敵になった日常
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~初めての怪物作り・・・・~
ある日、ワルルンがある技を使わせようとしていた。
『今回は怪物を作るぞ』
「怪物?・・・・あーよくテレビとかで出てたあれか」
『察しがいいな・・・・・その通り、色々な怪物を作り、町を破壊するのだ!そのためにお前が身に付けている力で怪物を作れ』
「えっ?この姿で作れんの?」
『当たり前だ1つしか作れないがそれなりに強い怪物が作れるぞ・・・・・ほら、やれ』
「いややれつってもそもそも俺は悪いことはしたくないし・・・使い方も知らんぞ!」
『うるせぇ!いいからさっさとやれやぁー!!』
「むー・・・・・うるさいな・・・・・・」
そう言って怪物に成りそうなのを探していると・・・・
「うーん・・・・・・・ん?」
目にとどまったのは、トラックが走っていて、女子高校生らしき人が信号を渡って歩いていた・・・・・・・しかし青信号なのにも関わらずトラックのスピードが一向に減らない、しかも女子高校生はスマホに夢中で気づいていない・・・・このままでは女子高校生が引かれてしまう!
そう思った俺はいち早くそのトラックへ向かった。
(ヤバイぞ!あのトラック・・・・ブレーキ踏んでない!)ダッダッ!
全速力でトラックの本へ駆け抜ける。
(よしっ!間に合う!)
トラックまで間に合った俺は早速そのトラックを止める。
(あの技で決めてみよう・・・・)
「殺戮忍法!壱の巻き!『迅速旋風脚』!」ギュゥォォォォォォ!
空中で回り始め、トラックの運転席に強烈な踵落としを決めた。
ドキャァーン!
と音が鳴り、トラックの運転席はへこみ止まった。
「ふぅ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」ポカーン
トラックを止めて着地し、一息ついたあと辺りを見回すと女子高校生がポカーンとしていて、現場を見た人もポカーンとしてる。
(あっやっべ・・・・・どうしようこれ・・・・)
このあとどうしようか考えていると・・・・・・
「そこまでよ!」
「ん?」
そこに現れたのは『魔法少女 エンジェル★プリティー』だった。
「また貴方ね!ここで暴れようなんて思わないで!」
「私たちが来たからには好き勝手にはやらせない!」
「人様に迷惑かけんな!」
といつものメンバーが揃っていた。
そして取り巻きたちも騒ぐ。
「おぉ!エンジェル★プリティーだ!」
「やっぱ生で見ると迫力とかちげぇー!?」
「キャー!エンジェル★プリティーよ!」
エンジェル★プリティーが来たのはむしろ好都合か・・・・・怪物を作るのに試すか・・・・・あっ悪役っぽいこと言っておこ。
「・・・・・来たか・・・・エンジェル★プリティー・・・こうしてまた拙者に会うとは運がいいのか悪いのか・・・・」
「お黙りなさい!理由はどうあれ人のトラックを傷つけた!これ以上悪さするなら容赦ないわ!」
「むははは!折角の晴れ舞台だ!存分に楽しませてもらおう!」バッ!
「!ピンキー、イエローネ!何か仕掛けるわ!」
「殺戮忍法!零の巻き!『物質無視変換』!」ピィー!
俺がそう唱えると、トラックが怪物に変化した。
『グゥゥガァァァァ!』
「あぁ!トラックを!」
(えーこれで怪物つくんのかよ・・・・・)
心の中でそう思った俺・・・・
「やれ!エンジェル★プリティーどもを倒すのだ!」
「くっ!皆行くよ!」
エンジェル★プリティーが怪物を戦っているとき俺はさっき引かれそうな女子高校生(まだ腰を抜かしている)に話しかける。
「ちょっといいすか?」
「えっ?ふぉ!?」
「あー驚かないで・・・・拙者はただ注意しに来ただけだから」
「えっ?注意?」
「そう・・・・・・あのね集中するのは良いけどちゃんと周りのことをみなさい・・・・あのままだとね君引かれてたからね」
「あっ・・・・・はい」
「うん・・・・今度はちゃんと気を付けてね・・・・さてこっちは・・・・」
怪物との戦いを見ると・・・・・
「「「エンジェルライトアップ!」」」
『グゥゥガァァァァ!?』
そこには怪物は浄化された。
「あっもう終わってた」
「さぁ!次は貴方よ!」
「むははは!・・・・・今回は小手調べ・・・・・次はそうはいかんぞ?・・・・・ではサラバ!」ドロンッ!!
そう言って消える。
「あっ!逃げられた・・・・・」
「逃げ足の早いやつだな・・・・」
「でもこれから先気を付けた方がいいわ・・・・なんせ、ピンキーと互角に戦っている・・・・気を付けないと」
「うん・・・・そうだね」
そう意気込んでいる中・・・・一人の女子高校生が何か思う。
「・・・・・・」
▽自宅▼
『まっ今回は初めてにしてはいいな』
「あっそ」
『んだよ・・・・・つまんねーな』
「うるせーなんで俺も悪の道に行かせるんだよ・・・・」
『ノリノリだったくせにか?』
「やめろ・・・・ん?」
スマホで何か見るとそこにはこう書かれていた。
『家に帰ってる途中で忍者のコスプレ?(なんか魔法少女の敵みたいな)にトラックを引かれそうな時助けられた!すっごい足技だった!』
とこのように書かれていた・・・・・・恐らくあの時の女子高校生だろう・・・・・なんか・・・・・
「うれしいな・・・・」ぼそっ
『?なんかいった?』
「!・・・・・別に」
『ふーん・・・・』
俺とワルルンの悪の道は遠い・・・・・
~ときめくエネルギー?~
ある日、ワルルンが何か変な機械を貰った。
「なにこれ?」
『人のときめく心を貯める装置だ』
「人の・・・・・ときめき?」
『まぁ・・・・・簡単に言えば・・・・・憧れやドキドキなど心が高まっていく感じのことだ・・・・・・これを集めるんだ』
「・・・・・・貯めるときにその人たちはどうなるの?」
『基本的にはなにもない』
「えっまじで?なんかデメリット的なやつがあると思った」
『前はあったんだが・・・・今それくらいしかできんかった』
(・・・・・良かった・・・・・)
内心喜んだ。
「ところで・・・・このときめきを集めてどうすんだ?」
『ふっふっふ・・・・・それは秘密だ』
(ぜってぇろくなことではないだろうな・・・・・)
『おら、いいからはよ行ってこい』
「はいはい・・・・・人使い荒いんだから・・・・・」
そう言い、ときめきを探し始める。
だいたい数分後・・・・
「ときめきか・・・・・なんかスポットでもあんのかな・・・・・ん?」
ときめきを集めるために何処かのスポットを探そうとすると、路地裏から見えたのは一人の少年と三人のヤンキーだった。
(・・・・・あれは・・・・勝つあげか?)
そう思い聴くと・・・・
「へっへっへ・・・・・おうちょっと金貸してーや」
「明日には返すからよぉー」
「ヒャッハァァァァア!」
「は・・・・はわわわ・・・・」
・・・・・うん、これ勝つあげだわ。
しょうがない・・・・・見捨てるのは俺が嫌だし・・・・助けるか。
「す・・・・すみません・・・・手持ちが少ないので無理です・・・」
「あぁ!?口答えすんな!」ゴォ!
「ヒィ!」
ヤンキーのリーダーが少年を殴ろうとする・・・・が・・・・・
バシィーン!!
とヤンキーの間に入り込み、少年を後ろにし、ヤンキーの拳を手で受け止めた。
「なっ!?俺の拳を」
「うぅ・・・・えぇ?」
「ふぅん!」バキィ!
「グボォ!?」ヒューン
ヤンキーを蹴って吹っ飛ばした。
「て・・・・てめえ」
「そんに金が欲しいならくれてやるよ・・・・・だが」スッ
俺は百円玉を取り出す。
「地獄という曰く付きが入ってるがな」ピィーン
投げると百円玉が怪物に変化した。
『ヒャヒャヒャヒャ!』
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」ダダダダダ!
突然の出来事にヤンキーたちは逃げ出す。
「あのヤンキーどもを追いかけろ」
『ヒャヒャヒャ!』ドシーンドシーン!
怪物に命令して、ヤンキーを追いかける。
「たっく・・・そんなことをする暇があるならバイトとかしろよ・・・」
(あ・・・・あの人って確か・・・エンジェル★プリティーの敵!?な・・・・なんでここに!?でも僕を助けてくれた・・・・なんで?)
「おい、少年」
「うぇ!?はっはい!」
「ここは危ないからはよ出ていけよ」
「あっはい!分かりました!・・・・・あの」
「ん?」
「な・・・・なんで助けてくれたんですか?・・・・敵なのに」
「・・・・・別に、俺が助けたいと思ったから助けた・・・・・それじゃダメか?」
「っ・・・・」
「敵っつてもよ・・・・こう見えても俺は良心がまだあんだよ・・・・だからよ・・・・・お前、強くなれよ・・・・俺のような敵を庇われないように・・・・・」
と少年に言う。
(か・・・・・・格好いい!!\\\\)キラキラ
めっちゃときめいてる。
「じゃあな」
「あっ待ってください!な・・・・名前は何て言うんですか!」
ピタッと止まる。
「・・・・・名前か・・・・・」
そう言って振り向く。
「ただの・・・・『悪党』だ・・・・・変わった悪党だがな・・・・」
そう言って消える。
(渋格好いい!!!!\\\\\)キラキラ
後日ファンクラブができたらしい。
▽自宅▼
機械をワルルンに渡した。
『なっ!最初で100%達成だと!?すごっ!?』
「まっ・・・・ざっとこんなもんさ」
『ふっふっふ・・・・また一歩世界征服が近づいてきたぜ!・・・・・ところで忍』
「あっなに?どうせろくでもないことなんだろ・・・・」
『俺が助けたいと思ったから助けた』
ピシッ!
その瞬間俺の時間が止まる。
『俺のような敵を庇われないように』
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?\\\\」
『ただの『悪党』だ・・・・』ドヤァ
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!\\\\」
『・・・・よくこんな台詞恥ずかしげもなく言えたな』
「るっせぇ!!\\\\」
顔面が真っ赤っかになった。
・・・・こうして俺の黒歴史が一ページ刻まれた。
・・・・・くっそ死にたい。