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話し合わない僕らはタイトルをつけない。  作者: 夜更かしした僕らは夢をみない
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審議と真偽と真義

RIN様からすごい謙遜されて恐いぞ(=_=)

勢いよく書いてみたものの。。。ジャンルが?

第五章(ちゅーぼー。)

  


 ライトが落とした“ノート”がなくなったまま、数日が経つ。

 “偽物”が拾ったのであれば間違いなくライトを殺しに来ているだろう。


 ――であれば、腰抜けの“本物”が拾ったと推測できる。


 行動力の欠片もない“見知らぬ誰か”を待ち続けるなんてことは出来ない。


「――ライトさーんっ! 昼飯一緒に食べませんか?」

 

 キトラ=エグマという同級生が弁当を持って、隣の椅子に腰を下ろした。

 ライトが一度命を救った生徒だ。可愛い顔をした化け猫女によって体育館裏に呼び出されて、“本名”を白状してしまったバカだがライトが助けてやった。

 その当時“本名”を知り、嬉嬉とした女に拳銃を向けられたエグマは顔面蒼白、一度死んだような顔をしていたのを覚えている。その節にエグマから“ライトさん”と慕われるようになった。


「エグマ。お前は体育館に行ったとき、学園長の顔を見たか?」


「見ましたよ。確か…………女性でした。どうにも意味の分からないことをべらべらとやっぱり“校長のお話”って聞く意味ないっすね」


 ライトは自宅で握っていたおにぎり。エグマは近くのコンビニのおにぎりを口にしている。


「学校でどう過ごせば良いかとか言ってなかったのか?」


「あはっ。ライトさんって意外にも“先生の言うこと”を護ろうとする“お真面目さん”なんですね。たしか…………、偽物がどうで本物がどうでとか言ってましたね」


「その集会に参加した顔ぶれは?」


「ライトさん以外いたんじゃないですか? 今になってそんなに気になるなら参加すれば良かったじゃないですか?」


「いろいろとあるんだよ。この義手の事とかな」

 エグマを助けるときにすでにこの左手を見せてしまっているので、この事は隠していない。


「マジ、かっけーっすよねぇ。その白銀の輝きっ!」

 純白の左義手を負けないぐらいに目を輝かせてエグマは顔を寄せてきた。


「そういえば体育館で“義足”を見ました。ライトさんのこれに近いやつっ!?」


「あぁ俺もそいつに会ったけどなぁ。ちゃんと逃げ出さず生きてたんだなぁ。まぁ義足だったら“逃げる”なんて選択肢はもともとないのか…………」


「ライトさんに比べたら、マジ挙動不審で。近くの生徒さんに一言しゃべりかけられただけで表情を硬くして世界が終わったような顔をしてましたよ。ライトさんに比べたらあんなやつ“偽物”も良いところですよ」



 ――――ウゥウッゥウゥゥッゥゥウウウウゥウゥッゥゥゥゥゥ



 突如、サイレンが鳴り響く。

 ――その刹那、黒埜フードを被った五、六人の軍団が姿を現した。手練れのライトでさえ警戒を隠せない“本物プロ”の動きでエグマを囲むと、

『あなたは義足の男を“偽物”と発言したことを確認いたしました。それは虚言であることを特定し執行部である我々が“追放”を施行します』

「なんなんだよっ! あんたらライトさん助けてくれよ」

 キトラ=エグマがもがき暴れだそうとすると、フードの一人に一瞬にして制圧され気を失い、抱え込まれる。


「コイツはこれからどうなるんだ?」


『“本物と偽物”この学内のもっとも重要とされる教訓に対し、虚偽の発言者はいかなる理由であっても学内から永年追放といたします』


「“本物”の人間なら学内に入れないだけで済むということか?」


 裏を返せば、“偽物”の死体どもにはこの学園のみでしか生きられない。それは消滅を意味すると言うこと。


『さようでございます』


「お前らは学内の発言をすべて管理しているのか?」


『さようでございます』


 感情の起伏を感じない生きた心地がしない執行者どもを前にいくつかのルールを聞き出せた。キトラ=エグマには申し訳ないが彼もこの学園ではないどこかでまた生きていけるのだからエグマの身銭を切る情報提示に感謝するほかない。


『――それでは、楽しい学園生活を』


 執行者どもの軍団は消えていった。彼らと敵対して交えることはあるのだろか。

 ライトに流れる血は僅かにざわついた。



 そしてなによりも――――義足の男は“本物”だ。



「おい義手っ?」


『急にエグマが追放されちゃって“ぼっち”だからしゃべり相手が欲しいの?』


「そんな雑談の暇はないだろ。ノートの拾い手が分かるか?」


『名前とかそういうのは分からないけど、位置はわかるよ』


「俺の方から迎えに行ってやるよ。チキン野郎」


 この学園は“偽物”に対して“無限の命”という特権があるように造られていて一見“本物”にはなにも利益もないように出来ているように見えるかもしれない。“本物”は自らの名を隠し身を潜めながら“偽物さがし”をするようだが、


 ――――それは違う。


 ライトは三年三組の情報戦をすでに看破していた。教室から“本物”が消え去った教室に興味は尽きていた。エグマを無条件に奪われた腹いせに三組の教師、生徒。

「俺は――――サノ=ライトだ」

 向かい来る“偽物”と特定したすべての人間を凶器の重厚なる左手で殴り殺した。


 決して“偽物”有利なゲームとして展開させる訳にはいかない。“本物”の特権とは偽物と違って“無条件に人を殺せること”そして“簡単に学外に逃げられること“だ。

 そんな人間性・倫理のない地獄の学園で叶えたいモノなんて一つしかない。



「――サクラギ=ハルノは“偽物”である」



 ライトのこの発言に執行者は反応を示さなかった。その理由は二つのどちらか。


 ――そもそも彼女がこの学園にいないのか?


 ――彼女は死後、この学園で“偽物”として生活を送っているか?



 ――――――――“偽物”から“本物”へと死者を蘇らせる。


「俺の左手はっ………………あの時、手離してしまった――――ハルノ。お前のことを探してる。この手で今度こそお前を連れ出してみせるから」



『待ってるよ』――――その誰にも聴かれない微細な声は左義手から――――否、左義手の先に繋がるオペレーターの元で発せられた。




 ――――コンコンッ!



「失礼します。“サノ=ライト”です。俺のノートを拾った人間知りませんか?」


 侵入した教室で教壇に立ち大声でそう発言した。

 生徒達が向けるのは突然の来客に驚いた顔と――――――。殺気の数々。

 それと同時期に拳銃を何名かに向けられるのだが、


「――義手っ、【放電バースト】」


 ライトは発砲の火薬音より素早く無駄のない所作で左手を前へと構えた。


『りょーかいっ!』


 これが【電磁石】のリスクを軽減した新たな左義手の機能。避雷針として金属に集まりやすい火花放電かみなりが銃を構えた人間の手を焼く。

 焼くといえど、痺れさせ痙攣を引き起こさせるほどで運が悪くなければ命には関わらないだろう。無力化するには十分な機能だ。

 欠点としては蓄電時間チャージがいるので前もってセッティングしておく必要があることだ。


 そして、発生した雷の半分以上を誘電した脚を持つ青年がいた。

「久しぶりだな“本物”」


交換ノートみたいなことしてみたかったという願望と実際ノートは返ってこないんだよっ。という卑屈が体現された感じでしょうか。

そう言うと今、RIN様とパスし合ってるのが何の気まぐれなんでしょうね(>_<)

次話2017/10/19(木)

RIN様頼みますよ。

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