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死んでも私は生き返る  作者: ファイル
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07話 死んでも特異魔法は教えれない

目が覚めて渡されたシャツとズボンを着て、薄茶のローブで覆って酒場のカウンター裏から出る


冒険者になり初めての依頼

依頼とは言え酒場から直接の依頼だが


このギルドから1番近いダンジョン

の周りにいる魔物を燃やしながら討伐して欲しいとの事


その肉を集めてきて欲しいという依頼


地図も渡され、その場所へ向かう


ギルドのカウンターを通らないスタイル...


酒場兼ギルドからでる

「あっえっとセーラさん待ってください」

入口で声をかけられる

ちなみに日の登り始めで人通りも少ない時間だ


「依頼書を持って行くのを忘れてますよ」

水色髪の子が小走りで近づいてきた

全身革装備、茶色い


これ冒険者初心者用の一式セットとかだっけ

「ありがと、えーとっ酒場の?」

「そうですよね、自己紹介してないですもんね」

相当急いでいたのか少し息を切らしている

コホンと咳払いをして

「私はネアっていいます」

「ふーん」

「あ、えっとそれでですね、私も行くんです」

わたわたと手が慌ただしくなるネア


「そう、じゃあいくよ」

スタスタと歩き始める


「あ、そっちの門じゃないです」

ピタっ


振り返りネアを見る

固い笑顔を返してくれる

「...私この街何も知らないわ」


結局ネアについて行くことになった

門は私の入った門とは全くの逆方向のところから行くらしい

門の警備の人に冒険者カードと依頼書を見せて街の外に出る


依頼書にはネアとセーラと書いてあり1人じゃダメだった


そんなの知らない


倒しに行く魔物は燃やしながら討伐しないと解体出来ないほど固い肉になって倒れるらしい

特殊な方法が必要な分お肉は美味しいらしい

ネアは解体を専門にやるから倒すのと守るのは任せましたっ!と言っていた

まぁ私は解体出来ないからいいけどさ



そんな感じで牛型の魔物を数匹倒し解体した、ネアが

火魔法で簡単に倒せるから特に珍しいこともなかった

ネアの持ってきた袋が見た目に反して沢山はいる魔道具だった事ぐらいだろうか


「ここら辺はダンジョンがあるのか?」

「こっち側は2つあるみたいですよ、私のいない時に行ってくださいね?」

ジト目付きで返されてしまった

夕方前に戻ればいいのだが今は昼過ぎぐらいだ、だいぶ早くに目標以上を終えてしまったらしい


「んーっ!水浴びしたいです」

火魔法を近くで使っているのもあるだろうがネアは結構汗をかいている

私は全然だが水浴びはしたいな


「水浴び、炎帝領の温泉に行ってみたいな」


「炎帝領...あぁ、火の街ですか、でも何日もかかりますよ?マスターに迷惑かけちゃいます」


「え?シュンシュンって行けないの?」

「えー、なんの話してるんですかー」

笑いながらそんな訳ないじゃーんと返してくる


「あれ...?」

シュンシュンって...行けないの?



酒場に戻りマスターに報告する

今日は自由にしていいぞと手放されたのでギルドのカウンターの方へ向かう


昼を過ぎたあたりで受付はほとんど人がいなかった

知ってる顔を見かけそこに向かう


「あの」

「あら昨日の子じゃないもう転職?」

「そうじゃなくて炎帝領って...」


私が思い出せる限り領土間は転移陣で移動出来ると思っていた


しかしつい先日転移陣が機能を失い領土間の移動は直接となっているようだった


「あなた、やっぱり事件の被害者なのね」

「事件?」


受付嬢さんはまだ時間大丈夫だからと酒場のテーブルに着き話してくれた

あ、お肉美味しいです


前までは妖精魔法と特異魔法の2種類の魔法があった

妖精魔法により全員が力量が足りる限り全ての魔法を使えた

しかし突然妖精魔法が使えなくなったらしい

らしい、というのは妖精魔法の記憶が誰にも残っていなかったから、匿名で出された情報に妖精魔法についてあっただけだという

また、妖精魔法があると仕事に違和感のある職業の辻褄が合うという


特異魔法は人それぞれに備わっている魔法

と説明された


仕事に違和感が生まれた日

火を出せないのに火を売っている人がいた

などと多々あるが、その日


どこからともなく記憶を失った多くの人が転移したらしい

また多くが特徴的な服を着ていたらしい


あなたもその1人じゃないかという


また炎帝領という呼び方も通称らしい

正式には火の街



そんな説明をされてあっ、仕事戻るわね

と、唐突に戻っていってしまった

まぁ並び始めたし...うん



その説明には何となく違和感と疎外感を感じた


匿名の情報からその日のことは魔法が消えた日と言われているらしい



酒場のカウンターから周りを見渡す

酒場も賑わい始めた


日は落ちて夜が深く...

「どうした、暗い顔して」

マスターが話しかけてきた

「ちょっと、今いいとこだったのに」

「む、そうか、それは済まなかった」

コトンと肉ののった皿が出される

「許せ」

「許した」


お肉美味しい


「セーラには言っとこうと思ってな」

「何を?」

「シェリダンの事だ」

「...」


自然と体が固くなる


「アイツの死体、骨は見つかってないらしい」


「...そう」


「そんなに暗い顔すんな、お前のことをギルドの方に話したら直ぐにお尋ね者になってんだ、すぐ見つかるさ」


マスターには私はシェリダンに助けられた後に襲われたとしか言っていない、それでお尋ね者だ、元からこうする予定だったのだろう


「だといいけど」


「肉はだいぶ集めてもらったからな、明日は大丈夫だ、ダンジョンでも潜ってくるか?」


「ダンジョンっ!」

気分が上がる、いいね、ダンジョン

冒険したい


「おー行ってこい行ってこい、近いとこなら日帰りで行ける、今日の狩場の近くだからだいたいなら分かるだろ」


たのしみだー


明日はダンジョンっ


「お嬢さん見ない顔だけど冒険者?」

カウンターで肉を食べてるところ後ろから声をかけられた

「ん?」

肉を食べながら振り返ると男女のペアが立っていた

男は緑のバンダナを頭に巻きつんつん茶髪

女は服も髪もゆるふわ系だ、いかにも魔法使いな杖からして魔法使いなのだろう


「昨日から冒険者になった」

「新人さんだね、俺達もついこの間冒険者になったばっかりなんだけどさ、一緒にパーティー組まない?」


2人を見る、...単なる勧誘だ

シェリダンのせいで疑い深くなったかな


「別に構わない、ただ明日はダンジョンに...」

「おっダンジョン!いいね、俺達も行こうと思ってたんだ、でも2人じゃ心配でさー」


男が私の横に座る

女もその隣に座る


「なら、一緒に行きましょうっ」

ぐっと手を握り顔の前で揃える


...こいつデカイな

何となく見比べてしまう


勝てる気がしない...


「あぁ...よろしく、私はセーラ」

「おー!俺はリンド武器は片手剣っ!」

「私はミホっていいます」


「ミホは魔法使いで2種類も魔法が使えるんだぜっ!」

「あっリンド、そういうのは...えっと、はい」

周りを見て首をすぼめるミホ

まぁ酒場は賑やかで聞こうとしないと聞こえないと思うが


2種類も、それはすごいことで

特異魔法は多くが「何の何をどうする」

火魔法の魔力消費を削減する

とかばかりなのだ


そういうことでは恵まれてるな

男運は無さそうだが


特異魔法は言うなれば切り札だ

公の場で言うもんじゃない


「ふむ、まぁそうだな...今はおなかがすいた、明日聞こう」


ミホは特異魔法が強力なだけあって心配しているのだろう


...私はなんて言おうか



「おーじゃあ明日の朝ここでなーっ!」


2人とギルドと酒場の広い出入口で別れる


まぁ私は再び中に戻るのだが


ネアはパタパタと注文を取りに走り回っている


忙しそうだなぁと思いながらカウンターの奥の扉に引っ込んでいく


ダンジョン、楽しみだなぁ

しっかり者タイプのネア

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