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同一世界ファンタジー

母竜を殺した冒険者と殺された仔 


本当は一言シリーズの番外編として書いたものですが、長くなりすぎたので急遽短編として投稿しました。


一言シリーズの第39話からの登場する新キャラの昔語り。


楽しんでください。










私が殻を破り、生まれて初めて目にしたモノは……傷だらけの姿で息絶えていた母竜と────母竜を仕留めた冒険者が私に気付いて浮かべた、




        絶望の顔だった────。








あれから五十年の月日が流れた。


産まれてすぐに母竜を喪った私はウサギやネズミといった小動物を狩って何とか生き長らえた。


母竜を仕留めた冒険者は竜の討伐の証である竜珠と呼ばれる顎の真下に一枚だけある宝石のような鱗を取って残りの母竜の遺骸を燃やした。


……私に気付いていた筈なのに、あの冒険者に私には手を出さず、そのまま立ち去って行った。


千年を生きる竜種でも次代の卵を宿すことの出来る百の年月をようやく迎えて私を産んだ母竜は、竜の中でも力が弱い方だった。


卵を産んだ母竜は通常、卵が孵るまで自身の魔力を注ぎ込んで卵の中の幼竜を成長させる。そしてその間は母竜は卵の成長の為に魔力を使わなくなる。…………ただでさえ竜種の中でも脆弱だった母竜にとっては間の悪い、最悪な災難であっただろう。



「おい、まだ此処に居たのか……」


『…………』



深緑の山の中で眠っていた私に、話し掛けてくる七十過ぎの老人がそこにいた。



『居たら悪いか? 此処は元より我が母の住処。子たる私が居て何が悪い』



老人は鼻の先に皺を寄せて、持っていた大剣を肩に担ぎ直す。



「竜っていうのは母親の縄張りから巣立ちしてあっちこっち旅しながら自分だけの住処を探す生き物だって聞いたぞ」


『まあ、確かに、その通りではあるな』



この老人は五十年前に私の母竜を殺した冒険者………つまり仇だ。


本来ならば竜殺しの英雄として持て囃されるであろう男は、何故かこの山の麓に住み着いた。母竜を殺してからひと月も経たぬまに……。



『そっちこそ、何時までこの山を彷徨くつもりだ? よい歳をした人間が、魔獣蠢くこの山で生きるは辛かろうに』


「そんなの、俺の勝手だろうが……」



苦々しく言う老人に、しかし私は素っ気なく返す。



『ならば私も勝手に居るだけのこと。貴様が気にすることでは無い』


「…………」



老人は黙って私の前から去っていく。


こんなことが、もう五十年近く続いている。生まれてすぐ母竜と死別した私は満足に狩りもこなせず少しずつ痩せ細っていった………そんな中、あの冒険者が再び私の前に現れた。



『おい、まだ此処に居たのか……』



子犬程の大きさしかなかった私。そして痩せ細って飢えていた。


冒険者は私に手を差し伸べはしなかった。たとえ差し伸ばされても誇り高き竜である私がその手を取ることなどしなかっただろうが。


だが代わりにあの冒険者は毎日私の元に顔を見せた。毎日、かかすことなく。


しばらくすると、私はネズミやウサギなどといった小動物を捉えられるようになった。



仇である冒険者とも顔を合わせてきた。



弱っていたとはいえ、竜殺しを成した冒険者ならば引く手数多であろうに。


一度だけ、冒険者が聞いてきたことがある。何故、母竜の仇たる自分を殺そうとしないのか? と。


私も一度だけ聞いた。何故、あの時私を見逃した。母竜を殺された竜の雛なぞ、後の禍根にしかならないだろうと。


冒険者は私の問いに答えず、私もまた冒険者の問いに答えなかった。


それからはずっと冒険者は私に会えば「まだ、居るのか?」と聞いて、私は答えたり、答えなかったりを繰り返してきた。五十年間、ずっと。



───だが、もう直ぐ、そんな日々も………。 



それから数日が経った頃。

不意に私の住処の山にとてつもなく巨大な力の塊が舞い降りてきた。


その巨大な力の塊はゆっくりと私の方に向かって近付いてくるのが解った。明らかに知らない………されど、懐かしい気配に私はゆっくりと身を起こした。


現れたのは、まるで、この世のものとは思えぬほどの美貌を兼ね備えた美丈夫。スラリとした長身と切れ長の濡れた瞳。スッとした鼻筋と艶めかしい薄い唇。白い肌と艶やかな髪。



「ほう……。母によく似ているな。だがその身の内に秘めたる魔力は我をも凌ごう………よく、ここまで育ってくれたな」


『初めてまみえた娘に、もう少し気の利いた言葉はないのですか? 我が父よ』



そう───この美丈夫こそ、人の身をとった私の実の父である。


初めて会ったがその身の魔力は私とよく似ていたし、それに竜種は本能的に自身の親兄弟は判るのだ。



「母のことは風精シルフに聞いた……。そして仇たる冒険者のことも………何故、仇をとろうとしない? 我が娘」


『…………』



父竜の鋭い眼差しが私を射抜くが、別に父竜は母竜に対して愛情があるから私にそう言っているのではない。竜種の───それも上位種に位置する自分の娘がおめおめと仇の人間が目の前を彷徨うろついているのに放置している状況が我慢ならないだけだ。



「答えよ、娘。何故仇をとらぬのだ。よもや……母を殺した人間に恐れているわけではないだろうな?」


『我が父よ。母の仇を討たないのは別に仇たる人間を恐れてではありません』


「ならば、何故?」



執拗に尋ねる父竜に、煩わしいとばかりに私は父竜に答えた。



『父よ、私が卵から孵り初めてこの目にした世界は血に塗れ、息絶えていた母と。私に気付いて絶望した顔をした、今にも死にそうな満身創痍の若い人間の男の姿でした……』


「…………」



黙って続きを促す父竜。



『………私は、その時、どうすれば良いのか正直解りませんでした。母の仇をとるにしても産まれたばかりの私に出来ることはなかった。そして母の仇たる冒険者は私に気付きながらも私を見逃し、母の竜珠のみを持ち母の遺骸は火に伏しました』



あの時のことは、恐らく永き竜の一生を持ってしても忘れることの無い出来事であろう。



『私は母亡き後、狩りも知らぬままに必死に生きようともがきました。竜種として生まれ落ちながらも私は地べたを這いずりながら幼き私は生きていた………そんな中でした、私の前にあの人間が再び現れたのは。あの人間は私が山で一匹で暮らしているのを見て、言ったんです』




おい、まだ此処に居たのか……と。



『その時の私は痩せ細って………竜種としては見るも無惨な姿だったと思います。しかしあの人間はそこには触れず、そして私に手を差し伸べようとはしませんでした』



代わりにあの人間がやったことは毎日私に会いに来ること。どれほど隠れてやり過ごそうとしてもあの人間は私を見つけるまで探し続けた。


殺そうともせず、生かそうと手を差し伸ばすわけでも無く、ただひたすら顔を合わせるだけの日々を五十年間繰り返すだけだった。



『何がしたいのか……。私はシルフに協力してもらいあの人間のことを探りました』


「そしてどうしたと? 仇たる人間に情でも移したとでも言うのか? 母の仇でありながら!?」



苛立ちも露わに父竜は吠えるが私の眼差しは冷めたままだった。



『情を移した……? ええ、ある意味そうですよ。確かに私はあの人間に情がある。───母を殺された憎しみも哀しみも怒りも、幼き身であった自身の無力さと不甲斐なさも。………それで? それが一体なんだというのです? 父、私が人間達・・・に復讐するのは簡単なのですよ。私が此処から立ち去ればいいだけなのですから………』



そう。

私がこの山を立ち去るだけで全て終わる。それだけで、簡単に終わってしまう。私の胸の内の感情の『重さ』に比べてあまりに容易すぎる。



『お分かりにはならないでしょうね。父には。私の考えも、私の想いも。何一つ………されど我が父、貴方の手出しは一切無用です。もし手出しするというなら─────お相手しますよ?』



紛れもなく確かな殺意を受けた父竜は私の本気を感じ取ったのであろう。眉を顰めて私の殺気を鼻で嗤った。



「生まれ落ちて百の年月としつきを経ていない雛の身で父たる我に牙を剥くきか? 身の程知らずなことよ……」



膨れ上がる父竜の魔力に、私も殺気を迸らせながら構えた。



「が、───お前にも考えがあることは解った。いいだろう、我が娘。お前の好きにするとよい」



父竜は魔力をあっさりと納めた。



「この場は退いてやろう。自身の納得のいく結末を迎えて見せるがよい。ではな、我が娘」



そう言うやいなや。父竜は踵を返してさっさと立ち去ってしまった……。この地から少しずつ遠ざかる魔力の塊を感じながら、私は再び寝転がる。



『………激励・・のつもりか? まったく────我が父ながら素直で無い方だ…………』



そしてそのまま眠りについた。




「おい、まだ此処に居るのか?」



うつらうつら微睡んでいたらあの老人がやってきた。



『居たら悪いか?』



同じ言葉と同じ態度。


決して変えてこなかった私達の関係。



「…………さっき、すげー強い力の気配を感じたが───何か、あったのか」


『別に、何もないさ。ただ………少しばかりお節介な方が訪ねてきただけさ』


「あん? お前に訪ねてくる知り合いなぞいたのか?」


『ああ、父が来た』


「…………………………」



あっさりと告げればあんぐりと口を開けて間抜け面を晒す老人。



「───お前……父親、生きてたのか………」


『死んでいると言った覚えはないぞ? まあ、顔を合わせたのは此度が初めてではあったがな』



そう返せば眉をキツく寄せて私を見上げる。



「なんで今頃現れた? なんで、今までお前を放置していたんだ?」


『別に、父は私を放置していたわけではないよ。そもそも竜種など父子といっても顔を合わせるなど殆どしない。大方………魔力が安定し始める頃合いになったから、ついでに顔でも見ておくかと来ただけだろう』


「………魔力が安定する?」


『知っての通り竜種の力は強大だからな。卵から孵り、魔力が身の内に馴染みきるまで数十年掛かるのさ。致し方なきことよ』



初耳だからだろう。僅かに体が震えている。



「じゃあ……お前は、ずっと魔力が安定していなかったのか?」


『そうなるな』



しれっと言えば更に眉間の皺が増えた。



「お前は………」



何かを口にしようとし、でも形にすることが出来ず、結局口を閉じた。


そして竜と老人はそのまま別れた。


これもまた何時も通りのことだった。




ある日、山の外が騒がしかった。

意識を遠くに飛ばしてみれば、山の麓に数百からなる軍団がいることが解った。



『…………』



溜め息を一つ吐き。シルフに呼びかける。

するとお喋り好きなシルフ達は次々に何が起こっているのか告げてきた。



『この地の領主とやらがアナタを討伐しに領軍を派遣したのよ!』


『それをアナタに会いに来る人間が止めているわ』


『なんでも前領主という人が来ているんですって』


『薄汚い庶子の癖に騙したのかってあの人間に怒鳴っているよ』


『この地の領主達はアナタの死骸が欲しいのですって!』


『高く売りさばいて、国王の覚えが目出度くなるって』


『あの人間がとても怒っているわ』



………予想通りの状況であるようだ。シルフ達は噂好きで気紛れな上に悪戯好きではあるが嘘は付かない。しかし………。



『─────あの、馬鹿者が』



領軍と前領主と対峙しているであろう老人に、私は虚しい気持ちを抱いた。






何時の日か、この日が来ることは解っていた。

あの若かりし日、あの雛であった竜の母親を殺してその証である竜珠を奪い─────雛自身を見逃したあの日から…………。


俺は今は亡き先々代領主の庶子としてこの世に生を受けた。


先々代領主は当時奥方付きの侍女の一人であった俺の母親を気に入って手を出した。先々代には前領主────つまり立派な跡取りとなる長男がいた。貴族なんてもんは自分勝手なもんだ。俺のお袋が俺を孕んだと知って先々代は幾ばくかの金を握らせてお袋を屋敷から追い出した。


テメェの妻に、自分の不義を知られなくなかった為だ。先々代は婿養子。正式な家の娘である妻に知られたら離縁されると思ったらしい。まったく持ってふざけた話だ。だったら最初っからお袋に手を出さなければ良かったのによ………そうすれば、お袋だって…………。


お袋は先々代から渡された幾ばくかの金を使って俺を産んでくれた。そのまま俺を孤児院にでも捨てりゃあ良かったのに。元々善良な女だったお袋は俺を手元に置いてしなくていい苦労をしながら育ててくれた。


そんな姿のお袋を見て、俺は早く自立しようと思い十代半ばで冒険者になった。お袋は危険過ぎる冒険者の生業からすげー反対したが俺の意識が強いのことが判って最後は渋々許してくれた。


今思えば、あの頃が一番、俺の人生が輝いている時だった。


俺は冒険者としてどんどんと頭角を現し、ついにその地域では知る人ぞ知る一角の冒険者へと成り上がった。しかし、そのことであの、前領主に目を付けられるだなんて思っていなかった………。



俺が冒険者となって早十年近く経った時だった。お袋が病に倒れたのは。



お袋の病気を直そうと、俺は冒険者として貯めた金を全て使ってあらゆる医者や薬をお袋に与えた。だが俺の努力を嘲笑うかのようにお袋の病気は遅々として改善することがなかった………。



そんな時だ、今更になって前領主が俺を訪ねてきたのは。



前領主………つまり、俺の異母兄にあたるアイツは俺にある契約を持ち掛けた。


それはある山に住み着いている竜の討伐依頼。

その竜は付近の村を襲っては人を喰らう恐ろしい天災なのだと。それを倒し、討伐の証に竜の顎の下に付いている竜珠を持って来い、と。


最初は俺も断った。

その話が事実なのならばそれはもう領軍どころ国軍を差し向けなくてはならない程の大事だ。しかし前領主は言った。貴様も卑しい身で在りながらも我が一族の血を引いているのだ。領主に連なる者としての責務を果たせ、と。



寝言に寝てから言いやがれ。



この一言しか頭に浮かばなかった。貴様お偉い貴族が俺達親子に何をしてくれた? お袋を使用人と主人という逆らえない状況で俺を無理矢理孕ませたあげく幾ばくの金を持たせて捨てた貴様等に。


そしてその後だって……何一つ手を差し伸ばさないでいたではないか、俺達親子が、どんなに苦しい思いをして生きてきたか! お袋は器量が良かった………貴族のお手つきにならなければその内いい男に出会ってそこそこ幸せな暮らしをしていたはずなんだ!! 周りから後ろ指をさされることだってなかった!!


だがその時、前領主は言った。引き受けるならばお袋に王都から腕の良い医者を付けて病を完治させてやると………。それは………願ってもないことだった。どんなに手を尽くしてもどんどん弱っていくお袋。王都の医者なら、もしかしたら────。


俺は、依頼を受けた。僅かな希望に縋るために。それが────すべての間違いとも知らないで。


言われた通りの場所に、確かに竜が居た。その竜は俺の存在に気付いていたのだろう。警戒心と敵対心を露わに俺に襲いかかってきた。


噂に聞く竜ほど大きくはなかったがそれでも竜は俺が出会った魔獣の中でダントツに強かった……。だが、この時から俺は疑問に感じていた。竜は決して魔法を使ってはこなかったのだ。その膨大な魔力と強靭な肉体の両方を持ってすれば俺は恐らく一瞬で骨も残さず消えていただろう。



竜との戦いは三日三晩掛かった。互いに満身創痍で互いに一撃分の力しか残っていない状態だった。



睨み合い、互いに隙を探してジリジリと滲み合う。


すると───竜が突然背後に気を逸らした。まるで、何かに気付いたように………。


だが極限状態だった俺は好機───と、容赦無く竜の心臓にトドメを刺した。




そして──────倒れゆく竜の背後に孵ったばかりの竜の雛を見つけて…………俺は騙されていたことに気付いた。




子育て中の竜の気が立っているのは当たり前だ。そして竜は───竜に限らずとも魔獣とて子育てしている間は子供の居る巣から離れることは無い。竜の知能は人間よりも高い。その竜がわざわざ子育てしている最中に寄りにもよって徒党を組む人間を相手の村になぞ襲ってくる訳がない。



だが気付いた時にはすべて後の祭りだ。



俺は罪悪感から、せめてもの雛に対する良心から討伐の証である竜珠のみを剥がし、母親竜の残りの遺骸を残さず火に掛けた。いくら金になるといえど罪なき竜の皮を剥いで角をとるなど出来なかった。


何より……生まれたばかりで母親竜の死を目の当たりにさせてしまった雛に対して………俺は病に苦しむお袋を見ているしか無い自分の姿を重ねてしまった。…………俺は逃げるように山を降りた。そして──────家の中で冷たくなっているお袋の姿をみつけた…………。


やはり、前領主は俺を殺す目的で俺に竜討伐の依頼を出したのだ。お袋に王都の医者を付ける話も勿論嘘、俺は………無駄に一匹の子供ひなから母竜を奪い、母竜から子供との時間を奪っただけだった。


前領主は俺が生きて、それも竜討伐を見事なし遂げて帰ってくるとは露にも思わなかったのだろう。俺を見て、馬鹿みたいに慌てふためいていた。



俺が竜討伐に赴いていたことを知っていた他の冒険者や街です住人は俺を英雄と褒め称えた。



パーティーを組んでいた仲間の冒険者も俺の帰還を喜び───勝手に一人で討伐に出掛けた俺を怒鳴りつけられた。


そしてお袋の葬儀がすべて終わり、身の回りのすべてを片付けてから、俺は冒険者を止めた。


引き止める仲間や周りの静止を振り切って、俺はあの竜とその雛が居た山へと向かった。雛はすでにいないであろうが………それでも俺は彼の山に向かうのを止めはしなかった。



まさか………竜の雛が残っているとはまったくこれっっっぽちも思っていなかったが。



目の前に居る雛は全身ガリガリでなんとか息をしているような状態だった。


それでも、母竜の仇である俺を睨み付けてくる眼光は強く輝いていた。


俺は雛を助けたかったが、母竜の仇である俺の手をこの雛が取るとは思えなかった。



『おい、まだ此処に居たのか……』



雛を見つけて、思わず口に出た言葉は、嘘偽り無い俺の本心だった。


母竜が居なくなったとしても父竜が居ると何となく思っていた俺は内心衝撃を受けていた。



………父竜がいたら、俺が母竜と戦っている最中にやって来ない訳ねぇだろうが俺の馬鹿野郎がーーーーー!!!!



つまり、この雛には父竜が居ない。

だが、どんなに手を差し伸べたくても雛が俺の手を取らないことは分かり切っていた。


結局、俺は何も出来ぬままその場を後にした。

そして竜の雛がなんとかネズミを捕って食べている姿を見て、俺は雛を狙って彷徨いている魔獣を狩るようになった。


そして雛が生きていることを毎日確認することが、この山で暮らすようになる俺の日課になった。


それから雛は少しずつ大きくなっていった。それに伴い狩りの仕方を覚えていった雛は俺が密かに狩っていた魔獣を食べられるようになるまで成長していった。



俺は………心のどこかで成長したこの雛に殺されることを願っていた。



それが俺が唯一出来る母竜を奪った償いだと。しかし俺の予想に反して成長していく雛は俺を殺そうとはしてこなかった。


ただ毎日顔を合わせる。


偶に雛が言葉を返すようになった時には、雛はすでに母竜と同じ程の大きさに成長していた。



『おい、まだ此処に居たのか……』


『居たら悪いか?』



同じ遣り取りをし続けて、気付けば俺が竜殺しをしてから五十年の月日が流れた。


この五十年、今思えば決して悪くはない日々だった。すべてに縁を切った俺の話す相手は竜の雛だけではあったが、それでも俺が孤独を感じなかったのは間違い無くあの雛のお陰であった。


だがある日、山から途轍もない力の奔流と闘う者特有の殺気と闘気が流れ込んできた。何事かと焦った俺は急いで雛の下へと走った。


あんな凄まじい力を放つことが出来るのは竜の雛であるアイツしかいないと思って。



(何があったんだ!?)



すでに老いでガタがきている体を叱咤して俺は険しい山道をひたすら走った。


ようやく辿り着いたアイツが居る場所はすでに静まり返り、雛も何時ものように寝転がっていた。


何時もの遣り取りの後に聞いてみたら………なんと雛の父竜が来ていたと言うではないか。父竜が生きていたことにも驚いたが、竜の力としての魔力が今の今まで安定していなかった驚愕の事実を、この時、初めて知った。


知らなかった。それはこの雛が教えなかったから。当たり前の話だった。俺はこの雛の母竜を殺した張本人なのだから。



そしてその日から数日が経った頃、アイツらがやって来やがった……!!


前領主にして俺の異母兄。

俺を騙し、俺の母親を見殺しにした下衆野郎!!



「貴様は………!! この薄汚い庶子が!! 私を騙しよったな?!」


「なんの話だ? この嘘吐き野郎が!! 今更この山に何しに来やがった!!」



いや……本当は判っている。下衆が考える事なんざ変わりなんてしやしない………!!



「何をしに来たのかだと? 貴様が討伐し損ねた竜を改めて葬りに来たのだ!」


「俺が討伐し損ねた……? ハッ、だったらテメェの胸にこれ見よがしに付いているその竜珠のブローチは一体なんだっていうんだ!! 竜珠は、竜が死んだ時、初めて取ることの出来るものだ。それが俺が見事、テメェの言ったことをやり遂げた証だろうが!!!」



視線で相手を殺せるのなら、前領主はすでに十回は死んでいるだろう。



「黙れ黙れ黙れぇぇぇええええ!! だったら先日のあの魔力の奔流は一体なんだというのだ!? あれこそが、この山に竜が居る証拠ではないか!!」


「………嗚呼、確かに、この山に竜は居るな。五十年前のあの日、俺が殺した竜の雛が!!」



あの雛が、この山を立ち去らなかった理由が、今まで安定していなかった魔力と関係があるのだとしたら…………。前領主の胸にある竜珠のブローチ、それにヒタリと視線を定めた。



「雛だと!? そんな……そんな貴重な金になる存在を何故差し出さなかった!!」


「差し出す理由がねぇ。俺がテメェから受けた依頼にはんなもん含んでいなかった。俺との契約を破り、騙し、テメェの利益しか考えねぇ奴にそこまで尽くす筋合いは無いからな。そもそも依頼内容からして全部嘘だらけの奴に現役冒険者おれを責める権利なんて無いだろうが!!」



俺の台詞に………今回雇われたであろう冒険者達に緊張が走ったのが分かった。俺が今言ったことは前領主がかつてやった冒険者ギルドが定める条約に違反したという告発だ。依頼主として、決してやってはならない冒険者と契約を結ぶ上での最大にして最悪の禁忌。



「それが、なんだと言うのだ! 貴様等薄汚い下民無勢との契約など高貴な貴族である私が守る必要などどこにもないわぁああ!!」



それを判っていない前領主バカがとうとう禁断の一言を言ってしまった。冒険者の冷め切った眼差しが、前領主に集まる。それに気付く前領主。



おせぇよ、バーカ。






争いの高潮した気配がぶつかったのが分かった。

あの馬鹿者、人間としてはもういい歳の癖に、なにをやっているのだ。私に対する償いのつもりか?


最初から判っていた。

幼き頃、あの人間が私を狙う魔獣達を密かに狩っていたことなど。


狩りも満足に出来ない私が、死なぬように見守っていたことなど。


母竜を殺した罪悪感と贖罪の気持ちからいずれ私に殺されようとしていたことなど。


シルフ達が山の麓で起こっている詳細を私に事細かに教えてくれる。…………どうやら私の母の竜珠を前領主とやらが持ってきているようだった。どうりで──────懐かしい気配がすると思った。


そしてあの老人は前領主の持つ母の竜珠を強奪したと、シルフ達が言った。


領主軍は前領主が雇っていた冒険者達と全面衝突をしているとのこと。あの老人はその隙をついたのだと。



…………あの馬鹿が。



私は起き上がり、翼を大きくはためかせた。






「……へっ、ざまぁみやがれ…………」



前領主が、雇った冒険者達に詰め寄られている。前領主は竜を討伐する為に連れてきた領主軍を冒険者達に差し向けた。どうやら平民ばかりの冒険者達に非難されたことが気に入らなかったらしい。処刑だ! 処刑だ! と喚き散らして無様にへっぴり腰で逃げている。


その隙をついて、前領主が付けていた竜珠のブローチを掠めとってやった。アイツに、せめてこれだけでも返してやりたかった。



「き、きききき貴様ぁああ!!!」



気付いた前領主が、領主軍の一部を俺に差し向けた。何人かは長年の相棒である大剣で薙払ったが、それでも数が多い。若かった頃は、この程度の人数、なんてことはなかったってーのによ……!!


全身傷だらけになりながらも俺は竜珠のブローチだけは手放さなかった。これは、アイツが持つべきもの。


これ以上、人間の身勝手極まる欲望の対象にしてたまるか───!!



ザッ───!



背後に居た領主軍の兵士に背中を斬られてとうとう俺は崩れ落ちてしまった。遠くで前領主が顔を引きつらせて笑い声を上げている。


まだだ。まだ死ねねぇ。アイツの母竜の形見である竜珠を返すまでは、死ぬわけにはいかねぇー!!



ギリッと歯を食いしばって必死に四肢に力を込めた────その時、だった。俺の耳に、力強い羽ばたきの音が聞こえてきたのは………。






「おい……なんで、来やがった………!!」


『来たら悪いのか?』



何時もと同じようで違う。初めての遣り取り。



「ヒィ……!」


「う、うわぁぁああああ!!」


「竜だ……竜が出てきやがったーーー!」


「に、逃げろーー!! あれは、俺達じゃ叶わねー!」



周りが五月蝿く騒いでいるが、私にそんなことは関係無い。今、私の目の前で死に体になっている老人の方が私にとっては重要だった。



「────ほらよ」



素っ気なく渡してきたのは亡き母竜の竜珠。

それだけで………この老人がこの様な姿になっているのか察しが付くというものだ。



「な、それは!」



随分と派手な格好をした人間が騒いでいるようだが………私は老人の手にしている竜珠を見て、しばし考えた。






(なんで、受け取らねぇ?)



俺の持つ竜珠を眺めながらも雛は母竜の竜珠を受け取ろうとはしなかった。


疑問に思うも、俺にはもう時間が、無い。


血を流しすぎた。もう、これ以上は体が保たないだろう。



『………』



ようやく雛が竜珠のブローチを受け取った────爪の先で引っ掛けるように────と思ったら。



「!!?」



俺の僅かに開いた口の中に放り込みやがった。しかもご丁寧にブローチの金具部分を魔力でだろう、取り外して竜珠のみの状態でだ!!!



「……っ、つつ!!」



ゴクン



「「「「「…………………………」」」」」



それを見ていた周りの前領主や領主軍、残っていた冒険者達は声も無く、一斉に硬直した。




…………思わず飲んじまったじゃねーかぁーー!! 何しやがるんだーーーテメェーーーーー!!!



『………私に、殺されるつもりだったであろう?』



竜珠を飲んで焦っている俺に、不意に頭上から雛が声を掛けてきた。そしてその言葉に一瞬、硬直した。



『分からぬと思っていたか? ………馬鹿が。お前が、生まれたばかりで狩りさえまともに出来ぬ有り様の私の周りで、魔獣を狩っていることも知っていたわ』



父に言った通り、私には清濁併せ持った情をこの仇に抱いている。──────ならば、いっそ。



『────お前へのことは、お前の手に掛かった母に任せる』


「………は?」



何を、言っている?



ドクン──ドクン………。



俺の体の中に入った竜珠が、大きく、鼓動を発てた。



ドクン───ドクンドクン………。



少しずつ早く、リズミカルになっていく鼓動の音。まるで───心臓のように。



ドクン、ドクンドクンドクン────ドクンドクンドクンドクン。



「!? ……っ、かぁはあっ………!!」



体に、竜珠の鼓動が駆け巡る─────!!!






『………母よ、それが、貴女の決断か』



ならば───私もそれに従おう。






俺の体が光に包まれた。

それに伴い体の奥の奥から熱の塊が広がっていく───頭の先から足の先まで。まるで……生まれ変わっているかのような心地だった。



フッと光が収まった。



「はぁ……はあ、はあはあ」


『……………』



肩で息を吐いていた俺は、周りの奴らが驚愕していることに気が付かなかった。



「─────テメェ!! 一体、何しやがるんだ! ……………?!」



声に、違和感を覚えた。

俺の声はこんなにも高かったか? いや……声だけじゃない。体もなんだか軽く─────は?



「はぁあああ?! なんじゃこりゃああああ!!」



俺の体は────何故か、二十代前半だった頃の姿に戻っていた。



「いやいや、いやいやいやいや!? ちょっと待て!? この………体のところどころにある緑色っぽい痣みたいなものは何だ??!」



否──痣ではない。痣のように見えるがこれは─────。



『それは痣では無く、竜の鱗だ、たわけ』



呆れた風情で俺を睥睨する雛。



やっぱりそうか………じゃなくて!!



「なんでそんなもんが俺の体に着いてんだよ!? 体は若返ってるは竜の鱗は浮き出るは訳わかんねぇー!!」



あたふためく俺を鼻で笑う竜の雛。


………随分、愉しそうじゃないか? えぇ? コラ。テメェの、何時もの仏頂面(雰囲気で、何となく判断していた)はどこ行った?! 周り見てみろ! あまりの出来事に放心している奴らが続出してんぞ!? って、暢気にそっぽ向いて欠伸してんじゃねぇええええええ!!! 説明しろよゴラ゛ァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!



面倒くさそうな………だがどこか愉し気に雛が俺の体の変化を説明し始めた。



『お前は、竜の力を取り込んだのさ。竜珠は竜の魔力が固まったものだと勘違いしている者もいるが、実際は竜珠こそが竜の魔力の“源”なんだよ。その源たる竜珠を取り込んだお前は竜の魔力と頑丈な肉体を手に入れた………簡単な話だろ?」


「んなわけあるかぁああああああ!!!!!!」



簡単どこかとんでもない話だろうが!!!



『竜珠には死した後も竜の意志が遺っている』



ふと、真面目に、雛がそう言った。



『竜珠に遺っていた母の意志が、お前の力になることを望んだ。母はお前を殺めず、生かした。だから私もそれでよい』


「……………」



何を、言えばいいのだろうか?


あの竜が……俺を許したとでもいうのか?



『まあ………たとえ母がお前の力になることを赦しても、竜珠を受け入れることが出来すぎにそのままのた打ち回って死ぬ可能性はあったがな。文字通り万に一つで生還するとは………ふむ』


「台無しだよ! ちくしょうがぁああああ!!!」



俺の、色々感極まった…………このしんみりとした感情をどうしてくれんだよ!!



『生還したのだから別に構わないだろ。それに………竜の力を人間のお前が持つは祝福にはならん。竜の魔力と肉体を得たことでお前の寿命もかなり延びた筈………お前は、自らに連なる人間達と共に過ごすことは、もはや出来ない』



本来の生を失い、過ぎる力と寿命は、そんなものもはや呪いだ。



『恨むか?』


「────恨まねぇよ。色々驚いたが、俺には過ぎた時間を生きろ。…………それが、お前の母が俺に貸した本当の罰なんだろうよ」



後悔しながら永い永い時間を生きろ、と。


たとえ、一人でも。



『母が、お前を生かした。ならば………私も、もう此処に居る必要は無いだろう』


「行くのか?」



確かに、この雛が旅立つのならば今が最高の潮時だ。俺とお前の、因縁も。お前の母が着けたと受け入れたのならば。



『私が行った後、国境沿いの渓谷をから魔獣達が押し寄せるだろうが………まあ、なんとかするのだな』


「「「「「は?」」」」」



その場に居る、全員の声が一つになった……。


国境沿いの渓谷? あのCランク以上の魔獣がウヨウヨいる『特別超危険区域』のことを言ってんだよな?


その地区の魔獣達が押し寄せる……だと?!



『我ら竜が恐ろしく、近付きはしなかった奴らも………ドラゴンが居なくなれば大地に染み付いた竜の魔力を求めて群で押し寄せるだろう。さっそく母から受け継いだ力を使う機会が訪れたな。頑張れ』



とてつもなさすぎる爆弾を落としたアイツは───言うだけ言ってさっさと翼を広げて飛び上がった。



「ちょ、ちょっと待てや! 頑張れってなんだ!? Cランク以上の魔獣の群だと? どうしろってんだよ!?」


『ハッハッハッ……。知るか。己等でどうにかしろ。流石に、私を殺そうとしたそ奴の血族治める領地なぞ知ったことでは無い。己が土地は、己で護るが良かろうよ……』



(((((せ、正論過ぎて反論出来ねー!!!)))))



その場に居る、全員の心の声が一つになった……。



『ではな────────カムイワッカ、さらばだ』



最後の最後に────初めてカムイワッカの名を呼んで、竜の雛は旅立って行った……。


だが、その場に残っている者達からすればそれどころではない。



「───街に、カーターに行くぞお前ら!! 急がねぇと故郷の街が魔獣共に蹂躙されちまう!! おら、前領主! 腑抜けてねぇでさっさと立てやゴラ゛ァ゛!! テメェの撒いた種だろうが!? アイツは嘘を吐かねぇ、早くしねぇと………全部無くなっちまうぞ!!!」


「!? どどどうすれば………!!」



あまりの事に、憎んでいた筈のカムイワッカにすがりつく前領主くそあにきの姿に舌打ちする。



「チッ、仕方ねぇな!! おい! お前らもさっさとカーターに戻んぞ!! 魔獣の群は俺が戦陣切って相手をする!! お前らも根性決めて俺に続け!! 俺達の故郷は、俺達が護んぞ! わかったか!!!」


「おぉオオオオオオ!!!!」



去って行った雛の、去り際の捨て台詞に込められた怒りを肌で感じていた領主軍と冒険者達は竜の雛が嘘を吐いたとは一瞬たりとも疑わなかった。



あれは───本気で俺達の故郷ごと滅んでもいいと思っていた目、だった。………嘘だと高をくくったが最後、俺達は故郷も下手すれば家族と自分の命も喪う!!



「行くぞ! テメェらぁあああああ!!!」






その後、竜の雛の言った通りに『特別超危険区域』に居る魔獣達が次々にカーターに流れて込んできた………宣言通りにカムイワッカは戦陣を切って魔獣達を手に入れた竜の力で薙払った。


途中で魔獣討伐に前領主の子息で現領主が合流したことで………なんとか魔獣達を追い払うことが出来た。カーターは多大な被害を受けながらも壊滅せずに済んだ…………前領主は魔獣襲撃の後、カムイワッカに跪く勢いで謝罪した。竜を殺し、竜の雛も去ったこの地で魔獣達の襲撃を相手取ることが出来るのが竜の力を受け継いだカムイワッカだけだったからだ。


これには現領主も領地の守護にとカムイワッカに泣きついた………どうやら二人共に、『特別超危険区域』の魔獣襲撃がよほどトラウマになったもよう………貴族のプライド投げ捨てる勢いだ。


カムイワッカはしばらくはカーターの護りに着いていたが魔獣達の襲撃がなくなったと確信してからは再び冒険者としての活動を再開した。………冒険者業再開に領主一族が五月蠅かったが領地内、もしくは近くでしか活動しないことを条件に脅……説得した。


途中で某辺境伯と子爵家の跡取りとパーティーを組んだり、故郷のカーターで出会った少年を弟子にしたりとそれなりに充実した日々を過ごすのだった。竜の力を受け継いでから四十年経ったある日───。




「――――喧嘩なら外でしやがれ馬鹿野郎!!!」




ある町で、針を武器に店内で喧嘩をしていた奴らを叩きのめす目深く被ったローブと仮面を着けた小柄なチビ助と呼ぶようになる新人冒険者と出会うのだった。後に永い付き合いになることを、この時のカムイワッカは知らなかった。











カムイワッカの事を皆は言った。



竜を殺し



竜に救われ



竜に呪われ



──────そして竜の力を受け継いだ男、と。











大空を力強く飛び回る一匹の竜。



もはや、雛から成竜と化した彼女は大いなる自然を自在に羽ばたく。



時々──お喋り好きなシルフが話すカムイワッカのことを聞きながら────。



『ほう? アイツも変わらずにいるか───重畳、重畳』



幼かった雛は、気高き竜として今日も笑う。













よろしければ本編の、


『一言いいですか?従姉妹殿──あんた二千年前の異世界で何してくれてんじゃ!!!』


も立ち寄ってみてください。


もちろん、宣伝です。( ̄ー+ ̄)フッ


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