紙幣を流通させよう!
今回はチート内政な話です。
前回のあらすじ
シロちゃんとエーコは幼馴染でした。
ダンジョンが完成しました。
「殺人アメーバのねり飴だよー!アワビ熨斗1枚と交換するよー!」
「うり坊の丸干しだよー!麻布があるなら交換だよー!」
「すまねぇ、うり坊欲しいのだが、土器しかねぇから、土器でもいいか?」
「麻布が無いなら交換しないぞ!さぁ邪魔だどっかいけ!」
俺達は、俺達が作った米原ダンジョンの入り口に来ている。
入り口周辺には、ダンジョン探索に来た国民達が木の船を乗り付けて、それが大量に連結されて、小さな島の様になっていた。
ここでは、ダンジョンで採れたアイテムを日用品と交換する市場が開かれており、各々が必要な物を探してまわっている。
ダンジョンを作っただけで、この様な市場ができるなんて、思ってもいなかったから驚きだ。
しかし、様子をみるとトラブルも多くある様で
「おい!土器なんていらないって言ってんだろうが!」
「家には、ドングリばかりで、もう1年も肉を食べてねえ育ち盛りのチビ供がいるんだ!うり坊交換してくれよ!」
うり坊で麻布が欲しい男と、土器でうり坊が欲しい男が言い争いをはじめた。
そう、この世界は物々交換で成り立っているのだ。干し魚やアワビや砂金や麻布が、貨幣の代わりになっているが、物品の種類があり過ぎて中々、交換が成立しない。
そこで俺は紙幣を流通させる事にしたのだ。
( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)
「ワオッ!万金札にミスターリョーのフェイスがビューティフルにドローイングされてますにゃ〜」
「ワッチ、似顔絵は得意だポン!こっちの五千金札はエーコちゃんの顔で、二千金札はリーペちゃん、千金札はクルゥリー師匠で、五百金札はワッチで、百金札はミミちゃんだポン!」
「ミミは1番安いお金ですわっ」
「1番沢山使われるお金だから、皆に親しまれます」
得意げな五百金札に、文句を言う百金札をたしなめる千金札。
それでも、安い女だと思われますわっとかブツブツ言っている。お金になるだけで凄い事だからね?
ちなみに、五十、十、五、一金札は作らなかった。前世の頃から要らないと思っていたからだ、小銭があったら財布が重くなるし、レジで小銭を渡す側も手間だし渡し間違える心配もある。
それならばいっそ全ての物を百円以上のポッキリ価格にしてしまえばいいと思ったのだ。
1980円なんて消費者の金銭感覚を狂わせるトリックは禁止して、より効率の良い流通を生み出す事こそが国全体の豊かさに繋がるのではないかと俺は思い、今回それを実行した。
まあ、経済って難しいから思う様に行くか分からないけどね。
「こんな紙が、砂金と交換できるのですか〜?」
エーコが、万金札を指でつまんで不思議そうに透かし部分をのぞいている。
エーコはこの世界でうまれたから、紙幣はもとより、お金の事すら知らないのだろう。
「金庫に国中の金を集めたから、交換され過ぎて金が無くならない限り大丈夫だよ。最初はすぐ金に交換したがるだろうけど、前世の記憶がある国民(勇者)も沢山いるし、紙幣自体に価値がついて、国民は紙幣で何とでも交換する様になるよ」
「ほへぇ〜」
金は、ダンジョンの入場料で集めた物品を交換したり、水没した王都からも沢山回収できた。リーペに水から作らせる事もできるが、金相場が暴落するのでやめた。
「よし!原画もできた事だし、印刷開始だ!」
「「「お〜〜っ!」」」
リーペに作ってもらったコピー機に、原画を入れて印刷ボタンを押すと、勢い良くコピーされた紙幣が大量に飛び出してきた。
「ワッチの描いたのが沢山出てくるポン!嬉しいポン!」
「メニメニマネープールでウォーターハザードしたいにゃ〜」
「ミミの顔がいっぱいです、何だか恥ずかしいですわっ」
「なかなか高性能なコピー機ですね」
「素敵な涼様の顔がいっぱい!並べて寝室にかざりましょう!」
見た目はコンビニにありそうな普通のコピー機だが、実は印刷ではなく複製する複製機なのだ。印刷は紙に原画をインクで写す物だが、これは紙もインクも使わず、入れた物と同じ物が複製される。透かしもタヌーが描いた筆跡も紙質も原子レベルで同じ物ができるのだ。
偽札など作れるわけがない。ついでに原画以外の紙幣から、誰かが印刷や複製系のチートスキルを使おうとすると爆発するという偽造防止機能まである。さぁ!偽造できるならしてみるがいい!!
( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)
そして、紙幣が国中に流通した。
「殺人スライムのねり飴、千金だよー!」
「うり坊の丸干し、二千金だよー!」
「すみません、うり坊の丸干し1つください」
「お?この間の兄ちゃんか!土器売れたんだな、良かったな!」
「はい!ちょうど二千金で売れたので、何とか買うことができます!」
「そうか!良かったな!ほらよ、気をつけて持って帰って家族に食わしてやりな!」
「うっ、ありがとうございます!」
俺は、泣きながら話し合っている2人を眺めていた。
紙幣作って良かったな。
紙幣は貧富の差もうむけど、人々が繋がり豊かになって行くのには必要不可欠な物だ。国民同士が支え合って、こんなチートな世界でもたくましく生きていける、そんな国にしていきたいな。
俺はそんな事を思った。
「あっ!あれ!万金札じゃねえか!?」
「あーっ!本当だ!!」
民衆が俺の顔に気づき騒ぎ出した。
あー、生きてる王の顔を紙幣にすると、こうなるのかー。
民衆達が、万金札の顔を一目見ようと集まってきた。
ちょ!?こんなに集まったら足場の小船沈むから!
俺は逃げ出すが、民衆は追いかけてきた。仕方ないので、財布からコピーしたての、まだ温かい万金札100枚の束を取り出してバラ撒いた。
「うおー!?キングリョー様が、万金札をバラ撒いてくださったぞー!!」
「キングリョー万歳!キングリョー万歳!!」
俺は歓声の中、必死に水の上を走りながら逃げるのであった。
今回はちょっといつもと違う感じにしてみました。
次回は、ダンジョン探索に行きますよ。
お楽しみに٩꒰๑❛▿❛ ॢ̩꒱




