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家にいる鳥と猫のぬいぐるみが動いて喋るだけの話。  作者: やまだのぼる@アルマーク4巻9/25発売!
第一部

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34/68

今日は体重を量っている。

「あー!」

 今日もとりの声がうるさい。

「やせちゃった! またやせちゃった!」

「ほんとだ!」

 ねこも両腕をぴこりと伸ばして驚いている。

「とりさんがやせちゃった!」

 うるさいなあ。

 痩せるという言葉には今ちょっと敏感なんだぞ、私は。

 軽々しく使うんじゃない。

 ふたりがふこふこと騒いでいるほうに目を向けると、とりがいつものように台所でキッチンスケールの上に載っている。

 体重を量る時は、いつもあれを使う。

 軽すぎて、体重計には全く反応しないから。

 羨ましい。

「ほら、マキ! 見て!」

「みて! その両のまなこで!」

「はいはい」

 仕方ないので数字を確認してあげる。

 98グラム。

「98グラムだね」

「ほんとは100グラムなのに! やせちゃった!」

「まあいろんなところを歩き回ってるし、洗濯したりもしてるから、多少はねえ」

「消えちゃうの!? ぼく、このままじゃそのうち消えちゃうの!?」

 とりが悲痛な声で叫び、よよよと泣き崩れる。

「とりさーん!」

 ねこが駆け寄ってとりに抱き着くと、キッチンスケールの数字が126に変わる。

 ねこの体重は変わってないな。

 とりはおしりのへんにビーズが入ってるから少し重いんだよね。

「ううう、このペースで行くと、三年後くらいには僕は消滅してしまう」

「そんな―! とりさんが消滅したらぼくはどうやって生きていけばいいの!」

「強く生きるんだ、ねこくん。ぼくはいつも君の手羽の下にいるよ」

「ぼく、手羽ないよー!」

 スケールの上でまたやってる。

 二人がぴこぴこ動くから、スケールの数字もちょこちょこ動く。

「マキー! どうすればいいんだー!」

「いいんだー!」

「はいはい」

 私はねこをひょいっと摘まみ上げてスケールから降ろす。

「とりさんはじっとしててね」

 言いつけ通り、とりがふこりと動きを止める。

 スケールの数字も98で止まる。

「えいっ」

「むぎゅ」

 とりの頭を上から軽く押してやった。一瞬数字が790とかになる。

 私がさっと手を離すと、数字は99になっていた。

「あー! とりさん、99にもどったよー!」

 ねこの声に、とりは両手羽を広げる。

「マキ、もう一回!」

「いいけど」

 もどるかなあ。

「えいっ」

「むぎゅ」

 もう一度押すと、数字は一瞬100を表示した後で、99に戻った。

「ここが限界かな」

「でも99に戻った!」

「もどった!」

 大喜びで下りていく二人。ふこふことハイタッチしている。

 まあ、1グラムとか誤差の範囲だからな……こうやると変わるんだ。昔買った安いスケールだし。

 私はスケールの電源を落として引き出しにしまった。






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― 新着の感想 ―
[一言] 誤差あるあるwww 宝石とかを測る小数点以下3桁くらいまで表示してくれる秤ならもう少し精密に測れそうですけどね。
2022/09/10 02:27 退会済み
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