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それは2月、邂逅?
みかはモスコミュールをこくこくと口に運び、流れるように煙草に火をつけた。
「いい加減に禁煙しないの?」
「無理無理。バイトのストレス溜まってるから、コレと酒があんてーざいなの。」
「あんたねぇ…ちょっと飲みすぎ…って、あ!!」
「んぁ?…あ」
お互いのスマホが同時に鳴る。どうやら、SNSの通知が来たようだ。
「やば、公式から通知きた…新しいグッズすっごい可愛い…推しの顔がいい!生きててよかった…」
「ほんとだ。私の推しは…と、…ん?」
何気なく画面をスワイプし、コメント欄を見たとき、気になるアカウント名を見つけた。
「『yuyu@おんなのこしゅき』…???」
どういう意味だろう、と同時に、アイコンが写真だ。しかも…
「かわいい…」
分かっている。もしかしたら所謂「ネカマ」かもしれないという事実。
だけれど、コメントが
『はぁ…しんどい。カイトきゅんが今日もかっこいい。尊すぎてしんどい。これで明日も生きれる。ありがとう、運営様。貢がせてください。』
「…ねぇ、この子ってネカマだと思う?」
煙草の灰が、ぼとりと落ちた。