頭隠してSiri隠さず
「いやだから本当に大きい鳥が‥‥‥」
ボゴール植物園から出て僕たちは昼飯にありついていた。
「いや、そんなわけないでしょ」
エリーは僕の話を全く信じずケラケラ笑っている。
「まぁそう言ってやんな。こいつももうそういう年頃なんだ」
亮介は、大人ぶって僕の味方をしているようだけど僕にとっては逆にそれが苛立つポイントであった。
結局、何を言っても信じてもらえず、とはいえそれも仕方がないかと自分で自分を納得させるしかなかった。
店から出て今度はエリーがカフェに行きたいというのでネットで調べておしゃれそうなカフェにお邪魔することにした。
「一人300円までだからね!」
亮介は遠足に連れ立つ先生みたく僕たちに言った。
今日日300円で何が頼めるのよとエリーはしっかりツッコミを入れていた。
結局僕は適当な南国ジュース、エリーはカフェラテとケーキ、亮介はコーヒーを頼んで優雅に過ごすことにした。
優雅に飲んでいるところで、
「君たちどういう集まりなの?」
と、男の店員が気さくに話しかけてきた。
「そこらへんで拾ったガキと少女と天才の俺」
と答える亮介をエリーと一緒にしばいて、「なんてことはない普通の旅人です」とリカバリすることにした。
「今時そんな旅人も珍しいね。いやでもグローバルだし今時かな」
と店員は「ごゆっくり」と手を振り去っていく。
しばらくして僕は窓の外を見ることにした。
人や車がまばらに通っている。
何気ない日常に心を休めていた時に否が応でもそれは目に入った。
ボゴール植物園でみたあの鳥が真向かいの家の屋根でゆっくりと羽を休めていた。
「!?」
僕は一瞬まさかと思い別の鳥だろと思ったがどういうわけか僕の方がチラチラと見るその雰囲気がどうしてもあの鳥であると心の淵を離さなかった。
「ほらあれ!」
とぼくが少し声を出し鳥を指さして亮介たちに知らせる。
「ん、どこ?」
エリーは僕の指の先を見るも見つけられない様子であった。
「おっ、あの姉ちゃん可愛い」
亮介にいたっては僕の言うことそっちのけで好色に浸っていた。
「ちっ」
僕は二人をおいて急いで店から出た。
鳥はいつの間にか別の家の電波の上に止まっていた。
どこか僕をバカにしたように見下ろししばらくしてどこかに飛び去っていった。
「何してんのあれ?
「だからそういう年頃なんだって」
と、亮介とエリーが二人でそう話していたのを僕は後から知ることになる。




