51話 死んでも戦いには準備が必要だ
たすけて
の文字を見て
頭に血が上る
黒服の呼び出しをして、今の順位を調べる
シャドウ
どこかで聞いた名前だ
敵を見定めた、振り向くと
コルが腕を組んで、オラクルが水球を作っていた
「...なんの真似?」
「セーラ、頭を冷やして」
コルが何か言ってるわ
「私は冷静」
「その短剣は何?」
私の右手には深紅の短剣が握られている
「...これは」
右手の方に顔を向けると水球をとばされた
「うぷっ...」
「数日ぶりに部屋にきた雰囲気だけど?」
バタバタしているレイス達に視線を向けながら言うコル
「ただいままいりました、セーラ様」
すっと黒服が現れる
「...バンシーの最近のことの情報」
「それはセーラ様に開示出来ません」
...
「対戦成績は?」
「奥に表示させていただきます」
あーもう!めんどくさいな!
「シャドウに挑みたい」
「シャドウ様は現在パーティー制になっておりますが」
パーティー制は知らないな
「あー...資料を用意しておいて、挑むのはなし、でいいよね?セーラ」
コルが先に答える、読んでいたのは説明書
「...分かった、それで」
このまま衝動で動くのは得策ではない、それくらい分かってるよ...
「かしこまりました」
「じゃあ今はもうない、ありがとう」
スっと消える黒服
バンシーの成績表を確認する
最後は、シャドウだ
結果は敗北
それからふたつあるが不戦敗となっている
不戦敗...
「これ凄いね...」
コルは機能を使って色々見ている
私もパーティー制について調べる
パーティー制は五人まで登録できるもので挑む側は、挑まれる側の人数プラス一人で挑める戦い方らしい
五人パーティーに挑む時だけ六人で挑めるらしい
人数で不利になるから普通パーティー制では登録しない、だからあまり知られてないらしい
「ココ最近でたくさんの人が登録してるみたい、私も登録しようかな...」
コルがそう呟く
登録すれば部屋も与えられるので、それはありだけど...
「上がパーティーだからみんなパーティー制で組んでる...セーラ、私はセーラと組めないかな...あー、力不足だからなぁ...」
「えーっと、仮登録で参加も出来るらしいよ?」
軽く一覧表を出すと以前見た時より三倍近く増えていた
「多っ...」
順位に並べると私の名前が上に現れた
順位は最上位に一人
上位、中位、下位といった順になり、ひとつ上のグループに挑むことになる
下位は中位の誰か...と
上位の私は最上位しかいないわけで
「...シャドウ」
最上位に君臨するは...敵
上位の一覧にバンシーの名前はある
パーティーはリーダーとメンバーとなり、リーダーの名前と人数が表示される
メンバーには挑むことは無いらしい
シャドウの人数は三人
シャドウ、バンシー、誰かだろう
誰か知れないのかな、しれないだろうな...
挑むなら四人まで挑めるわけだけど...
勢いで挑戦しなくて良かった
「コル、オラクル、ありがとう、落ち着いた」
戦績でグループは分けられるので
下手に負けを更新するのは悪手だ
...パーティー制との戦闘の勝敗基準はダメージ量
個人戦が続行可能かが基準だったので私にとってはだいぶ重要な事だった
私はパーティー制だと負ける可能性がある
どこまでもバンシーまでに壁を作られた気分だ
「ふぅ...」
少し、遠い
「ん?」
視界の端にうつる握手マーク
開くとパーティー申請のメッセージだった
上位からは誰もいないが
中位、下位からは下に行くほど多くの申請が来ていた
さっき多くの人が新規参加したとか言ってたもんね
あー、情報過多...
「ふぅ...少し休憩」
目を離し、ベッドに座るとレイスがお茶を用意してくれた
「ありがとう」
...コル達を放置していた
魔人状態の鳥達を部屋とテラスに案内する
どんな様子か私も見ていく
コルのために部屋を追加、オオカミに必要なものも、オラクルはテラスと部屋を使うと言っていた
依頼達成の分もこれで全てなくなってしまった
...こんなに人が多いと街の様子が気になるかな
「街に出てみようかな」
「私も行ってみたい」
コルと二人で準備する
服は私の、バンシーが用意した大量の服を貸す
...バンシーの使っていた所や物は所々無くなっていたけど、触らない、弄らないようにすることにした
◇
雷の街にでる、お昼を少し過ぎた辺り
どこも賑わっているのは変わらないけど、以前よりも客数が増えている
誤魔化すやつを忘れてきたので久しぶりだねっとか、少しチヤホヤされた
酒場の方も賑わっているようで、人数が多くなったから、この時間でも戦っている人がいるらしい
バトル場は常に誰かしらが戦っているほどで
メンテナンスや、バトル場の破壊が起きない限り予定も詰まっているらしい
凄い賑わいだ
歩いていると、その子は新しい子?パーティーメンバー?なんて聞かれる
友達ですよーなんて返していると
「バンシーちゃんは残念だったね...」
なんて言われた
パーティー制を先に立てられたから引き抜けなかったんだろ?
と言われたけど
バンシーの思惑は分からない
今はパーティー制ばかりで、戻った私も二日後には対戦先として選ばれる
厳しい戦いが始まる、個人戦しか受けない、ということも出来ないので、相手がパーティー制なら一人でもパーティー制になる、そして負ける可能性もある
負ければ
バンシーからさらに遠くなってしまう
ずっと対戦が行われているなら、早くに挑むことを伝える必要がある
コルには頼むとして
あと、二人
少なくともバンシーと戦えるような人
ガイアさんと、その師匠さんはどうだろうか
ガイアさんはあのドラゴンとはどうだろう
師匠さんもあの剣は気になる...
他の人...
「ねぇ、後ろの人ずっとついてきてるんだけど」
コルが耳元にコソコソと教えてくれる
レイスには聞いていたけど...
コルも気になるのなら...おびき出そう
「路地裏に入ろうと思う」
入ってから気がついた
さっきまでの所にお店は出ていたから気が付かなかったようだけど、以前、あの人に、あの偽物の人に出会って通った道だ
それは偶然か必然か
「やっぱり、セーラだったか」
「本当に、生きていたのね」
誘き出した、つけてきていた人を見る
自然と笑顔になる
この人達となら...!
コルは適応能力が高いです、そして「いい手」を選べる良い勘を持ってます
衝動的で動くことが悪手なこともあります
もう戦いは始まっているのだから




