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転生悪役令嬢の生存作戦  作者: 芹屋碧
2章 転生悪役令嬢は仲間と備える【3学年】
23/43

23…緊急事態発生









 寝静まった深夜、突如びりびりっと痛いほどのプレッシャーが身体を襲う。


 (――魔獣???!)


 ――がばっと飛び起きるとセシリアはさっとすぐに着用できるシャツと脚衣に着替えると慌てて外に飛び出した。

 すでにリュシードとハリアスは、プレッシャーを感じて湖に向かってるのか剣撃音が響き渡っている。

 セシリアが走って向かおうとすると、アイも館から飛び出してきた。


 「――セシリア!私も行くわ!!」


 「えぇ!!急ぎましょう!!」


 まだ未明で暗い周辺を照らす為にライトを放ち浮かばせると湖に2人は走って向かう。



 すでにハリアスとリュシードは湖畔で戦闘を始めている。そこに現れていたのは、5m(メートル)はするであろうイヴィルドラゴンと、大きなポイズンワーム2体であった。


 湖はポイズンワームの吐き出される毒液によって濁りきっており、空気も重く吐きそうな異臭を放っている。


 (これがあの美しくきれいだった湖とは思えないわっ!!)

 すでに見る影もなくなってしまった美しい湖は毒々しい色と異臭に変わり、4人の体力さえ奪っていく。


 とにかくハリアスとリュシードの体力が底をつく前にどうにかしなくてはならない。


 「――アイ!ハリアスとリュシードの治癒をお願いできる?それ以外は私に任せて!」


 「わかった!!」


 セシリアは、素早く4人全員に身体強化と防御魔法をかけると、まずはイヴィルドラゴンに捕縛魔法を放つ。

 一瞬赤いようなオレンジ色の光がイヴィルドラゴンを包み込むと、魔法の鎖が現れぎゅうっと体を締め上げる。

 イヴィルドラゴンは苦し気に暴れようとするがびくともしない。

 

 「――今のうちに攻撃を!!」


 叫ぶとセシリア自身も風属性の魔法弓(アーチェリー)を発現させて、イヴィルドラゴンに向けて矢を何本も放ってゆく。

 矢は風魔力を帯びてイヴィルドラゴンの体をその場に拘束させる。

 

 リュシードもすぐに魔道剣でドラゴンの足をものすごい速さで切りつけると、ドラゴンは成す術もなく地面へと倒れ込んだ。


 「イヴィルドラゴンは封印します!ハリー!アイ!聖魔法でドラゴンを弱らせてください!」


 セシリアは声をかけながら、残り2体のポイズンワームの頭部付近を氷漬けにし、無力化させていく。


 「――リュシード!ポイズンワーム2体の処理をお願いします!!」


 「承知した!!」


 すぐにリュシードは駆け出し、ポイズンワームの体を輪切りのように解体していく。

 最後氷漬けとなった東部を魔力を込めて粉砕させると、地面に這いつくばるイヴィルドラゴンのみが残された。


 「アイ!私たち2人で合わせてイヴィルドラゴンを弱体化させよう!」


 「わかったよ!」

 

 2人は息を合わせて展開していた圧縮した聖魔法の塊を放ち、イヴィルドラゴンの身体は光に包み込まれていく。

 必死に抵抗していたイヴィルドラゴンは次第に大人しくなり戦意を失ったかのように動かなくなる。

 セシリアは封印魔法をイヴィルドラゴンに放つと小さく圧縮し、小さな飴玉のような球体に閉じ込められている。


 流れるような戦闘は司令塔のように指示を出していたセシリアによってあっという間に収束してしまった。


 「どうしましょう?魔法石に閉じ込めて国王陛下に届けますか?」


 事務作業のように告げるセシリアに、呆気に取られていた3人であったが、ハリアスはすぐに彼女の言葉で我に返り魔法石を取り出す。


 「あぁ。魔法石に閉じ込めて国王陛下に報告もするよ。」


 告げるとさっと魔法石に封印されたイヴィルドラゴンを閉じ込めたのだった。



 「ねえ!湖も浄化した方が良いわよね?殿下も一緒に浄化する?」


 「――そうだね…私も一緒の方が早いだろうけれど、アイ嬢の浄化能力を把握したいから一度1人で浄化してもらってよいかい?」


 「わかったわ!」


 アイは合意するとすぐに毒に染まりきった湖を聖魔法で浄化し始める。


 湖は湖畔を歩き回ると30分はかかるような大きさで、全体が毒々しい色に染まりきっていた。

 アイが手を両手を胸の前で握りしめ祈ると、水面が少しずつ透明に変化していく。空も次第に明るくなり始めている。

 キラキラと水面が輝くように光を反射し、その広がっていく光景はとても美しかった。

 鼻を突くような体力を奪う異臭も澄んだ空気に変わってゆく。


 (――すごい!!いつの間にこんなに膨大な聖魔法をアイは使えるようになったんだろう!!)


 アイの浄化していく姿を感嘆の眼差しでセシリアは見つめる。

 時間にして10分かからないくらいでアイは湖の浄化をやり遂げた。

 ハリアスは満足げに頷き、リュシードはやりきってふらつくアイをしっかりと支えている。

 1年前はアイは聖魔法をやっと少しだけ具現化することができる程度だったにもかかわらず、今は素晴らしい聖魔力で浄化をやり遂げているのだ。

 4人の努力は着実に形に現れているのだった。


 「――皆よく頑張ってくれたね!この突然の魔獣発現の件を一度食堂で話をしよう。まだ明け方だから少し休んで朝食の時にでも話ができたらよいよ!」

 

 ハリアスが告げると、アイとリュシードは部屋に戻っていった。



 「――セシリア…ちょっとよいかな?」


 



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