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黄泉のはじまり

*今回は女神視点です。

大昔、女神がこの世界【黄泉(よみ)】に来たばかりの頃のお話です。


前回のあらすじ


米原とエーコは海底で剣を見つけ、剣をつかんだと同時に、世界は消滅してしまった。



遠い遠い昔、私は、沢山の子供を産み、最後の子、火の神を産んだ時に負った火傷で死んでしまい、この黄泉(よみ)に来た。


この頃の黄泉は何もなくただ殺風景で、亡者の魂の転生までの休憩場所として存在していた。


暗い洞窟の中にいた私は、あまりにも寂しかったので、草木の魂に肉体を与え、枯れた地面に植えた。


すると、すぐに枯れてしまった。


そこで、ミミズや微生物達の魂に肉体を与え、土に生命を吹き込んだ。


生き返った土に植えた草木は、少し成長したが、元気がなくしおれてしまった。


草木が育たない原因がわからず、土を燃やしたり色々試した。


そして黒焦げ土まみれの体で、雷を大量に落とそうとバチバチしていたら、現実世界にいるはずの夫が洞窟にやって来た。


「ヒッ!ヒィーッ化け物!!」


何故か夫は叫び逃げて行った。


妻に化け物とは失礼な!今度会ったら引っ叩いてやる!


私がプンプンと怒っていると、現実世界で3人、増えた子供の力を感じた。


私の旦那、男なのに子供産んだの!?

何それキモイ!もう黄泉に来るな!


私は鳥肌を立てて身ぶるいしていたが、

感じた子供の暖かい力に気付いた。


子供の1人に太陽神がいるわ、太陽神が居れば草木も育つかも。


子供1人連れ去ると流石にバレるので、太陽神の力のほんの一部だけ黄泉に引き寄せた。


すると洞窟に光り輝く赤ん坊が現れ、草木を照らし、草木は元気にシャンと背筋を伸ばした。


「おぉっ!やはり陽の光が足りなかったのか!これで黄泉を緑で覆い尽くせる!」


私は輝く赤ん坊を抱き上げ頬ずりをした。


「何とも美しい赤ん坊、私と一緒に、この世界を幸せあふれる理想郷にしよう」


洞窟に光が満たされ、遠くに出口がある事に気付いた。


草木が広がって外まで続いている様だ。


私は、草木などの自然を維持するために、自分の魂を半分に分けて洞窟に残し、外に出た。


外に出ると、抱いていた赤ん坊の光がさらに強くなり世界を照らした。


その時から私の第2の世界は始まったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーー


それから何十年も年月が過ぎた。


ここは、私が創ったスルガ天空の塔頂上にある女神殿。


「母上!貴方の息子です、会いに来ましたのじゃ!」


ある日、旦那が産んだ3人の子供の1人、戦神スサノオが現実世界から訪ねて来た。


「ワシは生まれてこの方、母上の顔も知らず、会いたくて仕方がなくて、父上に止められたのじゃが、こうやって黄泉まで来てしまいましたのじゃ!」


何と聞き取りにくい喋り方をする子なんだろう、それよりこの子、かなり強い力を持っているわね。


最近、洞窟に残した私の分身が、やたら強い動物を創り出して、太陽神の国で暴れていて邪魔だから、この子に退治させてみようかしら。


「我が息子よ、よくここまで来ましたね。しかし、私の愛が欲しいのならば黄泉にのさばる魔物達を退治してみせなさい」


「母上!承知いたしましたのじゃ!」


「アナタが死んでしまわないように、不死の力【無限転生】をさずけるわ」


「おお!ありがたいのじゃ!必ず魔物達を討ち取ってみせましょうぞ!」


息子は、塔を降りて行った。


私が与えた【無限転生】には、神気を封じ込め、私が監視できる様になり、私の思想に影響されると言う裏の能力を付けておいた。


これで息子は私の思い通りに動き、裏切る事もできないハズだ。

謎が解き明かされていきます。


次回は、邪神視点です。

お楽しみに٩꒰๑❛▿❛ ॢ̩꒱

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