67.ゲームのエンディングまとめ
キャサリンは、ダービー子爵親子を送り出して一息ついた。
爆薬やそれに付随する色々な商品の販売について、練りに練った構想を子爵に伝達した。
親子で大人しく聞いてくれたが、その後鋭い質問が親子両方から次々と放たれた。
疲れてしまったが、それだけ向こうも真剣だったわけだ。
安心して任せられそうな実感を持つことが出来た。
ただ、息子のサナンダは、仕事以外の話でやたら絡んできた。
キャサリンの好きな食べ物は何かとか、またここに来て良いかなど、とにかくしつこかった。
(エドワードもそうだったけど、ゲームの中では描かれないような思わせぶりな態度を取ってくるわね。
ゲームをしていなかったら、私の事を好きなのかしらとか勘違いしてしまうわ。
ゲーム内のキャサリンも、そうやって騙されて悪役令嬢とか悪評を流されたのね。
気を付けないと)
※ゲームの中では、サナンダは思わせぶりな態度はとっていない。
さっきまでのように、キャサリンの一挙手一投足を見つめたり、彼女に話しかけられただけで頬を赤く染めたりするようなことは無かった。
だが、彼女は「それはゲーム内では表現されなかっただけ」と思い込んだようだ。
そういう訳で、大部揃ってきたゲーム世界のキャラを整理して、今後の進め方についてまとめてみた。
この世界には、インターネットも攻略サイトも無い。
自分で、ゲームの中でのキャラクターを思い出しながら整理していく。
まず、キャサリンと婚約しているエドワード。
彼は、ゲームの主人公クララのことが大好きになるが、婚約者のキャサリンが邪魔になる。
家のつながりから婚約解消できない上に、キャサリン自身もまとわりついてくるので、決戦のドサクサに紛れて、キャサリンの命を奪う。
主人公が彼の一途な愛に心を打たれて、彼のプロポーズを受けるのが、エドワードエンド。
普通にゲームを進めると、ほぼ間違いなくこのエンディングを迎える。
ゲームをしている時は、美形キャラのエドワードが主人公と添い遂げるために葛藤しながらも、意地悪に邪魔をするキャサリンを排除して自分の方に向かってきてくれることが、感動的だった。
だが、キャサリンの立場に立ってみれば、婚約者を殺す非情の皇子だ。
ゲームでは描かれなかったが、美しい顔で爽やかにキャサリンに愛をささやいてくる。
こんな風に接していた人を殺すなんて、信じられない。
出来れば魔法学園入学前に、遅くとも2年生のうちに婚約を解消してしまいたいと考えている。
※ゲームの中では、キャサリンはエドワードに嫌われているのに、まとわりつく。
それが嫌で、エドワードはますます、キャサリンを邪険に扱っていた。
愛をささやくことは描かれてなかったのではなく、実際に無かったようだ。
そして、遠い領地に赴任して行ったゲオルグ。
ゲームの中のキャサリンは、エドワードと婚約しているにも拘らず、彼にも色目を使う。
主人公クララが、ゲオルグの好感度が上がるように行動すれば、彼は意地悪で腹黒いキャサリンが皇室との繋がりを持てないようにと考えて、戦いに紛れて弟の婚約者キャサリンを処分する。
そして、主人公にプロポーズする。
この場合、エドワードと二人同時にプロポーズしてくるが、ゲオルグを選べばゲオルグエンドとなる。
マルチエンディングを経験した人は、この2つのエンディング以外を見ようとすると結構苦戦する。
キャサリンとしては、この二人のどちらかが彼女の命を奪うので、ゲオルグが彼女の前から姿を消したことは、願っても無いことだった。
たどり着きにくいエンディングその1は、ファビオ エンドだ。
彼は帝国騎士団の団長で、プレイボーイだ。
ゲームでは、出会いのチャンスは一度しかない。
収穫祭で、騎士団の行進の前に小さな子供が飛び出す。
馬に轢かれる前に、主人公クララは身を挺してその子を守る。
騎士団の行進の邪魔をしたという事で、逮捕されそうになるが、団長のファビオが、
「騎士団が、守るべき市民を殺してしまう所だった。
君のお陰で、騎士団の大きな失敗を防ぐことが出来た。
ありがとう。お嬢さんのお名前は?」
と、感謝の意を表するが、クララは名乗らずにその場を去る。
皇室主催のパーティーで再会したファビオは、クララの名前を知り、その控えめな性格に惚れ込んで、猛アタックを繰り返す。
そして、最後は皇子二人を差し置いて主人公をモノにするのだ。
彼は、特にキャサリンを害することは無い。
しかし、戦闘パートで彼を引き入れた場合のクララ軍は、とても強くなる。
ただ、実際の猛アタックはキャサリンの護衛のソフィアが浴びている。
このまま行けば、クララの仲間にはならないだろう。
たどり着きにくいエンディングその2は、サナンダ エンドだ。
ゲームの中でのサナンダは、キャサリンを嫌っているが、表面上は取り繕う。
主人公は、彼の好感度を一定以上に上げておけば、要所要所でキャサリンの邪魔をする。
他のエンディングへの手助けをしてくれる。
彼とのエンディングを迎えるためには、図書館で彼に出会い、本の情報を交換しながら、他のキャラとの好感度上昇を最小限に抑えないといけない。
他のキャラとの好感度が上がらずに、彼の好感度だけが高い場合のみ、サナンダはラストでプロポーズしてくる。
サナンダエンドでは、キャサリンは死なないが、家が没落する。
とにかく、悪意をもって彼女の妨害をしてくるこの男には、近付かない方が良いとキャサリンは考えた。
ただ、今回出会ってしまった。
しかも、商売の関係で彼の父親とは上手くやっていかないといけない。
警戒しつつ、最小限で付き合っていくことにした。
公式のエンディング、いわゆる表エンディングの最後の一人は、パトリック・ンドゥールとのエンディングになる。
彼は、帝国のはるか南の国に住む褐色の肌のアスリートだが、魔法を使った競技を極めるために、魔法学園に留学してくる。
主人公クララが、スポーツ選手を志した場合にのみ彼との関係が出来る。
当然、運動が苦手なキャサリンとは接触することも無い。
入学前の今の所、会うことも無いだろう。
その他に、5人全員からプロポーズされる逆ハーレムエンドや、悪役令嬢キャサリンといけない関係になってしまう百合エンドなどもある。
百合エンドでは、当然キャサリンは無事らしい。
実は、さくらはこのエンディングを見ていないので、うわさでしか知らない。
キャサリンと言うか、明神さくらは、百合エンド以外は全制覇した。
クララといけない関係にはなりたくないが、生きながらえるためには百合エンドを狙う事も考えないといけないのだろうか?
キャサリンは、困ってしまった。
次回更新は、いつも通りに10月22日(木)15時の予定です。
ぜひ、読んで下さいね。




