僕らは独りじゃない
風に打たれ 荒波にのまれ 街並みは廃れ
どれほど癒えない傷に 痛みを重ね続けてきた
僕らは何度も 何度でもここから叫ぶよ
僕と君は夢を見てた
「あの頃は幸せだったな」
「あの日々に戻りたいよ」
幸福も日常も すべてを失って
憔悴した心に酔ってしまった
けど辛いことばかりじゃなかった
意固地になっていく思考が
君の温もりに触れて溶かされた
こんなにも簡単だったこと
僕は知らなかったよ
もう一度 二人の夢を見たい
これが今までの報いなのか?
だけど僕らは生きて行くしかないんだ
僕らに与えられた命は 決して軽くはないからさ
塞ぎ込むのは 今日でやめにしよ
ここまでたどり着くのに多くの涙を餞誓った
去り行く恩義に恥じない生涯を 僕らは強く歩いてきた
今は誰かを責める言葉はいらない
僕と君の 心と心 寄り添うことが必要だ
今は誰かを殺める電波はいらない
僕と君の 右手と右手 取り合うことを邪魔するな
みんな僕らの一部なんだよ
目の前の問題が高くて くじけていた
どんな物語のヒーローにも 解決できやしない
すべてはこれからの僕らの積み重ねが実を結ぶ
その日は…
まだまだ未達成の試練が待っている
僕らが声を殺して 痛みに耐えたこと
一つも無駄じゃない 少しずつ前へ進めているんだ
もう振向いても あの景色はないのだろ
それでも僕らは忘れないよ
あの夢には「幸福」も「残酷」もあって
あの街には 楽しみも 悲しみも
別れ 出会いが そこにあったから
僕らはこうして手を繋ぎ合えている
だから泣いてもいいんだよ
弱音吐いてもいいんだよ
「大丈夫」
僕らなら乗り越えられるって
そう確信できた
ねぇ、教えてあげるよ
今はまだ夢の途中でも
僕たちがこの手で作り上げた
美しい居場所がここにはあるから
「ありがとう……」
みんな大切にしてくれて
僕は独りじゃないって そう囁いた