7 取引
すぐにはいと言おうとする口を自分の意思で何とか抑え、俺はこういった。
「利点は?」
「メリットですか… では私の能力についてご紹介します。」
そういうと、俺の視界は光で真っ白になった後、洞窟の外へと移動していた。
「これは瞬間移動です。これも私の能力にすぎません。」
何それ超便利。え?これがいつでも使えるってこと?マジ?
ってアブナイアブナイ。すぐこうやって引っかかる。だから俺は前世でも……
_____ズキッ
頭にくる強烈な痛みで視界に閃光が走る。
ふらつく体を何とか抑え、立ち止まる。
「ッ!」
「⁉どうしましたか⁉」
「ああいや、なんか痛みが、、」
「そういえば、あなたにとても強い封印がかけられていますね」
「え?ほんとに?解けたりは……しませんよね?」
魔導書は困りながらもこう答えた。
「正直に言うとかなり難しいです。私を作った魔王よりも強い力の一端を感じます。私では厳しいかと…」
「そっか」
一体何なんだそれは。誰がなんで俺に封印をかけた?
考えても出ない答えを延々と考え続けるのもばかばかしい。
そう思うと俺は思考を別のものへと切り替えた。
「で、ほかには何が使えるの?」
「基本的にはこの世に存在する唱和をすべて使うことができます。」
「エッ…… ほかには?」
「さっき使ったいわゆるテレポートや身体能力の向上、暗視や禁じられた技をすべてです。」
「マジでやばいじゃん……… でもそれ俺が使えるわけじゃないんでしょ?」
「所有者となれば私の技をあなたが使うことは造作もないことですよ。」
「所有者なります。」
んなもん即答だろうよ。魔王から狙われそうだろ?そんなん知るか!