永劫回帰
ベトナムの少女エリーに財閥のパーティー、カウボーイハットのフリーライターのウィンガーに黒い霧。
たった1日で様々なことが起こり頭の整理が上手くいかない。
翌朝目が覚めた時も窓から差し込む日差しが妙に眩しく感じたのも僕の深層を露にしていたのかもしれない。
この日は特にやることもなくパーティーからの翌日ということもあって酔いを覚ますために街をぶらぶら歩いていた。
「なぁ」
だから。
日中の街中でその男に声をかけられ時やけに嫌な感じがした。
このクソ暑い中で男は黒の分厚いフードコートを着ていた。
フードを頭に被りこちらを見ている。
「なんだ?」
亮介が不意に男に尋ねる。
男からはただただ嫌な空気が伝わってきた。
「あんた、神宮司だろ?」
男はスラリと伸びた腕から拳銃のようなものを取り出して亮介に向けた。
嘘だろ。
「だったらなんだ?」
亮介はおじけることなく尋ねる。
そろそろと近くのものたちが後ずさりしていく。
男はカチリと音を立て、そして、
「死ね」
拳銃の音がこだました。
「亮介!!」
次の瞬間僕はホテルのベッドにいた。
「なんだ夢か」
僕はとても落ち着いて息をした。
「夢じゃないぜ」
声の方を急いで振り向くとそこに亮介がいた。
もう一つのベッドに座って背を向けている。
「亮介」
僕は彼のいったことがよくわからなかった。
「黒いフードコートの男」
亮介は呟く。
「お前も見ただろ。確かにホーチミンの街中でそいつが現れて俺はそいつに撃たれた」
亮介は僕の夢と同じことを言った。
「それって……」
そして亮介は信じられないことを言う。
「一体よぉ。この何日を俺たちは何回ループしてんるんだ?」
亮介のいったことの意味が僕にはわからずただ困惑する他なかった。




