だった。
小学生の頃、先生にその事をよく注意された。
「天雲君、みんなと足並みそろえないとダメよ。怪我だっておきちゃう!わかる?」
その度に、母は呼び出されいつも謝っていた。
だから、ターゲットに僕がなる理由は、いくらでも思い付いたけれど……。
三田村君が選ばれた理由はさっぱりわからなかった。
だから、僕には三田村君に罵詈雑言を浴びさせる事は出来ない。
「天雲やれよ」
見かねた奴等が、けしかけてくる。
「何を?」
「ほら、ほら、落書きだよ」
机には、死ねやゴミなどの文句が書かれていた。
相変わらず三田村君は、椅子がなくなって、立たされていた。
三田村君が近くにいるのに、みんなは気にしていなくて…。
「やれよ、天雲」
僕は、太いマジックを握らされる。
「やーれ、やーれ、やーれ」
僕は、その言葉を聞いていた。
「やーれ、やーれ、やーれ」
まるで、クラス全員で歌でも歌ってるように教室中に響く。
「悪いけど、僕には三田村君に書く言葉はないよ」
勝ち誇った沢村に、僕はマジックを返した。
「はあ?」
「テメーなめてんのか」
三田村君は、ビックリした顔で僕を見つめる。
「キモいとか何でもいいから、さっさとかけよ」
「そうだよ、かけよ」
「別に、キモい所は見当たらないし、むしろ不潔でもない。制服は、丁寧にアイロンがけされているし、通りすぎる時に石鹸のいい香りがする。髪の毛は、毎日綺麗に整えられているし。食べ物をクチャクチャと音を立てて食べない。消しゴムのカスは授業が終わると纏めていたのをゴミ箱にきちんと捨てているし。上履きは踏み潰したりしてなどもいないし……」
僕の言葉に三田村君は、驚いた顔をして見つめてきた。




