17:迷える白兎
皆さん。内容、覚えていらっしゃいますか?
選抜強行偵察チーム『シンハ』が帰還して二日目。
捕らわれたレーラは基地内医療施設で本格的な健康診断と怪我と感染症の治療を受けた後、事情聴取と尋問を受けることになった。
そのことに不満はない。自分は捕虜だから尋問はされてしかるべきだろう、とレーラも理解している。
文明喪失地域の連中なら、尋問の前に自分を輪姦しただろうし、手段と目的が完全に入れ替わった拷問遊びに耽っただろう。そういう意味では、手錠と鎖で机につなぐだけで、頬一つ張り飛ばすことなく尋問を続ける惑星再生機構のなんと温いことか。
それともこれが、文明的、ということなのか。
なんであれ、レーラは聞かれたことへ素直に応える。知っていることは話し、知らないことは知らないという。口を噤んでいるべきことなどないし、拷問されてでも護りたい仲間は、もう誰もいないのだから。
だから、こちらを蔑む目を向けてくる尋問官に思うことはない。
ただし――
尋問官と異なり、カチカチのスーツに身を固めた地球東アジア系職員がタブレットを手につらつらと述べ、卓の向かい側に座る麗しい白兎を見た。
「――以上が今後、君の取りうる選択肢の話だ。理解したかね?」
この『法務部所属の域外保護者担当員』とかいう奴は気に入らない。
ブルーグリフォンが“厚意で”提供したTシャツとスウェットの上下に身を包んだ白兎――人造の兎獣人レーラ・ペンドロスは、ムスッとした不機嫌顔を返す。
「あんたが何言ってんのか、全然わかんない」
レーラは学がない。物心ついた時には売春組織に囲われ、身体をケモライズされていた。
当然のことながら、売春組織は“商品”に一般的な教育など与えない。“商品”はおねだりとおしゃぶりと腰振りが出来れば良いからだ。
売春組織の下から脱した後、レーラは仲間達と共にスカベンジャーとして生きてきた。真っ当な教育なんて受けてない。
それでも、小学生程度の読み書きと計算が出来るのは、ノーヴェンダーや“兄姉”が教えてくれたからだ。蛮地暮らしとはいえ、最低限の読み書き計算が出来ないと、第三次ララーリング戦争時の遺物――電子機器など扱えないし、土着コミュニティや他所のスカベンジャーグループと取引に障る。
だから、一日の終わり。日が暮れた後、ノーヴェンダーや兄姉が読み書きや計算を教えてくれた。初めて掛け算割り算の問題を解けた時、ノーヴェンダーが優しく頭を撫でて褒めてくれたことを、レーラは忘れていない。
しかし、レーラの学問的素養はそこで打ち止め。後はスカベンジャーとして蛮地で生き抜くために必要な知識と知見しか持っていなかった。法律だのなんだの、聞いたことはあっても実感として理解できない。
けれど、レーラは愚鈍でも愚昧でもない。
卓を挟んで向かいに座る事務屋が、自分をバカにしていることを、しっかり見抜いている。
そして、ナメてることも。
レーラは思う。
こいつ、ぶっ殺してやろうか。
蛮地の人間はナメられることに敏感だ。
なぜなら、ナメられるということは侮られていることであり、侮られることは弱いと思われているからで、蛮地で弱者とは獲物に他ならない。
ゆえに蛮地の人間はナメられることに敏感だ。
レーラは見抜いている。
向かいに座る男が荒事と無縁の世界の人間だと。タコ一つない手や指は銃やナイフを握ったことも無い証。小奇麗な着衣で包んだ身体は鍛えられているけれど、実戦用の筋肉じゃない。何より、こちらをナメた目つき。
このクソヤローは、あたしが自分をいつでも殺せる人間だと正しく理解してない。
この手錠を壊して飛び掛かり、首を捻じり折るまで、10秒も掛からない。
それとも、こいつを人質にしてここから出ていこうか。
そう考えた直後、レーラは酷く気分が落ち込む。
出て……どこへ行くの?
帰るところなんて、もうどこにもない。愛する家族は皆死んでしまった。
姐さんはあたしに生きろと言ったけど……生きて、どう生きればいいの?
あの2人を殺しに行く? あの機械みたく冷たい、けれど奇妙な思いやりのある男。機械の目と手を持つイヤミな女。大事な家族を殺した仇の2人。
あの2人を殺して……それで?
この基地にいる無数の兵隊を何人か道連れにして、死ぬ?
このムカつく奴をぶっ殺して、部屋の外の警備から銃を奪い取って、殺せるだけ殺して死んでやれ。あたしをナメたらどうなるか、思い知らせてやる。
でも、あたしに生きろと言った姐さんの思いは? あたしが死んだら、皆の生きた証はどこに?
レーラがぐるぐると考えを巡らせているところへ、
がちゃり。
ドアが開かれ、ダックスフントみたいな垂れ耳の犬獣人女性が入室した。
法務部の男は戸惑い気味に質す。
「? ? ? どなたですか?」
バチバチに化粧を決めた顔の年頃は50を半ば超えているか。白髪染めされた髪を結い上げ、豊満な胸元とムチムチな腰回りが目立つ肢体を、ゆったりした着衣で包んでいた。
肝っ玉が極太なおっかさん。そんな印象の犬獣人女性はレーラに人懐っこい笑みを向けたと思ったら、険しい顔で法務の男をぎろりと睨みつけた。
「私はハマーノルド。ヒューマニティ・オブ・ライトの弁護士よ」
惑星再生機構が一応でも民主主義を採っている証左、人権団体ヒューマニティ・オブ・ライトに属する弁護士ハマーノルド女史は、闘犬のような覇気を漂わせながら、宣戦布告する。
「こちらのレーラ・ペンドロスさんを良き市民として迎え入れるために来たわ」
「? ? ?」
話しが見えないレーラは、ただ紅色の瞳を瞬かせるだけ。
○
「――そうだ。小細工は無用だよ。件のケモをHOLに押さえられても構わない。スカベンジャー一人のために人権裁判なんて面倒だからね。法に従って適切に対処してくれ」
通信を切り、黒髪黒肌エルフ少年姿のサイボーグ(属性過多)は大きく息を吐き、執務椅子へ小柄な体躯を埋めた。愛らしい造作の顔に疲れを滲ませる。
「HOLに介入されるとは思いもしなかった。しかも、送り込んできたのが、あの“女闘士”ハマーノルドだ。いったいどうやって嗅ぎつけたのやら」
「見目麗しいバニーガールだ。情報を漏らす奴は10や20では済むまいよ」
執務机を挟んで向かいに座る地球中東系の女性サイボーグが、奥ゆかしい微苦笑を返した。
「管理体制を見直す必要があるな……まぁいい。この件は些事だ。問題はこちらだよ」
サイボーグ・エルフ少年は大きな執務机に置かれた端末に細い指を躍らせ、壁に貼られた大型薄膜ディスプレイへ複数の画像を表示させる。
選抜強行偵察チーム『シンハ』が上げてきたデータだ。“金星人X”と“少女メイド”の姿を捉える監視カメラ映像から、両者の顔が大きく映し出された。
「正体は掴めたかい?」
黒肌のエルフ少年の問いへ、中東系女性サイボーグは首を横に振る。
「残念ながら。金星人Xもこの少女も、我々の持つどんなデータベースにも該当者がいなかった。しかし……統一連合政府時代のネットワーク・アーカイブにまで手を広げたら、“逆探”された。AIによる自動反応だったがね」
「皇国?」
「連中は“金星人X”を追っていたようだから、そう考えるよな。だが、別口だった。どこだと思う?」
女性サイボーグは悪戯っぽく口元を曲げて問いを投げるも、エルフ少年は『早く先を言え』言いたげに肩を竦めるだけだ。
くすりと笑みを大きくしてから、女性サイボーグは答えを披露した。
「王国に本部を置くNGOだった。NACCP……ノヴォ・アスターテ天象会議。統一連合の天蓋膜対策委員会の後継組織だ」
この星を覆う天蓋膜がグレイグー化を起こして宇宙世界と分断された後、統一連合は事態の原因究明と解決のために包括的な組織――天蓋膜対策委員会を創設した。
もっとも、同委員会が具体的な成果を上げる前に、天蓋膜のグレイグー化による惑星内環境の激烈な悪化と惑星内世界秩序の急激な崩壊により、統一連合自体が破綻を迎えてしまった。
その後、同委員会は列強の一角、アースティル三冠王国に本部を置き、ノヴォ・アスターテ天象会議と名前を変え、再出発。今も天蓋膜のグレイグー化の原因究明と解決を調査・研究し続けている。この星を宇宙世界へ復帰させるために。
解答を聞き、エルフ少年の顔に戸惑いが浮かんだ。
「連中がフィールドワークと称してあちこちに人を派遣していることは知っているけど……この2人とどう関わってるんだ? まさか活動費稼ぎにヴォイド・エリアで違法商売、という訳でもないだろう?」
中東系女性サイボーグは椅子の肘置きを使って頬杖を突き、
「さてな。まだ手を付け始めたばかりで何も分からん。皇国のニンジャ部隊を壊滅させたナノマシン兵器のサンプルも解析が始まってないからな」
面白いものを見つけたように鋭い双眸を細めた。
「ただ……NACCPの動きはかなり速いぞ。既に外務省経由で我々へ探りを入れてきている。旧統一連合関係を中心に根回しも同時進行でな。まるで多面同時攻勢だ。ひょっとしたらHOLの介入も連中が一枚噛んでいるかもしれん」
エルフ少年と会話を交わしつつ、女性サイボーグは電脳をネットワークにつないで最新情報を収集していた。NACCPは自前の伝手だけでなく王国のコネも用いて惑星再生機構へ働きかけている。
「それでな。この過程でウチがカタストロフィ以前のデータを手に入れたことを知ったらしく、えらく興味を示しているようだ」
NACCPのあまりにも迅速で怪しい動きに、エルフ少年は戸惑いを濃くする。
「国防省(君のところ)の対応は?」
「今のところは様子見だな。中央の判断待ちとしか言いようがない。協力しろと言われれば、まぁ、害が無い程度に便宜を図りはするかな」
煩わしげに息を吐き、中東系女性サイボーグはエルフ少年へ問い返す。
「そちらはどうする?」
「弊社は中央と法の認める範囲で、損しなければ、だな。最終的には総帥の判断に因るけど」
総帥ね、と女性サイボーグは喉の奥で呟く。
民間軍事会社ブルーグリフォンは、とあるコンツェルンの外部組織だ。ただし、それは民間軍事会社というリスクの大きな組織を外に置いてあるだけで、実体はそのコンツェルンの保有武力に等しい。
そして、そのコンツェルンの総帥は謎が多い。巨大な権力と資産を握る者とは思えぬほど露出が少なく、情報が乏しい。
謎多き大権力者。惑星再生機構の軍官僚である女性サイボーグにとっては内憂にしか思えない。
やれやれ、と中東系女性サイボーグはぼやく。
「ラ・シャンテ市からデータサーバーの回収を円滑に済ませるための予防攻勢が、とんだ藪蛇になってしまったな」
黒髪黒肌のサイボーグ・エルフ美少年(属性過多)は諧謔たっぷりに微笑んだ。可憐な笑顔だった。
「このゲームに想定外のイベントは付き物さ」
○
レーラは困惑を強くしていた。
犬獣人のおばさんが現れ、ムカつく事務屋へ怒涛の勢いであれやこれやとまくし立てた結果(レーラには何を言っているのか分からなかった)、レーラは営倉から出されて基地内兵舎の個人部屋へ移され、支局内売店から替えの着衣や生活雑貨を買い与えられ、食事のデリバリーまで行われた。
待遇が変わりすぎて怖い。
部屋はシンプルな1ルームでキッチン無しのユニットバス付。お湯使い放題。シーツも毛布もタオルも清潔で綺麗。ドアの外に警備部のウォーロイドが控えているけれど、室内では基本的に自由。壁に貼られた薄膜ディスプレイで無料チャンネルだけだが、見放題。
落ち着かない。
こんな“広くて”清潔な個室、一度だって体験したこと無かった。
そして、この落ち着かない部屋で過ごしているうちに、レーラは催してトイレを利用した。のだけれども。
「何でこんなにボタンが……まさか変形でもするんじゃないだろうな……?」
いつだったか土着コミュニティで腰掛式水洗トイレを使ったことがあるけれど、こんな風に便器にスイッチが並んでいなかった。何のためのボタンなのか、さっぱり分からない。
純粋な疑問と憂色の好奇心から、レーラはぽちっとボタンを押してみて――
「ぴぃっ!?」
人生初のウォシュレットを体験し、悲鳴を上げた。生ケツを晒しながら便座から飛び退き、唖然としながら便器を凝視した。長い兎耳が驚愕と衝撃体験にプルプルと震えている。
「? ? ? ? ? ? ?」
意味が分からない。理解できない。便器にこんなテクノロジーが必要な理由を想像できない。
これが宇宙文明の技術なの? 文明存続圏のトイレではこれが当たり前なの?
兎獣人のレーラは思わず宇宙猫みたいな顔になった。
文明社会、怖い。
トイレ一つでこの意味不明さ。なんかもう色々と不安になってきたので、レーラはベッドで眠らず、クローゼットの中に隠れて毛布にくるまった。
姐さん……皆……
レーラは寂しくてちょっぴり泣いた。
で。翌日。
レーラは困惑した。
「……つまり、惑星再生機構の人間になるってこと?」
早々に部屋を訪ねてきたイヌミミの中年女性弁護士ハマーノルドは小さく頷き、法廷用に磨いた美しい発声で語る。
「少し違うわね、ミズ・ペンドロス。正しくは地域市民よ。ここシン・スワトー市やララーリング半島内の領土なら自由に移動できるけれど、惑星再生機構領内の他地域へは移れない」
惑星再生機構はこの星の再建復興を大義名分に掲げているため、難民や流民の救済事業も進めていた(救済事業以上にグレートゲームへ熱心だ)。ただし、保護した難民流民の扱いは非常にシビアで、簡単には『国民』と認めなかった。
これは地球西暦時代の失敗――移民や難民の扱いに散々失敗し、苦しんだ経緯があったし、何よりグレイグー・カタストロフィ後の大混乱時代の記憶が生々しく残っている。
なので、惑星再生機構は蛮地で難民流民を保護しても、簡単には市民として受け入れない。
少なくとも、惑星再生機構が認める身分証や個人証明書などがないと、市民権交付の申請すら出来ない。確かな身元証明が出来ない場合、惑星再生機構の救済事業が行っている市民化教育講習を修了して証明書を得なければならなかった。
諸賢は既に御想像がつくだろう。まず、この市民化教育講習の受講枠自体が狭き門であり、受講の参加資格を得ることがままならない。実際、参加許可を貰うために何年も待っている人間が大勢いた。
たとえば、ここウガリタ大陸ララーリング半島南部にある港湾都市シン・スワトー市は、実質的なゲーテッド・タウンだ。難民や与太者の侵入を許さない。全てを受け容れ、衣食住と職を与える余裕などないのだから、仕方ないと言えば仕方ないことだった。
惑星再生機構の手で再建された古きコロニアル都市の外には、街の豊かさや安全さのおこぼれに与りたい難民や同半島の流民が市民権を猥雑なスラムを形成している。市民権を得られず、バラックの中で貧窮の日々を過ごしていた。
なお、このスラムはあくまで内陸側に限られ、沿岸付近には存在しない。
これは郊外沿岸部に民間軍事会社ブルーグリフォンが大規模な支局を築いており、リスク管理から周辺にスラムが築かれることを厭って、“実力”で排除したためだ。
グレイグー・カタストロフィーで惑星人口が激減し、今も回復していない。人間は重要な国力資源だ。が、その扱いはどこでもシビアだった……
「この言い方は気に入らないかもしれないけれど、貴女がケモライズを強制されて性的搾取された被害者として証明できれば、すぐに講習枠を採れて地域市民になれるわ」
ケモライズ犯罪の犠牲者から身を立て、二つ名持ちの凄腕弁護士になった女傑ハマーノルドは、危険なスカベンジャーという生き方をしてきたレーラの尊厳を傷つけぬよう、思い遣りを見せてから説明した。
何事にも例外があり、その一つがヴォイド・エリア犯罪被害者の救済枠だった。
無法の土地に司直の手は届かない。その現実を利用し、文明喪失圏で悪事を行う連中がいくらでも居た。そうした悪事の被害に遭った現地人を保護救済するため、教育講習へ優先的に参加させる制度があるのだ。
「……あたしは弱くなんかない」
被害者と言われ、端正な細面を不快そうに歪めるレーラへ、ハマーノルド女史は宥めるように言葉を編む。
「分かってるわ、ミズ・ペンドロス。貴女は決して弱くなんかない。危険な無法地帯でスカベンジャーとして生きてきた、タフで強い女よ。でもね、時に弱いことが利益につながることもあるのよ」
「? どういうこと?」レーラは敬愛する“家族”と共に弱肉強食世界で生き残るべく強者であろうと努めてきた。弱いことのメリットが分からない。
「スカベンジャーとして鉄火場を潜ってきた美人アウトローより、酷い目に遭わされながらも蛮地で必死に生き抜いてきた健気な美人ケモの方が、いろいろ厚遇されるってことよ」
ハマーノルド女史は百戦錬磨の不敵な笑みを浮かべる。
「ミズ・ペンドロス。いえ、レーラ。よく聞いて。貴女は今絶好の機会を前にしてるわ。この壊れた世界の中で列強文明国家の市民になれる。たとえ二等扱いの地域市民だってスラムで有害物質塗れの怪しげな粥を啜るような難民暮らしと比べたら、雲泥の差よ。
しかも、貴女は“私達”の支援がある。何年か真面目に良き市民として暮らせば、自由市民に昇格も難しくない。もう銃を手に蛮地を駆けずり回らなくて済む。清潔で便利な街で戦いと無縁の平和な生活を送れるの。利用できるものは何でも利用しなさい。弱者という皮を被ってね」
「……あたしは別にスカベンジャーの生き方が嫌いなわけじゃないよ、ハマーノルドの姐御」
長広舌を聞かされて、レーラが苦い顔で言えば。
「姐御はやめてちょうだい」
くすくすと苦笑いをこぼし、
「市民になっても荒事で生計を立てたいなら軍人という選択肢もあるわ。蛮地で活動したいなら、ブルーグリフォンのような民間軍事会社に勤める手もある。とにかく、これだけは覚えておいて」
ケモの“同胞”であるハマーノルドは若き兎娘の手を取り、真摯に告げた。
「貴女は機会を得た。スラムにいる人々が喉から手が出るほど欲している機会をね」
○
翌日。レーラへ惑星再生機構――精確にはブルーグリフォン法務部が地域市民権交付の条件を提示した。
一つ。半年間の市民化教育を修了すること。
一つ。教育期間内に惑星再生機構が定める法規則に違反しないこと。
一つ。教育期間中、後見人(この場合はHOLが努める)へ定期面談すること。
そして――
ラ・シャンテ市における重要情報獲得作戦に同行し、協力すること。
レーラは受諾した。
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