出会い!放浪人とサーナ
「あんたなんなの」
寒雷の魔女は目の前にいる自分が作った水を浴びるように飲む男に問う。
「なんだ」
手を止めて怪訝な顔をする男に
「あれ」といいながら寒雷の魔女は少し離れた場所を指さす。
そこには先ほど絡んできた男二人がボロボロに重なり倒れていた。
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少し前
突っ込んできた男は流れるようにゴリダルとヒョロガリに絡まれた。
「おいおい兄ちゃんよ。ここを通りたくば」
「ヒヒヒ俺たちに通行料払わないとな」
先ほどの寒雷の魔女に絡んできた時よりかなりどすの効いた声で
ヒョロとゴリダルの二人と先ほど現れた謎の男が対峙していた。
「・・・・・・」
二人の問いに男は何も答えずただひたすらある場所をじっと見ていた。
寒雷の魔女…いや肩に乗っている鳥を
「いやぁーテヘヘ」
目が合った寒雷の魔女は自分に対して熱い視線を
送ってると勘違いしちょっと照れた。
「おいおい兄ちゃんよーこのナイフが見えねえのかぁ
人が優しく言っているうちにさっさということ聞いた方がいいぜー」
自分が無視されたことに対して腹がたったのか
ヒョロが右手にナイフを持ち遊びながら男に近づいていく。
男はヒョロをにらみ
「おまえら食糧持ってるか?」
と訪ねるととヒョロガリは
「おまえ面白いなーヒャヒャヒャヒャ」
天を仰ぎ大笑いした後
「なめている奴は動物みたいに痛い目みないとわかんないみたいだなぁ」
急に真顔になると同時にナイフを固くにぎりしめ腕を振り上げ男に切りかかった。
「危ない」
寒雷の魔女は助けに入ろうにも間に合わず
ヒョロは男に向かって振りぬいたナイフが男に刺さって…ない!
男はナイフを左手の人差し指と中指でナイフを止めていた。
----ジャパニーズ白刃取り!---
「なっなんだおまえ!何故俺のナイフを…」
「質問に答えろ。持ってるか持ってないのか聞いている」
ヒョロは足を踏ん張りナイフを押し男を刺そうと奮闘するも
ナイフは二本の指からピクリとも動かない
「てってめえ俺達に逆らってタダで…いてててて」
男はナイフを握っているヒョロの右手をねじると
ヒョロは苦悶の表情を浮かべ苦しみ始めた。
「もってる!もってる!ていうかこんな砂漠で普通、持ってない奴いるわけないだろ!」
「…ならば!力ずくで貴様らから奪うまで!」
そういい男はヒョロを引っ張り自分の近くまで引き寄せると
右手の拳を握りしめ腕を振り体重をのせた拳の一撃でヒョロの顔面を殴った!
「どひひぃぃ」
鼻血を流しながらゴリダルの足元まで吹っ飛んで気絶した。
ゴリダルはヒョロの姿をみて驚愕する。
「てめえ、まさかモンクか!なかなかやるじゃねえか」
「なんだ!まだ文句があるのかお前!」
「よくわかったな。へへ俺様も元モンクだ!負けるはずかねえ」
「なら!お前も倒す」
男とゴリダルの会話を聞きながら
寒雷の魔女はこう思う、話かみあってなくないっと
ゴリダルは両手にメリケンを深く入れ
「うおお喰らえ!岩を砕く時速200キロのパンチ!」
太い腕を振り上げながら彼めがけて突撃する。
「はああああああ!」
男は腕を引き身を屈め足で砂漠の地を深く踏む!
そして地面を蹴った。
その瞬間男は猛スピードで腕を振り上げているゴリダルの懐に入った!
「もらった!」
「な!なあにいいい!」
男は右手でゴリダルの腹部を殴りあげる。
すると男の右手はゴリダルの腹部に深くめり込みゴリゴリの巨体持ち上げた。
「なんてスピードそしてパワァーだ!俺の体を片手で持ち上げるなんて」
驚愕するゴリダル。
「やるわね。モンクのスキルがかなり高いのかしら」
寒雷の魔女は感心。
「フフフフフ!これが奴の数年の修行の成果」
耳元の声に寒雷の魔女が驚いて鳥の方を見るも
鳥はシレっとした態度で留まっている。
(今この鳥しゃべったような)
ドオンと音と振動に驚いた寒雷の魔女は慌てて目を向けると
砂ぼこりが舞い上がる中でヒョロの上にゴリダルが重くのしかかるように倒れていた。
謎の男は息を整えるとフラフラとした足取りで寒雷の魔女に近づいてきた。
「今度はわたし!」
気づいた寒雷の魔女は慌てて身構えるも男は目の前で倒れこんだ。
「えっちょっと一体なに?」
突然のことで驚き倒れた男を見下ろすと男は這いつくばりながら
寒雷の魔女に近づきながらこういった。
「み、水」
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それから仕方なく成り行きで現在に至る。
寒雷の魔女の説明を聞いても男は首をかしげるばかり
「よく覚えてない」
「よく覚えてないってあんた」
「それよりもうなくなったんだが」
男はカラになったコップを逆さにし水があるか確認していた。
寒雷の魔女はため息をついて水筒を取り出し水をコップに追加と。
「助かる」
軽く礼をして再び水を飲む男。
寒雷の魔女は男を観察する。
少し長い黒い髪に茶色い瞳、黒いTシャツに
半袖のデニムのシャツに黒いジーンズ。
暑苦しさこの上ない格好。
それより寒雷の魔女が真っ先に目がついた所があるそれは
(顔いいわね…)
好みだったみたいだ。
ハッとなった魔女は首を振り
色々気になるけど今はかまっている場合じゃない、と考え立ち上がった。
「もういいでしょ。じゃわたし行くから」
そう言い荷物を持ち男の前から立ち去ることに
クールに立ち去った寒雷の魔女だが男が彼女の後ろを付いてくる。
ある程度無視した彼女だが同じ歩行速度。止まると止まる感じに我慢できなくなり
「なに」っと不機嫌そうに振り返る。
「町に行くんだろ」
「そうだけど」
「道がわからないんだ。ついていっていいか」
「ええ。あんた迷子だったの」
「…うるさい」
彼女は考えた
本当にこの男と行動を共にしてよいのかと
とりあえず自分に対して被害をくわえるつもりがないことはわかる。
先ほど絡まれた盗賊を倒したことを考えると役に立つかもしれない
寒雷の魔女はため息をつき
「わかったわよ。ついてきてもていうか後ろじゃなくて隣に歩いてよ。流石に気味悪いから」
「わかった」
男は寒雷の魔女の隣に歩いてきた。
「ちょっと近い!もう少し離れてよ」
文句を言われしかめっ面をする男だが
とりあえずいう通りに少し間を開けた。
「そういえばあんた名前なんて言うの。わたしはサーナ、サーナ・ナチェスよ
ここらじゃ自慢じゃないけど寒雷の魔女と呼ばれているわ」
サーナは男に自慢混じり自己紹介をする。
「俺は……」
男は答えようとするも口ごもった。
名前を決めていなかったのか!思いつかなかったのか
答えない男にサーナは問い詰める。
「なによ。こっちが教えたのにあんたは教えないわけ」
「いや、そうじゃない。なんて言うか出てこないんだ」
「出てこないってどういうことよ…まさかあんた記憶喪失なの?」
「まあそんな感じだ」
男は頭を押さえるとしばらく黙る。
まるで名前作成に悩んでいるみたいに
「本当覚えてないみたいね。じゃあ適当に私がつけようかな」
少女がつぶやいたとき鳥は羽をばたつかせ
「放浪人!放浪人!放浪人だ貴様は」
サーナの肩に乗っている鳥が鳴く。
「ほうろうじん…そうねあんたのことは放浪人って呼ぶわ」
サーナは悩む男を指さした。
「なんだと!いや俺の名前は……。……。……」
「全然覚えてないじゃない。だったら私ので決定ね。鳥ちゃんもそう言ってたし」
おめでとう男は放浪人になった。テレテれてっててー
「ちょっまてよ!」
「何?ホウロウ」
「ウヌゥ」
自分の名前?を笑顔で女の子に言われ放浪人は諦めた様子
「じゃあ改めてよろしくね放浪人」
放浪人はため息をつくと「ああ」と短く返事を返した。
「ところでその鳥くれないか」
「ダメこれは今日から私のペットよ」
サーナと放浪人は長く舗装された砂漠の道を歩んでいく
道の先にある町を目指しながら




