ダンジョンを作ろうとしたら詰んでいた
前回のあらすじ
タヌーの蹴りで佐藤ALv1が地面にめり込みました。
Lv1からLvをあげるためにダンジョンを作る事になりました。
「1階にはLv1、2階にはLv2と階数と同じLvの魔物を配置し、98階まで湖の底に向けて下へと作る予定だ。そして98階の下を、湖ができた時に沈んだ天然のダンジョンに繋ぐ。天然ダンジョンの1階にはLv99のアメーバが居たらしいから、これでLv1からスムーズにLv上げができる様になる」
「「「おおー!あったまいいー!」」」
皆が歓声をあげた。
「米原王国には、おっさん達以外にも湖に沈んでLv1になってしまった数多くの|都民(勇者)達がいる。このままでは、海の|お魚(魔王)にちょっと突かれただけで死にそうだ。
初心者ダンジョンがあれば、皆かなり助かると思う」
「ダンジョンのクリエイトは、ミーのミッションかにゃ〜?」
「そうだ、リーペが作った300m級の空母を縦向きにして湖に沈めれば完成だ。空母の階段や部屋なども縦向きに、内装は岩壁ぽい感じにして、船尾には、水上から入れる様にダンジョン入り口を作ってくれ。船頭に階段を付けて、階段を湖底の天然ダンジョン入り口に繋げるのも頼む」
「アイアイニャ〜!」
リーペは掛け声と共に、一瞬で空母ダンジョンを縦向きに作り、湖にドバァーン!!と沈めた。恐るべき仕事の早さだった。
そして次の話に入った。
「魔物は、魔物の復活地点をダンジョン内に運んで来れば勝手に沸く仕組みだ。」
「「「おおー!あったまいいー!」」」
「あの、ちょっと良いですか?」
「ん?」
おっさん勇者の田中が手をあげて発言した。田中は、おっさん達の参謀的存在だ。何か考えがあるのかもしれない。
「魔物は復活した時はLv1、2階以降に配置するためにはLv2以上である必要がある、どうやってLvを上げるのか?それにLvが上がった魔物をどうやって適切なLvの階に移動するのかという問題があるのだがどうお考えかな?」
「「「あーーーっ!」」」
思わぬ落とし穴に、皆で声をあげてしまった。
「詰んでしまいましたわっ」
ミミが悲しそうな表情で空母ダンジョンを眺める。凄く盛り上がっていただけに、皆、ションボリとしている。
「魔物を追い回して適切な階に移動させるとかどうだポン?」
「それは手間がかかり過ぎます」
「魔帝ハーレム様がいれば魔物に命令して移動させられますけども、無理ですわよねっ」
「せめて、味方に魔帝みたいに魔物を操れるヤツがいればいいんだけどなぁ」
「「「アーーッ!!」」」
おっさん達が急に叫んだ。
「佐藤A氏の嫁ならできそうだよな!?」
「先輩!そうですね!」
「えーっと名前、何ていいましたかな?」
「先輩!シロです!」
「シロちゃんが居ればできるよな!」
おっさん達が勝手に盛り上がっていて、意味が分からない。そのシロちゃんって嫁が何かできるのか?まさかウチの嫁は邪神だとか言わないよな?魔帝でもう手一杯だからな?
「シロってのは兎人っていう、兎の耳と尻尾が生えてる人族で、【モンスター詐欺】という魔物をだますチートスキルを持っていてな、スキルの効果範囲がかなり広くて半径40kmもあるから、王都に居ればダンジョン全体の魔物を操れるハズだぞ」
「兎の耳と尻尾?」
佐藤Aがシロちゃんについて説明してくれた。佐藤A、先輩おっさん勇者達に話す時だけ敬語になるんだな。
エーコが珍しく何か考えている。何を考えてるか気になるな。
「佐藤A、確かシロちゃん、アジトのログハウスに置いてきぼりだよな?」
「はい先輩!しかし、ウチの嫁はたくましいので大丈夫だと思います」
「まあでも、早く迎えに行ってやらないと可哀想だぞ」
「アーーッ!!」
今度はエーコが叫んだ。
( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)
「塩が肌に染みて痛いピョ〜ン」
兎の耳と尻尾の生えた女の子が、空母のアンテナに手足を縛られていた。
「シローーッ!!」
佐藤Aが叫びアンテナをよじ登り、手足を縛った縄を解いた。
「エーコ、これは一体どういう事だい?」
俺はエーコを問い詰めた。
「素潜りで採れたワニザメをさばいたら、胃の中から美味しそうな兎さんが出てきたから、塩を塗って丸干しを作ってたんです〜」
「いや、それ人間だから!」
人と魔物の見分けもつかないのか、やっぱり一度しっかり教育しなおさないといけないな。
新キャラがでてきましたね。
何がきいた事ある話だと思われた方、正解です(๑′ᴗ‵๑)
次回こそ、ダンジョン作っちゃいます。
お楽しみに٩꒰๑❛▿❛ ॢ̩꒱




