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ばくやく令嬢しか勝たん  作者: 御堂 騎士
第3章 ばくやく令嬢 主人公との恋の駆け引きは爆破不能?
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36.様々な参加者

 司会のファビオに続いて、キャサリンの対面に座ったエドワードが自己紹介する。


「俺は、皇帝陛下の7男坊でエドワードだ。

 このような勉強会に呼んでもらえて、光栄に思っている。

 将来は、ファビオさんのいる帝国騎士団に入るのが目標だ。

 帝国騎士団が圧倒的に強ければ、戦争は起きない。

 だから、俺は平和のためにも強くありたいと願っている」


 力強い宣言に、自然に拍手が起こる。


(やっぱり、エリート美形のエドワード様には俺様キャラが似合うわ。

 力による平和っていう考え方も、エドワード様らしいわ)




 エドワードの隣に座っているゲオルグが、立ち上がって自己紹介を始める。

「僕は皇帝陛下の6男で、ゲオルグです。

 この勉強会に参加できて、本当に嬉しく思っています。

 僕は、色々な楽器を演奏するのが得意です。

 音楽が自由に演奏できるのは平和な世の中あってこそなので、それに少しでも貢献出来たら幸せに思います」


 ゲオルグは、拍手に答えるように手を上げて、腰を下ろした。


(ゲオルグ様は、いやし系ですわ。

 ゲオルグ様が笑顔で音楽を楽しめる世界が、続いて欲しいものですわ)

 続いて、ファルマイト公国以外の3つの公国から来た次男坊、3男坊が自己紹介した。


※ナードハート帝国の南北を守る4つの公国は、以下の通り。

 都度、出来るだけ記述するようにするので、覚える必要は無いはずです。

 帝国の南側、キャサリンのいるファルマイト公国

 その東隣がモロイン公国

 北部を占めるノルド公国、アン夫人の母国

 その西に隣接したリエリー公国は、ヴェンデリンの母の母国




 いよいよ、キャサリンが密かに注目しているハイデルベルク伯爵の4男オットーだ。

「ぼ、僕はオットー・ハイデルベルクです。

 あの、すごい勉強会に呼んでいただけて、すごく緊張しています。

 皆さんの迷惑にならないように、頑張ります」


 ハイデルベルク伯爵は、やり手で有名なのだが、彼は少し気が小さいようだ。

 痩せていて、オドオドした態度のせいで、ひどく弱々しく見えた。


(主人公クララが伯爵家の娘になったら、この人が主人公の兄になるので注目していたけど、余りケアしなくて良さそうね。

 ゲームにも出てこなかったし。

 もしこの人と結婚したら主人公と姉妹になってしまう訳だから、カッコ良くても惚れないように気を付けるつもりだったけど、その心配は無さそうね)


 キャサリンは辛辣な感想を胸に秘めていたが、オットーと目が合うとニッコリ笑って会釈した。

 オットーは嬉しくなったが、ますます緊張してしまった。



 さて、自己紹介はキャサリンの隣の男爵令嬢の番が来た。


 一目見た時から、キャサリンは少し警戒していた。


 見た目、完全ギャルだったからだ。

 顔立ちは、通った鼻筋に切れ長の目、大きな口と派手な作りだ。

 褐色の肌に茶髪。

 ギャルメイクの派手な化粧に、すごいマスカラ。

 地毛というか、地まつ毛なのだろうか?


 ジャラジャラとアクセサリーを付けまくっている。

 異世界にも、こんなギャルがいるとは。


「わだし、帝国の西の方から来ますた。

 ウッドフォード男爵家の長女、エリザベスです。

 リズって呼んでケロ。

 こんな身分の高い人たちに混じって、高尚なお話が出来るなんて夢のようです。

 見た目の通り、地味な田舎ものなので色々教えてください」


(ええっ? この見た目は、地味なの? 田舎ものなの?

 目が紫なのは、元々なの? カラコンなの?

 いや、さすがにカラコンがあるはず無いか。

 言葉もなまって聞こえるんだけど、私達が今使っている言葉って本当は日本語じゃないわよね。

 血の色は『赤』なんだけど、『あか』とか『アカ』じゃ無いみたいに、言葉に微妙な違和感があるのよね。

 イギリス人がアメリカ人の英語を聞いたら、こんな風に聞こえるのかしら?

 この異世界、あなどれないわ)


※カラコン

 カラーコンタクトレンズの略称。

 瞳の色を変えられる。

 もちろん、この世界にはコンタクトレンズ自体が無い。



 最後に、キャサリンの自己紹介になった。

「ファルマイト公国から来た、ノーベル公爵の長女キャサリンです。

 今後爆薬は、我が公国の主産業になっていくと思います。

 爆薬が平和的に利用されるように、一生懸命取り組んでいく所存です。

 斧や包丁は人を傷つけることも出来ますが、本来は仕事をするための道具です。

 爆薬も人の役に立つ道具として活用できるよう、皆さま是非知恵をお貸し下さい」


 無難にまとめたが、キャサリンの人気ゆえか今までで一番盛大な拍手をもらった。

 男子に個人的に話をするのは苦手だったが、前世の経験でプレゼンは得意なのだ。




 自己紹介が終わって少しざわつき始めた中、ファビオ団長が力強く話し始める。


「さて、みんな大きな志を持ってこの場に来てくれたわけだが、実のある議論をして得た成果を、領地で広めてくれることを期待している。

 オットー・ハイデルベルク君。

 なぜ人間ヒューマンの作った帝国が、この世界の主要な場所をほとんど掌握しょうあく出来ているか、分かるかな?」


 帝都には、エルフやドワーフのような亜人も住んでいるが、ほとんどの住人が人間ヒューマンだ。

 そして、帝都では貴族は人間ヒューマンしかいない。

 帝国は、人間ヒューマンが造ったと言っても過言では無いだろう。



 騎士団長から急に質問されたオットーは、ドギマギしながら答える。

「そ、それは、人間ヒューマンが、他種族に比べて優秀だったからでは無いでしょうか?」


「ハハハハハ、まあ貴族の子女に聞いた場合のスタンダードな答えだな」


 ファビオは、ひとしきり笑った後に言葉を続けた。

「頭はエルフの方が良いし、力はオークの方が強い、鳥やドラゴンのように空を飛ぶことも出来ない。

 それでも優秀と言えるのかな?」



 さらにツッコミを受けて考え込むオットーに代わって、エドワードが答える。

「個々の力では負けても、集団では強さを出せるからでしょう」


「そうだな。

 人間ヒューマンは突出した力はないけど、役割分担をして集団では強さを発揮する。

 そして、これから俺たちがやるように、知恵を出し合って問題点を解決してきた。

 ただ、課題解決のためには前提条件をしっかり把握することが大切だ。

 ダイナマイトを平和的に使うっていうのは、どうやるんだ?」


 これには、キャサリンが答えた。

「地形を変えて、輸送効率を上げるために使いますわ。

 車輪の付いた運搬車が通る平らな道を作るためには、ぜひとも必要なものです。

 障害物をどけるにも、有用ですし」


「障害物を爆薬でどけるのは、実践しているよな。

 皇帝陛下の息子の部屋も障害物だったのかな?」

 モロイン公国の3男坊が、チャチャを入れた。


 キャサリンは悪意を感じて、戸惑ってしまった。

(いい感じのイケメンだと思っていたのに。

 人を馬鹿にしたような発言をするなんて)


 ウウーッ

 目に泪を溜めて、にらむことしかできなかった。


「正確には、部屋じゃ無くて部屋のドアだったからね。

 ヴェンデリンは、キャサリンちゃんが居なかったら飢え死にしていたかも知れないんだ。

 爆破っていう行為だけ見れば乱暴に見えるけどね。

 人の命を助けることに使われた実例だよね」

 ゲオルグが、しっかりフォローしてくれた。


(さすがゲオルグ様。

 ますます好きになってしまいましたわ)


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