コーン達が繰り広げるルポルタージュ、略してコーンポタージュ
金属がこじ開けられる音とともに、暗い暗室に光が差し込まれた。
「──ようやくお目覚めか、ベイビー」
色が宿った世界には、黄色い同士達がぎっしりと詰まっていた。
「ああ。そのようだ。俺はジョン。あんたは?」
「俺はコーネル。言葉が通じるのは、どうやら俺たちだけらしい」
「──!!」
「──!?」
肌の色は同じだが、言葉が違う。そんな黄色い姿の軍団がひしめく容器の中に二本の大木が突っ込んできた。
「なっ、なんだ!?」
「大佐! 一体何が!?」
ジョンはわけもわからず大声で叫んだが、状況が呑み込めていないのは大佐も同じようだった。
「こちら大佐! 状況はどうなっている!? どうぞ」
「わかりません……ぐああああ!」
恐ろしいことに、次々と仲間たちが二本の大木によって煮えたぎる怪しい色の熱湯に落とされているのが大佐には分かった。
「ジョン! ……くそっ」
言葉が通じる唯一の相手が、地獄へ落ちていってしまった。
「俺には生き別れた兄弟たちがいるんだ! 奴らに再びあいまみえるまで……朽ち果てるわけには……あっ」
孤軍奮闘虚しく、最後の生き残りとなったコーネルの体は大木に挟まれ軽々と持ち上げられてしまった。
「ここまでか……」
諦めとともに辺りを見回す。
「ここは……」
座る巨人。待つ巨人。食事をする巨人。
そして。
「兄さん……?」
「弟……?」
別の容器の中から、数十粒の、生き別れた兄弟たちがひしめいていた。
「最後に遭えて……良かった」
ぽちゃん。
コーネルが発した、最後の音であった。