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ノヴォ・アスターテ:女神の箱庭。あるいは閉ざされた星。  作者: 白煙モクスケ
第3章:オペレーション・ジャバウォック

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41/45

41:戦火の陰で

 ケイナン大陸中部、文明復興圏や停滞圏の独立諸国や勢力は戦々恐々としていた。

 なんせ同大陸北部を占める列強、惑星再生機構が急激に静かになったから。


 1週間ほど前まで国境向こうは活発だった。22個師団。2個航空艦隊と14個航空機群もの大戦力(しかしケイナン大陸中部全域を制圧するには明らかに足りない)が集結し、人員や武器弾薬、医薬品に食糧と衣類、消耗部品と整備機材、あれやこれやが集積されていた。これほどの物資があれば、復興圏や停滞圏の小さな都市国家や小勢力なら数年は食っていけるだろう。

 列強の惑星再生機構とはいえ、これだけの戦力と物資の抽出は容易くない。別方面で抱えている戦線を整理し、他列強と交渉し、他大陸や他地域の勢力と関係を調整し、行動を起こすための準備と根回しを必要とした。

 つまり少し前まで、国境向こうは賑やかだったのだ。大勢の兵隊が街に繰り出して英気を養い、大勢の整備兵達が昼夜を問わず重兵器や機動兵器を入念に整備し、大勢の軍官僚が膨大な数字と格闘し、大勢の指揮官が書類とにらめっこを繰り返し、司令官は決済印を押しまくり署名を書きまくっていた。


 それが急に静かになった。

 全てが整った、ということに他ならない。


 此度、惑星再生機構は隷下参入通告――惑星再生機構に参入せよ(あるいは従属せよ)という通知を一切していない。諸勢力を力で屈服させ、復興圏や停滞圏を力で征服するつもりだった。ケイナン大陸南部を牛耳る列強ケイナン諸国連合への警戒と軍事的脅嚇のために。


 静かになった惑星再生機構からラジオ電波が放送され始める。

 文明復興圏や停滞圏、喪失圏ではラジオが現役のマスメディアだった。

『我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ! 食らいつく顎、引き掴む鉤爪!』

 これだけ。決まった時間にルイス・キャロルの『ジャバウォックの詩』の小節が流される。


 マギ・ネットワークに接続できるところや図書館などの文物が残っているところは、その意図と意味を理解した。

 西暦20世紀中期の地球で起きた第二次大戦、連合軍が反攻作戦を実施する工作として、ヴェルレーヌの詩を流していたことのオマージュ。ジャバウォックの詩は明確な威嚇だ。これから怪物がお前達へ襲い掛かるぞ、というメッセージ。


 独立勢力や都市国家は半ば諦めながら戦いに、あるいは降伏に備える。全てを棄てて逃亡を図る権力者もいる。戦禍に巻き込まれることを恐れて早くも避難を始めた者達もいる。


 だが、どこへ逃げろというのか。

 復興圏や停滞圏の外はケダモノが支配する文明喪失圏。そんなところへ逃げ込んでどうやって生きていけばいい? 惑星再生機構の侵攻限界線まで逃れたとして、そこでどうやって暮らしていけばいい?


 ケイナン大陸中部の誰も彼もが身の振り方に苦悩している中。

『我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ! 食らいつく顎、引き掴む鉤爪!』

 ジャバウォックの詩が流れ、

『ジャブジャブ鳥にも心配るべし。そして(ゆめ)燻り狂えるバンダースナッチの傍に寄るべからず!』

 続く第二小節。


 時は来た。


        ○


 秋の深夜未明。

『オペレーション・ジャバウォック』が発令された。

 惑星再生機構(ニューオーダー)の正規軍、歩兵15個師団。機甲師団5個。独立機動旅団4個。航空飛翔母艦を含む2個航空艦隊。多目的任務航空機群8個。制空航空機群3個、対地支援航空機群3個。そして計上されぬ民間軍事会社の非正規兵や支援集団。

 小国ならば半日で滅ぼし得る大戦力が土石流のように南部国境を越え、国境周辺の中小独立国や都市国家、民兵などの武装勢力、レイダー集団などへ襲い掛かった。


 超巨大マンタのような高高度空中要塞に設けられた侵攻軍総司令部の指揮の下、侵攻軍の全戦力がそれぞれの役目を果たす。

事前の諜報や偵察で捕捉していた高脅威度標的へ、極超音速巡航ミサイルや弾道弾が精確無比に降り注ぎ、戦闘機や飛翔船の群れが爆弾や砲弾を叩きつける。


 電磁砲弾や極超音速ミサイルの驟雨が夜空に光跡を描き、サーモバリック弾や電子励起爆薬の大火が夜を焼く。高圧電磁波が吹き荒れて様々な機械の電子回路を焼き切り、大出力熱光線が走って標的を貫き、薙ぎ払う。


 母艦からばら撒かれた自律型ドローンの大群が雲霞の如く迫り、空爆の撃ち漏らしを念入りに潰して回る。


 航空艦隊はそれぞれの国境付近最優先目標へ侵攻し、大型の飛翔艦が独立勢力や都市国家の軍勢や拠点に大口径電磁砲や巡航ミサイルをぶち込み、抵抗を破砕する。人間の兵士と戦争機械(ウォーロイド)が乗り込んだオルキナス級やポーコイス級飛翔艇、装甲運輸飛翔艇の集団が、要衝地域や重要拠点を次々と空挺急襲していく。


 航空部隊が大暴れしている間、地上では機甲師団が切っ先となり、荒廃した主要幹線道路を激走していた。

 ドーザーブレードや地雷啓開装備を備えた主力戦車や重装甲車が大トルクな反応融合電池式機関やマギ・マテリアル機関を轟かせ、様々な障害物を押し退け、踏み潰しながら怒涛の勢いで突進していく。


 車輛運用に向かない難地形の目標は空挺制圧か、独立機動旅団の重装人型機動兵器(ウォーメック)や多脚戦車が乗り込んで殴り潰す。


 機甲部隊に続く歩兵師団は隷下部隊を連隊や大隊に切り分け、連隊や大隊はさらに中隊へ切り分け、兵士とウォーロイドを乗せた多様な装甲車両軍を走らせ、落ち穂を拾うように航空部隊と機甲師団のやり残した脅威を一つ一つ潰し、目標を次々と制圧して回る。


 最後に民間軍事会社の非正規部隊が制圧地域内の“掃除”を始め、侵攻軍輜重集団と民間軍事会社の支援車両群が戦闘部隊の背中を追う。

 抵抗らしい抵抗はほとんど無く。夜明けを迎える頃、侵攻軍の先頭は国境から100キロも進んでいた。

 そして、侵攻軍は止まらない。


 巨大な薄膜型ディスプレイに表示されたケイナン大陸中部地図は南へ向かってA、B、C、D、Eと5つのゾーンが敷かれており、国境付近のAゾーン内を無数の矢印が動き回り、制圧/占領地域を示す青色に塗り潰している。各部隊を示す矢印のステータスはほとんどが『移動中』と『制圧中』で『戦闘中』の表示は数えるほどしかなく、損害の数値もほとんど増えない。


 圧倒的優勢。

 空中要塞の指揮所に詰めている侵攻軍司令官や参謀など幹部達の表情は明るい。


 地球東南アジア系男性の司令官は口ひげを弄りながら、呟く。

「これでは演習だな」

「文明復興圏の軍隊気取りや喪失圏の盗賊共にてこずっては、納税者に申し訳が立ちますまい」

 土星アフリカ系男性の侵攻軍総参謀長が控えめな苦笑いをこぼす。周囲の幹部達も余裕の笑みを湛えた。


 無理もない。列強惑星再生機構の正規軍と復興圏や停滞圏の小勢力の戦力差を21世紀風に言えば、本気になった米軍と小火器しか持っていない僻地の民兵組織くらいの差がある。侵攻軍にしてみれば鎧袖一触に蹴散らせなければ、失態や無能を咎められて更迭されかねない。


 実際、現場の指揮官や将校達もこの戦争を武勲や戦功を挙げ、出世の肥やしにする機会と認識しているし、下士官兵達も戦功賞与を狙っているものばかりだ。

 つまるところ、惑星再生機構侵攻軍にとって、この戦争はボーナスゲームに等しい。少なくとも、今のところは。


 弛緩した空気に少し釘を刺しておくべく、参謀長は言葉を続けた。

「抵抗の本格化は競合地域を含むCゾーンへ進攻してからでしょう。予測ではその辺りから諸国連合にテコ入れされた民兵組織や傭兵部隊と交戦すると思われます。現状、占領地域の統治が問題かと。歩兵部隊が集落や町で時間を取られますし、不測の事態が起きない保証はありません。こちらの兵士は心理調整しておりますが、現地人は違います」


 怒りや恐れに駆られた人間は論理的に考えられないような愚行や蛮行へ走る。ノヴォ・アスターテの人間の骨身に刻まれた真理を脳裏に浮かべ、参謀達の顔が引き締まる。


「……参謀長の言う通りだな。気は抜けん」

 司令官は渋面を浮かべ、口髭の先端を尖らせるように弄り、呟く。

「諸国連合に動きは?」


「国内で部隊移動の連絡はありますが、出撃兆候は確認されていません」

 アジア系中年女性の情報参謀がはきはきと司令官へ告げる。

「情報部によれば、議会の方針統一がいまだ定まっていないとのことです」


「我々の“事業”に対する真摯さに欠けますな」総参謀長が皮肉っぽく口角を上げる。

「連中がやる気になるまで精々楽しませてもらおう」

 司令官は獰猛に口端を曲げ、ピンと尖った口ひげの端を指で弾いた。


      ○


 いくつもの臨時ニュース番組が組まれ、ケイナン大陸中部侵攻を報じている。SNSでは政治系クラスタが是非を巡って生産性のないやり取りで盛り上がり、経済系金融系クラスタでは戦争がもたらす|影響《特に自分達の預金口座に対する影響》を語り合い、ミリオタ系クラスタでは識者気取りの連中が不毛な議論で盛り上がっていた。


 もっとも、市民の絶対多数は侵攻を対岸の火事と見做している。

 実際、全ての放送局が戦争のことだけ扱っているわけではない。いつも通りに娯楽番組を流している放送局もあるし、動画配信サービスの視聴者数も平時通りだった。


 むろん、統合情報部はこの戦争で大忙しだった。大勢の職員が今この瞬間も情報を求めて働いている。

 ただし、専従任務中の特別案件作業グループはその繫忙に加わっていない。


「武器商人だ」

 特殊案件作業グループはポエニカ小大陸の触れ得ざる女王グウェンドリンに至る手掛かり――ウィリアム・アンダーソン大佐の足取り調査と謎の女達ジェーン・ドゥズの捜査をしており、隷下各チームにそれぞれのアプローチで情報収集と追跡を行わせている。


 指揮を取る管理官ルッソがアンリエットのチームに与えた命令は、『せっかく三冠王国人と組んでいるのだから、彼らを活かしたアプローチを図れ』とざっくりしたもの。


 そこで、アンリエットは既存の情報を精査した結果、的を絞った。

「ララーリング半島の少女は金星系男の武器商人と活動していた。三冠王国の熟女は自身が武器商人を兼務していた。ジェーン・ドゥズは武器商人の世界に居るはずだ」


「皇国か連邦辺りが情報を持っていそうね」

 トリシャは湯気を燻らすカップを口元へ運ぶ。本日の装いは赤いドゥパッタとパンジャビと黒のスカート。


 ララーリング半島の民兵組織サムライ・オブ・ブラックアーマー。連中の拠点を強襲したアシュタロス皇国軍のニンジャ達は金星系武器商人と少女ジェーン・ドゥを『名無しのゴンベエ』と呼んでいた。あの2人を標的に動いていた以上、皇国は何かしらの情報を持っている。

 それに、金星系武器商人は連邦製VTOL機やウォーロイドを有していた。連邦を探れば有益な情報が手に入るかもしれない。


 ワークウェアの上下を着たユーヒチが茶菓子を摘まみながら、言った。

「妥当な推測だとは思うけど、実際にはどうする? 皇国も連邦(ユニオン)も国交がないどころか現在も交戦国だぞ。迂闊に探りすら入れられない」


 ユーヒチの指摘を説明しておこう。


 ウガリタ大陸の二大列強アシュタロス皇国と惑星社会主義連邦(ユニオン)

 前者はこの星をアシュタロス皇帝の下に完全征服し、統一することを目指し。

 後者はこの星を彼らの『開明的かつ進歩的思想』によって統一することを目指し。


 統一連合政府の後継を自認する惑星再生機構は、皇国を『頭のおかしい人権侵害国家』と見做し、連邦を『いかがわしい極左思想の妄執国家』と断じ、『根絶すべきこの星の害悪』と定義している。


 まあ、その惑星再生機構にしても『誰も求めてないから崩壊した統一連合政府を、権力欲しさに復活させようとする亡霊』と言われているが。


 早い話、列強内で惑星再生機構、皇国、連邦は特に仲が悪い。皇国と連邦は独ソ戦さながらの酸鼻極まる戦いを続けているし、惑星再生機構は皇国とララーリング半島で反応兵器の撃ち合いまでやった。惑星再生機構と連邦の関係はそれこそ背筋が凍るものだった。

 当然ながらこの三国間で交流など無きに等しい。スパイを送り込むことすら難しいほどに。


『ウチも皇国と連邦は公式な国交はないです。停滞圏などを通じて民間にか細い交流があるくらい』

 壁の薄膜ディスプレイに映るフェテッシュな金星系娘ヒナコ・アル・チェルトーバが言った。


 専制君主制の皇国は立憲君主制を採る三冠王国を『惰弱な王の国など認めない』と嫌悪感を隠さず、立憲議会制の諸国連合を『烏合の衆』と見做し、女神教の教権に糊塗されつつあるムルーディンを『カルト国家』と忌避している。なお、社会主義連邦も似たような見解で三列強を嫌っている。そんなところだけ仲良しな皇国と連邦。


『あ。リリアが一度、そちらの事務所に行きたいと言ってました』

 ヒナコの要望にアンリエットは片眉を上げた。

「それは何かしら偽装(カバー)が必要だな。検討しておく」


 三冠王国人の面々は先のホテルスイートを拠点に活動しており、『ウォーターナイン・ワーカーズ』には基本的に出入りしてない。そりゃそうだ。外交団の関係者がサルベージ屋に出入りしてたら目立ちすぎる。


 そして現状、ハルトとリリアは外交団に連れ回されている。これも妥当だろう。動乱で勇名を馳せた若き英雄に次代女王とつながりがありそうな貴族令嬢の軍人。絶好の客寄せパンダだ。2人を同行させるだけで相手の関心と歓心を買えるのだ。生き馬の目を抜く外交官や商人は容赦なく扱き使う。

 やはり本命の諜報員は別にいるな、とアンリエットは思う。


『武器商人の件だが、やりようはある』

 非人間型の顔貌をした完全サイボーグのテイラー・ネヴィルが口を開く。


 話しながら男女の声が切り替わる様に、アンリエットとトリシャとユーヒチは揃って思う。これ慣れるまで大変だなぁ。

 そんな三人の心中を知ってか知らずか、テイラーは老婆声とボーイソプラノを混ぜながら自説を語る。

『君達の方でも把握していただろうが、惑星再生機構は中部侵攻のために他地域の戦線や競合地域を整理した。これによりウガリタ大陸を始めとする各地の『市場』は冷え込み、ケイナン中部の市場のみ活況になった』


「それは確認しているわ。停滞圏や復興圏で国家や独立勢力から個人まで武器や傭兵の需要が激増した。でも、これらの需要に応えた武器商人は基本的にケイナン大陸内の商人、主に惑星再生機構か諸国連合の紐付き、生産プラントを持つ独立勢力、それらの下請けや中間業者よ。大陸外から参入はほぼ確認されてないわ」

 トリシャの指摘にテイラーは頷きつつ、続けた。男性バリトンと女性アルトの混ざり声で。

『だが皆無ということはない。戦火の絶えない皇国と連邦は常に資金と資源を欲している。型遅れや中古の兵器や不用物資を放出し、金や物資、特にカタストロフィ以前の惑星外資源物を手に入れられるなら大碧洋も渡るだろう。そして、ウガリタから我が国と惑星再生機構、諸国連合に捕捉されずケイナン中部へ渡る航路は大碧洋であれ、大翠洋であれ、相当に限られる』


「手を付ける価値がありそうだ。管理官へ上げてみよう。少し時間をくれ」

 アンリエットはディスプレイに映るテイラーへ告げ、早速上司の管理官ルッソへ連絡を取り始める。SIWGの他チームが既に手掛けている可能性もあるから重複やトラブルを避けるためにも、確認の必要がある。


 クレオール系ハーフエルフ娘が連絡を取っている間、ユーヒチは思案顔で誰へともなく言った。

「あくまで仮にだけど、中部でジェーン・ドゥズと糸がつながる武器商人ないし裏稼業人が見つかったとして、どうする?」


『どうするって……どういう意味です?』小首を傾げるヒナコ。自然な仕草がなぜか煽情的。

「俺達が現地に乗り込んで確保するのか? それとも侵攻軍に連絡をつけて確保させるのか?」


「侵攻軍の特殊部隊か民間軍事会社の特任部隊に委託するんじゃない? 連中、手柄欲しさに二つ返事で引き受けると思うわ」

 トリシャはユーヒチの疑問へ答えつつ、内心で『それに』と続ける。私達が戦場に出てもしも英雄君や御姫様が死んだりしたら外交問題になりかねないもの。特に御姫様よ。もしも亡き国王の御落胤という噂が本当なら、次代女王の異母姉妹ってことでしょ? 死んだら不味いでしょ。


「たしか俺達、外部出向者は荒事要員を兼ねてたよな? 俺達が行く可能性もそれなりにあるか」

 ユーヒチが首を傾げながら呟いた時だった。


『もし現地に行くならば我々も参加しよう』とテイラーがジジイ声で言った。

『「「え」」』

 ユーヒチとトリシャとヒナコが揃って目を瞬かせた。


『戦場で肩を並べること以上に信頼を醸成する行為はないからな』

『テイラー! こんな大事なこと勝手に決めちゃ不味いでしょ!』

 ヒナコが慌てて止めに入り、

「お気持ちはありがたく受け取るけれど、貴方達の現地派遣は上の許可が無ければ無理よ」

 トリシャもいそいそと止めに入る。


『そうだな。少し先走り過ぎた』

 テイラーは萌え声で応じ、しかしてどこか不敵な態度で続ける。

『たしかに上の判断を待つべきだな』


 電情戦の魔女と首狩人は経験則から直感的に察する。このブリキ野郎、何か動いてやがる。


 何とも言えない雰囲気が漂う中、アンリエットはスマートホン型通信端末を切り、皆を見回して、告げた。

「管理官からゴーサインが出た。ミクス・ネヴィルが提案した通り、ウガリタ大陸系の武器物資を扱う商人を捜索追跡する」


Tips

 ジャバウォックの詩。ルイス・キャロル。

 訳の引用先は皆大好きウィキペディア。問題があるようならご指摘ください。


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