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ノヴォ・アスターテ:女神の箱庭。あるいは閉ざされた星。  作者: 白煙モクスケ
序章:隔絶された星の文明なき土地で。
6/16

6:閑話:調律された彼の余暇の過ごし方。

皆さんのおかげで、日間1位のみならず週間1位も達成しました。ありがたやありがたや。

 ウガリタ大陸ララーリング半島。

 亜熱帯気候のような環境のこの半島はその多くの地域が文明喪失圏に分類されており、半島南部に上陸した惑星再生機構(ニューオーダー)と、内陸から半島北部へ進入したアシュタロス皇国が陣取り合戦を繰り広げている。


 これまで三度に渡って本格的に干戈を交え、現在は休戦講和して『しばらくはお互い動かない方針で』という内容の条約を締結していた。


 もっとも、両陣営共に『正規軍は動かさない』『表立って土地を確保しない』という条約の建前を尊重しつつも、現地に自陣営の民兵集団を組織したり、土着コミュニティを取り込んだり、特殊部隊や工作員を潜入させたり、民間軍事会社や回収業者(スカベンジャー)を送り込んだり、秘密拠点を構築したり……つまりは非公然かつ非公式に小競り合いと抗争を重ねていた。

 “ルール”に違反しない範囲でバチバチやり合っているわけだ。


 そんなララーリング半島南部。紺碧のララーリング湾に臨む沿岸地域。惑星再生機構の支配統治圏あるシン・スワトー市は、ノヴォ・アスターデ入植初期に建設された古都の一つだ。


 地球中華系入植者によって築かれたこの古いコロニアル都市は、ララーリング半島における惑星再生機構の最大拠点で、再建と再開発によって往時の賑わいを取り戻して久しい。


 街はゲーテッドタウン化されて難民や与太者の侵入を拒んでおり、市街はマギ・テクとハイテクで彩られ、惑星再生機構の超高高度電子ネットワークに組み込まれていた。拡張現実(AR)用のスマート・コンタクトレンズやグラスを付けた人々が現実と電子が融合した社会を生き生きと過ごし、商店ではサービス用アンドロイドやバイオロイドが柔らかな笑みで接客し、清掃用無人機が街を清潔に保っている。


 文明を失って久しいララーリング半島において、この街は宇宙文明時代の姿を取り戻していた。

 ただ、都市人口において開拓者たる地球中華系は、全体の2割ほどに過ぎなかった。


 土地の中華系富裕層と中産階級は天蓋膜のグレイグー化が生じた際、この街を離れて文明存続圏へ逃げだした。土地に残った低所得層と貧困層はカタストロフィの中で、その多くが命を落としている。

 この都市人口2割の中華系は、他所から出戻り組と地獄の時期を生き抜いた者達で、当然ながら両者は決定的に仲が悪い。


 今現在のシン・スワトー市の大半を占めている人種は、火星系ローカライズ人種諸民族(エルフみたいなナイフ耳を持った連中)と木星系諸人種(ドワーフみたいな体形の連中だ)で、残りが地球系諸人種諸民族となっている。


 ちなみに、住民の人種民族分布は“サラダボウル”ではなく“ごった煮”のようになっているけれど。

そのごった煮なシン・スワトー市の郊外に、ブルーグリフォン社のシン・スワトー支局――基地があった。


      ○


 民間軍事会社ブルーグリフォン社の“支局”は地球世界の米軍駐留基地のような『小規模植民地』だ。

 軍事施設があり、医療施設があり、職員の生活施設があり、整備工場があり、倉庫があり、航空機と飛翔船の離発着場があり、住宅地がある。


 そして、シン・スワトー支局の施設内にある職員用居住区は、職員等級によってだいぶ異なってくる。

 集団生活を余儀なくされる大部屋から高級マンションのコンドミニアムみたいなものまで。


 19歳の若手ながら班付メカニックに抜擢されているシドニー・オブライエンは、個室を与えられている(大抵の若手下っ端職員は大部屋で集団生活だ)。


 オルカ・ドライバーのダフネ・ミリガンや現場オペレーターのユーヒチ・ムナカタは上級職として単身者向けの上等な1LDKに住んでいる。


 そして、トリプルA級のウィザードにしてチームのコマンド兼オペレーターを担うトリシャ・パティルは、立派な4LDKに住んでいて、家事一切を担うメイド型アンドロイドまで所有していた。


 先の任務から帰還した翌日。完全休養日を迎えたトリシャは、広い寝室に鎮座するクイーンサイズの大きなベッドで穏やかに寝息を立てていた。


 トリシャは快適温度に整えられた寝室で健やかに熟睡(うまい)を貪っている。そのエキゾチックな肌の端麗な肢体を包むものはシースルーのベビードール一枚だけ。

 繰り返す。薄絹のベビードール一枚だけ。下着無し。カーテン越しに注ぐ微かな疑似陽光に照らされ、美麗な身体曲線が綺麗に浮かび上がっている。


 時刻は昼近くを迎えていたけれど、メイド型アンドロイドは主人を起こさない。

 トリシャは任務を終えて帰還した翌日、たっぷりと寝て過ごすことをルーチン化している。

 事実、シドニーもダフネもトリシャと同様に自室のベッドで寝ているか、目覚めてもだらけきっている。

 例外はユーヒチだけだ。


      ○


 無人兵器とアンドロイドが戦場を闊歩する世界にあっても、戦争から人間が消えることはない。むしろハイテク機材が人間代わって戦えるようになった世界だからこそ、人間という“兵器”は独自の可能性と拡張性を発揮している。


 そのアプローチは大別して機械工学的なサイボーグ化と生命工学的なチューンド化に進んでおり、どちらも一長一短の状況にあった。


 ユーヒチ・ムナカタはチューンド・ソルジャーにおいても上澄み層のハイチューンドだ。身体だけでなく精神や心理の深層まで任務に合わせて、チューニングとセッティングを施されるため、後方策源地に帰還後、一般社会に適応すべく精神と心理へ手を加えておく必要があった。


 頭蓋内に侵襲搭載した寄生型反応支援機構(パラサイト・イージス)も、非戦闘地域向けに制限を掛けておかねばならない。


 なんせ街中で戦闘反応が誤作動したら、シャレにならない。クマやサイなどの大型猛獣が見境なく暴れるような惨劇が起きてしまう。


 それに、記憶や反応支援機構に蓄積された任務の情報(ログ)経験(データ)を最適化して置く必要もある。つまるところ、ハイチューンドはレース用マシンと同じだ。最高の性能を発揮するためには、繊細で綿密なメンテナンスが欠かせない。


 というわけで、チームのメスライオン共が惰眠を楽しんでいる間、ユーヒチは朝一で支局の大きな医療施設の一角で、様々な薬品を打たれ。分子機械を注入され。マギ・テク系医療器具につなげられ。


 蛮地で冷酷非情に戦い続けられるようセッティングされた精神を一般社会用に再調整し、人界の理が及ばぬ化外の地で任務を遂行し続けられるようチューニングされた心理を普通の人間に再調律している。

 まぁ、戦車から弾薬を抜き取り、保安部品とナンバープレートを引っ付けて『これは一般車両です』と言い繕うような努力だけれど。


 この作業に関し、ユーヒチの感想は退屈で面倒臭い以上のものはない。

 兵器化あるいは何かの製品化されたような自身に対し、哲学的な思索など覚えないし、ナイーブでデリケートな感傷を抱いたりしない。


 むしろ、不感症化されていた感覚が戻っていく状態に面白みすら覚えている。口さがないダフネ辺りに言わせれば『ユーヒチはちょっとニブい』。


 そんなニブいユーヒチは脳が理解する情報でしかなかった痛覚や不快感を、感覚器官が正しく知覚・実感する様にちょっとした新鮮さを感じ取る。抑制されていた衝動や欲求が復活し、雑念ではなく肉体や脳が望む本能的実感が鮮やかでリアルで、平凡な施術室が美しく見える。

 美醜を表する以前の中年女性技師に、男性的欲求が刺激されることは苦笑いものだが。


 午前中いっぱい掛けての施術と作業が終わり、最後にカウンセラーとメンタルケア・マネージャーと長い面談を済ませ、ようやっとユーヒチは解放された。


 受けつけの美女型バイオロイドから小さな棒付きキャンディを受け取り、ユーヒチは医療施設を後にした。

 昼飯は何を食おう。


 ・


 ・・


 ・・・


 イチゴ味のキャンディを舐めながら医療施設を出ていく灰色髪の青年を、中央管理棟最上階の一室から、上等なビジネススーツに地球系女性が見送っていた。


 繊細でエキゾチックな顔立ちと豊かな黄色髪。ルーツはシナイ半島系だろうか。

 外見的な歳の頃は40代前後。ただし、完全サイボーグだ。着衣に隠れていない首元や手首足首に皮膚外殻の継ぎ目が見える。狙撃手が標的を観測するようにアイボールを望遠モードにし、ユーヒチ・ムナカタを見つめながらポツリ。


「アレの様子は?」

 ゾッとする粘り気のウィスパーボイス。


「今まで異常無し。特筆すべきことも無し。よく働く真面目な社員だよ」

 執務机の端末でデジタルサインを書き続けている少年が答えた。

 こちらも全身サイボーグだ。外見はエルフ耳に黒肌黒髪の小柄な美少年――属性過多――だが、“中身”は定かではない。外見が子供でも、還暦を越えた脳ミソかもしれない。


「弊社のトリプルA級ウィザードに預けてしばらく経つけれど、兆候は何も出ていないな」

 黒肌黒髪のエルフ美少年の声は、最高級の楽器を思わせる美麗なボーイソプラノ。


「構わんさ。アレは元より本当ならば儲けもの……程度の話だ」

 中東系女性サイボーグは窓辺から離れ、エルフ美少年のデスクの前にある椅子へ腰を下ろした。ウィスパーボイスで言葉を紡いでいく。

「宇宙世界と遮断された今となっては……どこまで価値があるか、本当の意味では分からん。それに、DNAデータと細胞、精子は保存してあるんだろう? いざとなれば、クローンを量産して実験例を増やせばよい」


「クローンは法的に面倒が多すぎる」音楽的ボーイソプラノが編まれ「弊社はそこまでのリスクは冒せないよ。どうしてもやるというなら、“君ら”でやってくれ」


 惑星再生機構の法や規制、道徳と倫理、人々の価値観はカタストロフィ以前――七星連合憲章と統一連合政府のものに準拠していた。


 そして、七星連合体制下や惑星統一連合政府下においては、人間の心身を内科的外科的に調整・調律・改造したり、人体を機械や人工物に置換したりすることが合法である(もちろん法的に厳しく審査/制限を受ける)。


 その一方、遺伝子改造による人間と動物の混合化(いわゆる獣人化)や医療目的等以外の複製体(クローン)製造などは非常に厳格な規制が敷かれていた。これは伝統的宗教観や生命倫理的理由といった思想や理念的事情と、深刻な人権侵害事件等々の実被害がいくつも発生したためだ。


 むろん、どれほど厳格な法規制を敷いても、社会の闇や法秩序の及ばないところでは、いくらでも行われている。なんたって人間の欲望と愚かさには節度も尺度も通じないのだから。


 全身サイボーグの黒肌エルフ美少年は首を横に振り、端末に触れた。

「それより、今はこちらだよ」


 壁に貼られた薄膜ディスプレイへ暗号化データの一覧が表示された。先日、ユーヒチ達が持ち帰ったサンプルデータだ。


「――ほう」

 一覧の中に並ぶいくつかの項目を認め、中東系女性のアイボールがどこか楽しげに蠢く。

「これが本当なら、“グウェンドリン”に手が届くぞ」


「どうかな」

 機械混じりの顔貌に喜色を浮かべる友人へ、エルフ美少年は冷ややかに眉を下げた。

「ラ・シャンテのデータセンターは長く放置されてきた。情報の確度と信憑性を精査しないことには判断しかねるよ。ちなみに精査作業だけでも莫大な時間を食うだろうね」


 ふむ。女性サイボーグはサンプルデータの項目を凝視したまま、応じる。

「中央にお伺いを立ててみよう。本当に“グウェンドリン”へ手が届くなら、彼らも前向きに検討するはずだ」


     ○


 ララーリング半島に面するララーリング湾は紺碧色の美しい海だ。

 もっとも、この辺りの海は汚染降下物(フォールアウト)に穢されているし、大地の穢れが最後に到達する場所が海であるから、お世辞にも水遊びに適しているとは言えない。

 が、防疫処置を受けた者達は気にせず潮へ飛び込み、亜熱帯の温かな海を楽しんでいる。


 ユーヒチも医療施設で再調整と再調律を受けた後、ララーリング湾のサーフ・ビーチに訪れて波遊びに興じていた。


 宇宙文明の魔法的ハイテクで“加工”された兵士達にとって、戦争行為は極めてアンリアルだった。感情も感覚も科学的に制御され、恐怖も怯懦も興奮も憤怒もスリルも苦痛さえも、脳が情報として理解しても、骨身や神経を震わせる刺激として知覚しない。


 銃の台尻で児童歩兵の頭蓋を叩き割っても、ナイフで少女兵士の柔らかな喉笛を切り裂いても、憐れな老人を手榴弾で吹き飛ばしても、若い母親を腕の中の赤ん坊ごと6・5ミリ高速徹甲弾で打ち抜いても、良心の咎めや道徳的後悔、倫理的苦痛が生じることはない。


 弾丸が体をかすめても、爆発物の炎に炙られても、炸裂弾の破片が体に刺さっても、恐怖も怯懦も生じない。眼前に迫る敵を撃ち殺しても、大型ミュータントを仕留めても、ライフルグレネードで無人戦闘ヘリを撃墜するという神業を成し遂げても、興奮も勝利の達成感や生き延びた充足感もない。むしろ、遊び慣れたゲームを惰性で続けているような退屈さすら抱く。


 精神や心理の深層部まで手が加えられたチューンドやサイボーグは、自らの衝動や欲望に駆られて虐殺、略奪、強姦といった行動をしない。人間的実感を抑制した彼らは他人の死も自らの死も、仮想や虚構と大差がない。


 であるからこそ、チューンドやサイボーグは後方で『平時モード』あるいは『本来の自分』に戻った時、自らの欲望へ逆らわない。美味い物をたらふく飲み食いし、腰が抜けるまでセックスし、趣味の娯楽と享楽を貪る。

 抑制されていた情動への刺激を求めるわけだ。


 たとえば、ある完全サイボーグの現場要員は任務から戻ると、決まってお涙感動モノの映画やドラマをひたすら視聴し、ダバダバと泣き続ける。曰く『感傷的共感は自分の情動をリアルに楽しめるから』。


 ユーヒチも例外ではない。平時モードに戻れば、ひと通りの欲求と衝動の発散を行う。

 天然食材の美食を楽しみ、会社御用達の“安全な”性風俗で女を抱いて、趣味に走る。


 間違ってもチームのメスライオン達……トリシャ、シドニー、ダフネに手を出すような真似はしないし、社内の女性を誘うような真似はしない。絶対だ。

 だって、トリシャがコワイ。


 トリシャはユーヒチが娼婦を抱くことに『男性には欲求があるものね』とエロ本を隠し持つ息子へ理解を示す母親のような態度を取るけれど(それはそれでどうかと思うが)、社の女性職員とランチデートでもしようものなら、烈火のごとく不機嫌になる。

 深層心理さえ科学する御世においても、女心の神秘的難解さは不変だ。


 ではトリシャと寝るか? ない。それはない。一度でも肌を重ねたら、もうどこへも逃げられない気がして、ユーヒチはトリシャと寝ることを恐れている。

 据え膳食わぬは男の恥? 恥で結構。勇者より臆病者の方が長生きできる。


 話を戻そう。


 ともかく、『本来の自分』に戻ったユーヒチは私物のポンコツピックアップにトリプルフィンのショートボードを載せ、サーフ・ビーチに赴いていた。


 サーフィンはララーリング半島に派遣されてから覚えた。ハイチューンドの極めて優れた身体能力でも、気ままな波の相手は難しく、その難しさが面白く楽しい。


 駐車場でラッシュガード姿に着替え、屋台で合成食材製のパッタイを胃袋へ収め、さっそくビーチへ向かった。

 民間軍事会社(ブルーグリフォン)の同好の士や波遊びを通じて顔見知りになった娑婆の連中に挨拶しつつ、大きくうねる紺碧の海と戯れる。


 もちろん、網膜に装着しているスマート・コンタクトレンズの拡張現実機能や左手首に巻いたスマート・リングのサポート機能は完全カットしてある。遊びにハイテクのサポートは不要だし、何より野暮だ。


 ユーヒチはビーチへ突き出た(スーサイド・キッカー)からボード諸共に勢いよく飛び込む。速く荒く粗暴な浪。調整と調律と改造が施された身体能力を持ってしても、ボードに立つことすら難しい。白く泡立ちながら襲い掛かる大波がユーヒチをボードから海へ叩き落し、『お前も所詮はしょうもない肉の塊だ』と波音が嗤う。

 実に痛快。この困難こそ、ユーヒチにとって好ましい娯楽だった。


 そして、この荒波は乗ることに成功してしまえば、足元から凄まじい快感と心中から素晴らしい感動が込み上がってくる。


 ボードが波を刻む鼓動。身体で風を切る反動。鼓膜と肌を打つ波と風の音色。降りかかる水飛沫を置き去りに水面を跳ぶ時の爽快感とスリルと来たら!


 肉が滾り、心が震え、魂が燃える感覚。素晴らしき生の実感。戦場用の人為的不感症が拭われ、自分が普通の人間だと思い知らされる感動。

 薬品や分子機械や反応支援機構が一切関係ない自分自身の情動の、なんと心地良いことか。


 ひとしきり荒波へ挑み続けて幾度か波に乗った後、ユーヒチは岸辺近くの水面でボードに寝転がり、ラッコみたく波任せに揺られる。


 サーフィンのスリルも良いが、こうやってのんびり過ごすことも快い。蠢く碧色の空から注ぐ亜熱帯仕立ての疑似陽光に、赤みがかった薄褐色の肌を焦がしながら、夜の予定を考える。


 晩飯を食って、御用達娼館で女を抱いて、ぐっすり寝る。

 問題は何を食って、どんな女を抱くか。


 三大欲求に基づく俗物思考を回しているところへ、左手首に巻いていたスマート・リングが鳴き、連動してスマート・コンタクトレンズが視界に着信メッセージを投影した。

 選抜強行偵察チーム『シンハ』の姫君トリシャ殿下からだ。


⇒『ディナーを予約して』

⇒『否はないわよね?』


 姫君の要求に否を言えるわけもない。

 ユーヒチはメッセージを返信した。

 ⇒『ご希望のメニューは?』

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