最後の決戦
結論から言えば植島の体はズタボロだった。喋ることも呼吸をすることもままならなかった。
頭の中で考える。
あの時植島はホワイトに攻撃しようと一定距離に近づいた。そして気がついたら爆発してアスファルトの地面に叩きつけられていた。
つかつかとホワイトが歩いてくる。
自分の命がもう長くはないことを思いながら植島は最後の悪あがきをしようとする。
最後に一撃。
ホワイトに攻撃をしようする。
しかし虚しく彼が放つ電気は微量だった。
ホワイトは植島を見下ろすと何かを悟ったように背を向け別の場所へ歩き出した。
それが何を意味するか植島は理解しておりとっさに右腕を伸ばす。しかし破壊された内臓の痛みから気を失ってしまった。
植島は夢を見ていた。
小さい頃に両親に連れられてやってきテーマパーク。海。ショッピングモール、ゲームセンター。
そして気がつけば学校の友達と別れ施設に送り込まれた。
そこでも結局同世代の仲間と一緒に訓練をしたり生活をしたり楽しかった。
感情を露わにするタイプではないが満足のいく生活だった。このままずっとこんな日が続くと思っていた。
「がっ」
植島の手が地面へと力なく落ちた。
転がっている右腕をなくした磯松に近づき、ホワイトはため息をつく。チラと腕時計に目をやり、そして彼は磯松に手をかざそうとした。
突如、後方で大きな爆発音がした。
急いで振り返るとそこにはもはや虫の息であった植島が立っていた。ホワイトの爆発の霊気力で内側から爆発させ臓器をも破壊したはずの植島が立っていた。
しかし彼の目は虚ろでもはやこの世のものではないところ見ているようにホワイトには思えた。
ただならぬ植島の様子にホワイトは一気に警戒心を高め防御の態勢をとる。
植島の体から光線が走りホワイトを一気に貫く。
「ぐはっ」
ホワイトの口から血が溢れた。
さらに植島高速で移動を始め瞬間移動のようにホワイトに迫っていった。
ホワイトは植島を爆発させようとするが彼に命中しない。
そして再び大きな雷線が彼を襲い、ホワイトは吹き飛ばされた。
「なんだ貴様は」
英語で放った言葉ももはや聞く人はおらず、ゾンビのように虚ろな植島の攻撃にホワイトは耐えるのみであった。
霊気力開発機構の宿舎に残ったスピードは今頃、日本の重鎮霊気力者と戦って決着がついている頃だろう。ホワイトは残りの霊気力者を始末して急いでスピードに合流しなければならなかった。
しかし現にそれは叶わずそれどころかこの植島に確実に追い詰められていた。
冷静にする暇はもうない。
ホワイトは自身のありったけの能力を解放しあたりを次々と爆発させた。
そしてーー。
植島が放った巨大な雷電とホワイトの爆発が重なり博多の地面が崩れた。
この日の出来事は一面のニュースとなり語り継がれることとなった。
しかし彼らの仕業であることは秘密裏にされることになった。




