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孤独の現実逃避録  作者: 原子メンタルな人
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転生初日

続けて投稿


目がさめる。

体を起こし周囲を確認する。周りには今まで過ごした家はなく、建物はおろか、人すらいなかった。


「ここ、どこ?」


つい呟いてしまった。



状況を整理しよう。


俺の名前は、霜月 司。

26歳。

職業、人形師。

彼女どころか友達はいない。

最近は人形と話せればいいとも思っている障がい者。

1年近くかけて意思を持つ人形を作ろうとした。

しかし途中で持病により死亡。

何気に金持ち。


であってるよな?


「いくら山奥に住んでいたとはいえ、流石にこんな山には住んでいなかったはずなんだが……」


何より背後にあるこの大木。


現代ではお目にかかれないデカさだ。頂点が見えない。

こんなのあったらマスコミがネタにしまくるはずだ。


どう考えてもここは日本じゃない。

明らかに異世界とやらだ。

証拠としては、矢鱈とデカイ木、一つもない建造物、そして遠くにいるドラゴンみたいなヤツ。


「あれ?最後のヤバくないか?」




ドラゴンと目が合う。ちなみに恋はしないぞ。


「生まれ変わって即バッドエンドとかシャレにならねぇよ。」


ドラゴンが口を開ける。ワニみたいに大きく開いている。

例の如く、ビームとか炎とか吐くんだろうな。

もはや俺は諦めていた。


諦めるなと?


弾に限りがない銃があるならいい、ラノベみたいなチートスキルがあるならいい、敵を両断できる聖剣があればいい、俺を守ってくれる味方がいればいい。


しかしそれは俺には無理な相談だ。

答えは単純。

俺はラノベの主人公でもないし、聖剣もない、銃も持ってない、友人すらいない、唯の凡人だ。


諦めは当然だ。


極光が放たれる。


当然俺は成す術なく、それに呑み込まれる







訳ではなく突如地面から大量の土が盛り上がってきた。




しかし大地ではあのドラゴンのビームを相殺できる筈がない。

ビームが少し逸れた地点で爆発すると同時にその爆風で俺は数メートル程飛ばされる。


「……ッア。」


爆風だけでも骨が数本逝った。


今ので分かったことはあのドラゴンの吐くビームは当たれば即死という事と俺は何らかの能力を持っている様だ。

あのドラゴンの狙いは完璧だった。

ただ俺が運良く能力を発動させ偶々ビームが逸れただけだ。

もはや次はない。

だから俺は逃げる。

俺にあのドラゴンを倒すほどの力はない。

好きを伺って逃げるしかない。


あのドラゴンは俺を凝視している。

どうやら逃しては貰えなさそうだ。

なら答えは一つだけだ。


俺は地面に手を当て魔法の様なものを発動させる。

すると地面に穴が開く。

俺はそこに飛び込む。

土を扱えるなら地中に潜り、相手の視界から逃れるのみだ。

魔法で地中を掘りすすめる。

どっちが前でどっちが後ろなんて分からない。

ただ、あのドラゴンの足音が徐々に近づいているのが分かる。


壁にぶつかる。

否、壁ではない。巨大な樹の根だった。つまり俺は今あの巨大な樹の近くにいる訳だ。


「良かった。ここならアイツのビームも飛んでこない。」


そう、あのドラゴンは俺の予想だとあの木に近づいた者を狙うはずだ。

なぜなら、近くに俺以外の獲物がいた筈だ。

空にも鳥の様な生き物もいた。

食えば俺よりよっぽどエネルギーを摂取できる。

俺を狙う理由がない。

ただの腹いせかもしれない。


けどあれだけ目立つ木に俺しかいないのがおかしい。

どう考えても木に近づく者を、片っ端から殺しに掛かっているとしか思えない。


木を守ろうとすると竜が自分から木を壊しにくる筈がない。


「は?」


つい間抜けた声が出てしまった。

理由は簡単。

あの竜は何のためらいもなく上空から極細のビームを放ってきた。


「太いやつ以外にも細いやつもいけるのかよ。」


このビームなら木に当たらない範囲で狙える。

斜めから狙われた時点で俺は死ぬ。

唯一の救いは木に攻撃を仕掛けないことと、俺の位置が未だに特定されていないことだ。


あとはあのドラゴンが帰ってくれるのを待つだけだ。

そう思いながら俺は樹の真下に向かって土を掘り続ける。

魔力切れというやつか時々気だるくなる。少しずつ掘れる量が減っていく。


「そろそろキツくなってきたか……。」


手で直接掘った方が早い気がするが手が切れると危ないのでやめておく。すると完全に掘れなくなった。

そこに手を当てる。


「冷たい。」


感触は湿った石だ。

例えるなら小川の中にある少し大きい石を乾いた手で触れた感触。

多少土は付いてあるものの、その石の表面に何かが彫ってあるが分かる。

彫ってあるところを指でなぞる。


「これは、日本語か?なんて書いてるんだ。」


解読してみよう。


『生きた人形を作った貴方は、不幸にも疲労の所為か、持病で孤独死してしまう。

しかしそれは神のミスである。

すべての責任を負った地球の神は貴方を異世界へ転生させた。

その異世界の神である神龍に言い渡された示談の条件とは…』


「これはまずいですよ。明らかにどこかのホモビのネタに走ってぞ。誰だよこんなこと書いたやつ。地球の神とやらか。ノリいいなあ、おい。」


「しかもミスで死んだって。俺の1年近くの努力を返せ!ってまだ続いてんのかこれ。」


なになに。


『というのは冗談で、転生させた場所間違えたので許してください。何でもしますから。と言うわけで貴方に様々な技能を与えました。今から樹の中に強制転移させますので、樹の中にあるステータスプレートに血を流し込んで頂ければ詳細は書いてあります。それではさよなら。by地球の神みたいな人』


「へ?」


転移ってなんぞや?樹の中ってどう言うこと?

そんな言葉が脳裏に浮かぶが、それを遮る様に視界が歪み謎の浮遊感に襲われた。


気がつくと木製の部屋の中にいた。

見渡すと階段がいくつもあった。

取り敢えず足元に落ちていた板。多分ステータスプレートとやらを拾う。


「確か血を流し込むんだったな。」


ステータスプレートに指を押し込む。

こういった類の物は大抵針が出てきて、チクっと指をさして血が出る仕組みになっているのがセオリーだ。


「……痛。」


出てきたはいいけど結構痛かった。


『承認完了。』

『現在のステータスプレートNO.01保持者 シモヅキ・ツカサ』


と表示された。


『ステータスを更新中』


《ステータス》


lv1

適正職業 人形師 罠師 錬成師


筋力E

俊敏E

耐久E

魔力—

幸運B

技巧—


《スキル》


『錬成』S


『空間固定』B


『人形作製』—


『罠作製』D


『降霊術』E


『被忘却者』A


『アイテムボックス』—


『マップ』—


『土魔術』A


『肉体改造』S


『偽装工作』B


『重力操作』E


『エンチャント』A







「何だよこれ?」


何かチートそうだよ。
















試験終わったら更新します。

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