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死んでも私は生き返る  作者: ファイル
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08話 死んでもダンジョンに潜りたい

ダンジョンとは

入る度に地形の変わる場所でお宝が眠るといわれる

深いダンジョンだとボスも発見されているらしい


地形が変わるというのは合計階層は同じでもその一層ずつは全く違う地図が出来るという

また、ダンジョン事に特徴があり人口の洞窟があれば水浸しのダンジョンもあり

森があれば川もある

まるで別の世界のようだと皆が言う


ま、多くが洞窟らしいけど


冒険者には特殊なカードをギルドから渡される

そのカードでパーティを登録すればダンジョンに入る時に離れることは無く、かざせばダンジョンの入口に戻れる

その階層の地図まで作ってくれるという


魔法の力ってすごいっ


ダンジョンに入るなら冒険者になるべきというものだ


ダンジョンには宝箱があり

魔法の効果がかかっているアイテムが入っていたり宝石が入っていたりするらしい


一獲千金を夢見て今日も多くの冒険者達がダンジョンに潜っていくのだ...



「お、待ったか?」

ギルドと酒場の入口で待っているとリンドが声をかけてきた、後ろからミホも着いてきている

「おはよう、少しだけ待った」

「わりぃわりぃ...ってセーラは装備そんだけなのか?」


リンドの装備は初心者御用達の皮装備に鉄の胸当て

ミホは皮装備の上から少しボロいコート...マント?を着ている


「あぁ...ダメだろうか」

私は昨日と変わらずシャツにズボン、薄茶ローブだ


初心者御用達の皮装備は安いセットの割に肘や膝のところが分厚くなっていたりと良心的な装備なのだ


まぁとても動きづらいらしいが


全部ネアから聞いた話だが


「いやー、俺らも初心者だから人に言えるほどじゃねーけどよ、武器は?」

「あー、あっ、無いな」


私武器持ってないな

昨日は火の玉ぶつけて終わりだったからな


「無いのか、無いのかよっ!」

リンドのテンションがおかしなことになっている


ミホもワタワタしている


「む、すぐ買おう」

ギルドの近くには武器屋がある

そこで直ぐに買い揃えることにしよう


「あー、じゃあ俺らも少し見てくか」

「そうだね」


3人で武器屋に入る

日の出からはだいぶ経っているが昼まではまだまだというぐらいだ


「おーいらっしゃい」


ズラっと並ぶ武器たち

「多いな...」

「お嬢さんの武器かい?」

「あぁ、ふむ...そうだな、私は火の魔法が使える、力にはあまり自信はない、何かオススメはあるだろうか」


リンド達は店の中にある武器を見ている、別に後でバレるから構わないのだろうが店主の所まで行き大きくない声で喋ったのはやはりどこかで警戒しているのだろうか


「魔法使いなら杖をオススメするが、なんだ?振り回したいのか?」


私の目線が壁に飾ってあるとてもでかい剣に注がれていたのを見て店主が聞いてくる


「...少しだけ」


「なら、こいつなんてどうだい」

そう言って店主が手に取ったのは見ていた大剣の持ち手程しかない剣だった

いわゆる短剣、ダガーなのだが

「小さい...」

「ハッハッハ!まぁそう言うな、この剣に比べちゃ全部小さいわいっ!」


「おっセーラ決めてたのか?」

「どんなのですか?」

2人が近づいてくる

小さいとは言ったがいざ持ってみると手に馴染むような感覚になる


この店主見る目あるな


「これにするよ」

「おうよ、毎度っ!」

他のに比べると少しだけ装飾もされており可愛く見えてきた


「後は防具か?」

「あー、今ので金を使い果たした、無しでいい」

今朝部屋から出た時にマスターが昨日の分だと渡してくれたお金だがこの短剣でほとんど使ってしまった


「いいって言うなら行くけど...無茶すんなよ?」

「あぁ、心がけておこう」

「じゃ、しゅっぱーつ!」


3人で街の門へ向かう

依頼ではないので出入りの記録だけされて街の外に出る


外に出たので短剣を素振りしているのだが


「ほんとに手に馴染む...」


「これ魔法剣ですかね?」

ミホが歩調を合わせて隣に来る

リンドは少し先行して警戒してくれている


「魔法剣?」

「知らないですか?ダンジョン産で最近研究が進んだ武器らしいですよ、魔法が使いやすくなるみたいです」


魔法が使いやすくなる武器というのは使いやすくする構造が必要あるため剣とは合わせづらい、そのため杖等の形状になるのだが


「魔法を使えないのに魔法剣を使っている人が今まで多くて一気に売りに出されたらしいですね」


それも受付嬢の言っていた事件とやらだろうか


「魔物だっ!」

リンドが大声を出す


リンドの先にはオオカミが2匹

「...!」

オオカミと確認すると姿勢を低くして全力で走る、あのオオカミかどうか...


「なっ、おい!セーラ!」

リンドの横をすり抜け2匹のオオカミの前に立つ


「...違う個体か」

オオカミは灰色の毛並みで大きさも私よりも小さいくらい

充分でかいが


短剣を握った手に魔力を込める

ボッと剣から火が溢れ、見た目が片手剣並になる

オオカミ達はいきなり出てきた私にキョトンとしてまじまじと見ていたが私が呟いた途端に我に返り襲いかかり始めた

敵意がなかったらどうしようかと思ったよ


口を開け噛み付こうとした2匹を焼き切る


ジュォッ

手応え無く振り切った短剣だったが

2匹のオオカミは焼き切れていて横に両断される


この短剣、すごい


「おおお!?セーラなんだそれっ!」

「凄いです!セーラさん!」

リンドとミホが走り寄ってくる


「私は炎の魔法が使える」

振り返り、決めポーズをしてこのセリフ


...見ればわかるな、恥ずかしい


短剣の火は魔力を流さずに振ると消えた


「すげぇ!」

「走り出した時はダメかと思いました」


そこからミホと喋りながらダンジョンに向かう

2人で話すので時々先行して警戒してるリンドが話したそうにこちらを見てくる

でも森だから視界悪いし...


昼前くらいにダンジョンに着く

あそこの街の初心者が最初に行くダンジョンらしい

出てくる魔物も弱くトラップも確認されてないらしい


昼食をとり、入口の記録係に記録してもらってから入る


そう言えばミホが記録係の代わりになる魔導器が開発中とか言ってたな


色々知ってるな、なんて言ったら情報は命ですからねっと髪をゆるふわさせながら言ってきた



ダンジョンの中は天然の洞窟のようで暗く火を灯しても先が見えないほどだった


リンドが魔力を込めると火を灯す道具を持ってきていたので先頭を、私も火を灯せることからミホを真ん中に後ろを任された


ミホも道具はあるらしい

私だけか、準備不足


「全然調べてきてない...」

「あー、まぁそういう日もありますよ...」

苦笑いで返してくれるミホ


「ここの魔物の出現傾向とか」

「魔物だ」

ミホとの無駄話にリンドの声が混じる

緊張感が高まる


壁沿いに身を寄せ魔物の姿を確認する


「よく見えない」

暗く何かが動いている程度にしか確認できなかったが

「あれはオークだろう、目と鼻が発達してる洞窟に居る種類だ」

よく見えるな、よく知ってるな...


私の事前準備の無さがよく分かる

ダンジョンはあるゲームからインスピレーションを受けてます



死んでも未知で満ちたダンジョンには潜りたいようで


(5月11日にナンバリングと後書きの加筆修正しました)

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