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遥か彼方の放浪者 ~The one chosen   作者: Fuyu
第三章
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どっちを応援

戦う二人の様子は校舎から見ていた数人の生徒も注目していた。


その中にはミドルオレンジの制服を身にまとうミツザワもいる。


特にミツザワは二人の戦いを非常に興味深そうに眺めていた。


「っということでミツザワさん。こんにちは」


2階校舎の渡り廊下の手すりの下から学園の情報を提供する


情報部ソレアが顔を出す。


「いっいつからいたんだ」


予想外からの出現にミツザワは驚きを隠せない。


「何を言ってるんですか。わたしは記事になりそうなことなら


どこだって現れる神出鬼没の愛らしい女生徒ですよ」


校舎に上りグッと親指出した。


「それで君は今の戦いをどこまで見ていたんだ」


「そうですね。皆さんが爽やかな汗を流している所ですかね」


「それもう授業の途中からいたということか


ミドルオレンジの上級生は」


ミツザワは頭を抑える。


「選択科目で受けたい授業をチョイスできますからね


まぁほとんど受けていませんけど」


「クラス上がる気はないのか」


「なーいです。上がらなくても卒業はできるので」


二へラと笑いながら手を振るソレア。


「不真面目だ」


「それはそうと話を戻しますけど相棒のリクトリさんが


ゲーム形式で戦っていますがどうみますか」


「……多分放浪人の動きからしてあいつの得意な一回勝負だな」


「ほうほう。といいますと」


「よくあいつが勝ちにこだわる時そのルールで挑んでくるんだ


俺もなんどかそれで手合わせしたことがある」


ミツザワはよく一緒に旅をしていた時何度か挑まれたことを思い出す。


「あいつは魔法や魔術はそれほどでもないが瞬発力と柔軟な動きは


見事なものだ攻撃にさほど威力こそないものの相手の懐に


一発決めるのは朝飯前さ」


「なるほどーそれでミツザワさんの時はどっちが勝ったのですか?」


「……俺とあいつとは昔からの付き合いだからな。何度か一緒に討伐


クエストもこなしてある程度動きが把握できているから


幾度となくピンチにはなったが負けたことはなかった


だが今戦っている奴は恐らくリクトリの戦い方を見たのは


はじめてのはずだ」


「ということはあの6番の人が勝てる可能性は低いと


ということは、このバンドの画像は期待の新人敗北っという


記事の吹き出しがつきそうですね。まぁそれはそれで


一部のファンがつきそうですけど」


ソレアは先ほど撮ったのかリクトリの猛攻を必死に


食い止めている画像に文字を入れる枠を作った。


しかしミツザワは何か期待しているのか真剣に二人の戦いを見ている


「それにしても随分と真剣にみているのですね。


やはりコンビの相方としては気になるところですか」


「それも、そうだが。だがあの6番が俺の思っている男なら


きっとなんとかするんじゃないかと思ってな」


「ふーむ。それでは相方が負けてしまいますが」


「そうだな。だがリクトリはそれぐらいで心が折れる


弱い男じゃない何度も何度も俺に挑戦してきた。


むしろ負けた方があいつはますます強くなると期待している」


「おお、いい言葉ですね。その言葉記事に掲載しても」


「別に構わない。それにこのままだと俺の言葉を使う


必要はないと思うけど」


ミツザワは目を閉じため息をついた。


ソレアはチラリとそれを横に見るも二人の戦いを観察した。


状況は未だに放浪人の防戦一方。リクトリも調子よく攻撃を


続けている。


「あれ…」


するとソレアがあることに気付くと楽しそうにバンドを


操作して先ほどの敗北という文字を消した。


「そうですかね。どうやらあなたの思っていた通りになりそうですよ」


「なんだと」


ソレアの言葉にミツザワは顔を上げもう一度二人を見た。


----


攻撃を嵐は一回中断しリクトリは放浪人と距離を置いた。


連続攻撃で消耗したのか肩を揺らす。


「はぁ、はぁ。おまえやるじゃん。俺の猛攻をかする


程度ですませるなんてな」


リクトリは手で汗を拭い一呼吸。


「確かにその動きは凄まじいが体力をかなり消耗するみたいだな」


放浪人はニヤリと笑う。その二人の様子に見入るパープルレッドの生徒達


「ゆ、ユオちゃん。この戦いどっちが勝つんだろう」


「難しい質問しないでよアムー。私だってわからないんだからさー


うーんリックが優勢に見えるけど体力を消耗してるし


ホーロにワンちゃんある感じかな」


「でも放浪人さんもだんだん回避できなくなってきてるのを見ると


もしかして同じくらい消耗してるのかな」


そう涼しい顔をしているも放浪人も予想外の連続攻撃の応酬に


かなりの体力を消耗していた。


「いずれにしてももう決着つきそうだね」


二人は戦いを見守る。


「強がるなよー。お互い余裕はないはずだぜ。それに


俺の方が優勢にはかわらないんだからよ」


「ああ。このまま防戦一方だったら俺は多分つらいが」


すると放浪人は身を屈め足に力を込める。


「今度は俺が攻める!」


そう言うと再び放浪人は拳を引きリクトリに突っ込んでいく。


「へっ攻められるのが不利だから攻めるって単純じゃん」


リクトリはいつでも動けるように放浪人の拳を注視する。


「はぁぁ!」放浪人が気をためた拳を伸ばす動きを確認すると


リクトリはすかさず足で地面を蹴りカウンターを決めようとした。


「よっしゃ!もらった」


「今だ!」そういうと放浪人はグッと足を止めその場で倒れ始めた。


「なんだと!」


突然視界から消える放浪人にリクトリは驚いた。


放浪人は体を反らし地面に手をつけると手に力をいれ


まわし蹴りを繰り出した。


「こっこいつ俺の動きを…パクりやがった!?だがしょせんは付け焼刃!」


リクトリは放浪人の蹴りをかすめながらギリギリでかわす。


そして放浪人に隙ができる。


「よっしゃ!俺のかちだ!」


そのまま足で地面を蹴り放浪人の背中に目掛けて拳を放った。


「いや。俺の勝ちだ!」すると放浪人は手を放し地面に体をこすりつけ


回転するともう一度蹴りを回転蹴りを放つ。


予想外の速さに咄嗟に砂ぼこりを放ちながら空中に飛ぶ


リクトリ。


「うおお。なんちゅう動きを…はっ」


砂ぼこりで放浪人の動きが一瞬だけ見えなくなる。


そしてその一瞬が勝負を分けた


砂ぼこりで見えなくなった視界に突然飛び込んできた手!


「これできまりだぁ!」


それは放浪人の右手!


がしいいっと掴むとそのままの勢いで地面に叩きつけられ…!


「どっどうなった」「砂ぼこりでよく見えない」


「どっちだ!どっちなんだ」「決まったか!?」


観戦していた生徒も立ち上がり二人の様子を窺っていた。


「どけおまえら!」


今まで影が薄かったクロンガが立ち上がり大きな扇をとりだすと


すごい勢いで一振り振った。


すると砂ぼこりは一瞬ですっ飛んでいく。


そして一気に視界が晴れていく。


「これで煙は晴れたはずだ。何たいしたことはない」


皆に驚かれると予想したのかクロンガは腕を組み


照れくさそうに立つ。


「結果はどうなった」「勝ったのはどっちだ!」


しかし残念ながらすごいことをしたのに注目されない。


クロンガかなしい男。そして姿を現したのは


「あの6番!リクトリの顔面を掴んでいるぞ」


「リクトリは何もできずに手は地面についているということは」


生徒は顔を見合わせる。


「勝ったのは6番だ!」


パープルレッドの生徒は嬉しそうな顔をした。


「おお。あの6番見事に勝利しましたね。それにしても


いい戦いでしたよ。いやいい話題!ごちそうさま!」


ソレアは手を放浪人たちに向けながら興奮気味に


バンドのレンズのシャッタを鳴らす。


「まさか。あいつに勝つなんてな」


「さてどう思います。相方が負けてしましましたが」


ミツザワにソレアはマイクを向ける。


「そうだな。今回俺にとっていい日だ。お互いの動きを


確認できたし。今後リクトリももっと伸びるだろうな


そして」


やはりあいつは俺の良きライバルになる。そう確信するミツザワだった。

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