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三日目 就寝

 脱衣場に戻ると、ティーポットのメイド服が変わっていた。彼女とバドミントンをしたときの服だ。短いスカートから滑らかな股が飛びだしていて、胸部なんかハート型の穴があいている。


「煤のせいで汚れちゃったから、着替えたんだ。ユリちゃんの服も洗ってあげよっか?」カッターシャツをかいでみる。ちょっぴり、くさい。


「でも、その間なにを着て過ごそう?」


「壊れたモノの服を借りたらいいよ?馬マスクのタキシードも、元々は他のモノの持ち物だったし」


「うーん、遠慮しとく」壊れたモノの持ち物を盗るなんて、わたしにはできない。ヌイグルミの睡眠薬を盗んだことは、棚に上げておく。


「そっか、ならこれを着れば?これは備品だから、館に元々あるやつだよ」彼女は籠を一つ、持って来た。なかには、柔らかそうなバスローブが詰まっていた。


「そうする。ありがと」ティーポットは、『わたしが脱いだ服』と『フォーマルなほうのメイド服』を洗濯機に放り込むと、スタートボタンを押した。洗濯機が唸り始める。


「それより、これなに?」わたしは化粧台にさりげなく置かれた、こけしみたいな形の機械を指差す。


「電気マッサージ器だよ。こっちのメイド服のポケットに入れてたの。いつも持ち歩いてるんだ」


「なんで、持ち歩いてんの?」


「いつでも、シャンデリアの『遊び相手』ができるようにだよ。ユリちゃんも使ってみる?」ティーポットはマッサージ器の電源を入れる。こけしの頭が振動する。


「遠慮しとく」


「そっか」彼女は電源を切って、それをポケットの中に仕舞った。少し、残念そうに。



 表では馬マスクが待っていた。わたしは、彼とティーポットに見送られて部屋に戻る。


「じゃあ、今度こそおやすみ」


「おやすみ」挨拶を交わして扉を閉める。彼らの足音が聞こえなくなるのを確認して、鍵を掛ける。ティーポットのおかげで、不安はだいぶ軽くなった。今日はよく眠れそうだ。

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