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孤独の現実逃避録  作者: 原子メンタルな人
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身体は原子で出来ていた。

初投稿です。

誤字脱字は多々あるかもしれませんがスルーしてやってください。

原子というとはこれ以上小さくできない物である。

つまり鋼のメンタルなんて物より持った頑丈かつ矮小なメンタルを原子メンタルというのではないかと最近俺は考えている。

勿論原子とは一つだけだ。

鋼は無数の原子を束ねて出来ている。


まさに俺のことを表すに相応しい言葉だと思う。

小中高大。全ての学校においてボッチ、挙げ句の果てに先生にすら忘れられるという暴挙。

これを孤独と言わずなんというのだろか?

この身は原子並に孤独でないのだろうか。

俺は希ガスではないのだろうか?


そんな取り留めのない事を延々と脳裏で考え続けている俺はやはりボッチの究極体なのでは無いのだろうか?

両親は10年前に他界し、親族も先日の災害でご臨終だ。

可愛い幼馴染もいない、腹を割って悩みを解決できる友もいない。


「孤独だ。」


こんな山奥では最近でいう○chとやらも使えない、最近飼っていた犬も何処かに消えた。飼い始めて2日しか経っていない。

この家にあるのは延々と俺が作り続けた人形だけだった。

正直こいつらがいなければ俺は暇すぎて死んでいただろう。

なんだかんだ俺はこの世界では最高クラスの人形技師だ。

人形を作ることに関しては右に出るものはいない。

人形然り、フィギュア然りだ。


そこで思いついた。

人形と喋ればいいのでは無いか?

そう思った俺は人工知能とやらの知識を身につけることにした。

車で3時間くらいのところにある、そこそこ大きい本屋に行き、資料を漁る。

中にはオカルトくさい本もあったが妙に惹かれたので買ってみた。

理由としては努力無しで成功したら楽だからだ。

信憑性はないが俺は希望的観測で動く人間なので仕方がない。つまり、いかに楽をするかだ。

物凄く怪しい素材を要求されたので更に遠出。

半年近くかけて素材を入手する。

流石に国内で手に入らないだろう物も要求されたので買ってみた。

高かったのは聖杯のレプリカと世界樹の葉。

最後のはどこぞのゲームで出てきそうな名前だったが気にしてはならない。

二つ合わせて10桁くらいの出費だった。

初めてこれほど出費したな。

妹にせがまれてます精々6桁が限界だったのになぁ。

そういえばあいつ元気してるかな。

就活がどうこう言ってたはずだ。

妹に金がなかったらいつでも貸してやる、と言ったので俺の口座はたまに減っている。

精々5桁だ。

遊びに使っているのだろう。

しかしここ数年減っていないから、俺のことを忘れたのか懐が潤い始めたのか。せめて連絡は欲しいな。


取り敢えず必要な素材は揃えたので作った人形の心臓に位置する場所に素材を使って創り上げた『ソレ』挿入する。

すると心臓モドキが紫色の光を放ち人形によく分からない力の様なものを与えている。と錯覚するような光景が生まれる。

正直に失敗する気配しか無かったが今はかつてない興奮している。

これが成功すれば人類初の歌って踊れる人形、ではなく自分の意思を持って行動する人形を創り上げた男に俺はなれる。

名誉はともかく初めてを頂けるというのは、よく分からないがとてつもなく嬉しい。

あと人口知能とかの知識を身につけてなくて良いのもとても良い。


脱線したので話を戻す。実況の再開だ。

よく見ると人形の体に血液らしきものが循環する。

この人形何気にかなりグレーな素材で作っているため、人間に近い。というよりほとんど構造上は同じである。

臓器もある、筋肉もある、脳もある。

フランケンシュタインの怪物と言うほどでもないが、殆ど人間の体の部位を使用している。

肉体は傷つけたくないので特殊な素材でコーティングしている。伸縮自在のかなり頑丈な代物だ。車にはねられようと新幹線に突っ込もうとしてもかすり傷で済むレベル。

恐ろしいほど便利な機能。俺じゃなきゃ買えなかったね。

5分ほど人形を見つめるも変化はない。


体温は人間と殆ど同じ、呼吸はしている、心臓も動いている。


何かが足りない。


肉体は大丈夫だ。


魂を受け入れる器として買った心臓モドキもちゃんと機能している。


なら、足りないのは…


「魂か….」


魂をって売ってないのか?

ほら悪魔に魂を売るとかあるでしょう?

俺が悪魔になればこの子目覚めるの?

教えてください。


「コフ!」


口から血が溢れる。

持病だ。医師曰く原因不明の病だそうだ。


今回の吐血量はいつもより多い。

そろそろ時間かもしれない。

まずいな、せめて彼女を完成させたい。

急に意識が遠のく。

体の感覚がなくなり、肌寒くなる様な錯覚を覚えた。


俺は…死ぬのだろうか?


誰にも覚えられる事もなく、一人で。


嫌だ。


俺だって普通の奴みたいに、友人を作りたい。

笑っていたい。彼女も欲しい!


何でみんな俺を忘れるんだ!


俺はここにいる!




しかし俺の思いは誰にも届かない。

そんなのは知ってた。


けど…


「ますたー?」


俺のすぐそばにいた人形の声を最後に俺の意識は完全に途絶えた。





主人公のキャラが安定しない…

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