50話 死んでも私の帰る場所は
私は死に、体は何度も朽ちて、魂の器は壊れた
不死により生き返る時、魂の器としての機能は失われて、体は再生された
別に、それで困ったことはないからいいけど
不死の力の中には鳥の力があった
ここまで来れば不死鳥の力と分かるけど
鳥のような羽を広げて、無意識的に風を掴み飛ぶことが出来る
魔物はこの、無意識的にということが多いらしく
まぁ詰まるところ、私は魔物に近い存在になってしまっているわけで
◇
「魔物使いなら何となく分かるでしょ?」
私の言葉にコルの顔が引き締まる
「セーラは自分のこと分かってるんだね」
「そりゃあねぇ...」
「セーラに心を許せるのは、そういう人柄なのかと思ってた、話していて、どうしてか楽だった」
「ふふっ、そういうことなら、私は魔物使いの人、全員と仲良くなれそう」
すこし軽口を叩く
コルの表情はあまり晴れない
「広く知られれば、その限りじゃない...」
魔物として、討伐対象になるかもしれない、という話にもなる
「私は、セーラの味方になりたい」
考えるような顔をしながらコルはそう言った
「ありがとう...ちなみにオオカミにはどう繋がったの?」
「ん?関係ないよ、魔力の相性が良かっただけ」
アッハイ
「...雷の街に住んでいるんだけど、来る?部屋も大きいから多分大丈夫...だよね、レイス」
生活に関してはレイスに丸投げなんだけどね
「ばんしー」
「バンシーなら許してくれるって」
「バンシー?」
「うん、一緒に住んでる子、半霊?あれ、よく知らないかも」
帰ったら今の状況を聞いてみよ
「よく分からない子と住んでるわけ、と」
はぁ、と溜息をするコル
否定はしない、いい子だよ?
「あっ」
少し明るくなってきた
遥か向こうから日が昇る
「夜が明けたねぇ」
結局夜通しになってしまった
◇
オオカミさまと情報共有をして、紙にまとめる
...色々起きたね
さて、依頼はこれでいいんじゃないかな
「もういいかな...?」
オオカミさまからもっとゆっくりしてもいいのになんてくる
コルも行くのでさっき正式に契約していたオオカミ達も私たちに着いてくることになる
「うん、帰るね」
別になびかないよ
私、レイス達、オラクル
コル、狼二匹
...大型の、魔物にあたる鳥達
うん大所帯だ
シェリダンに使われていた鳥達が今朝方昇る日を背に飛んできた
チュンとかクエェとか騒がしかった
大中小様々な鳥達の一羽が魔人化して話をすることにした
場所も主もいないから私を追いかけることにしたらしい
私に恐れて来なかったのもいるらしいけど
この魔物達も私の因縁に巻き込んでしまったと思うと無下には出来ずに、とりあえずついてきてもいいことにした
レイスの提案でハーピーの所はどう?
が決め手だが
まぁ雷の街なら何とかしてくれるだろう感が無い訳では無い
大所帯のまま、森に向かう
意外とすんなりと、ここまで引っ張ってきた荷車も役に立ち、森に着くことは出来た
着くとすぐにチャネラーが飛んでくる
慌てていたが、オラクルを見つけると抱き合い、喜びあっていた
ハーピーの木に行くとツリーハウスのようなものも出来ていて順調そうだった
魔人化の鳥達は食事の関係で小中の大きさなら受け入れてもいいと言われた
魔人化の暴走も考えてみんな私の使い魔になったけど...
オラクルが私について行くと話すとパフュは送り出してくれて、チャネラーは水晶をオラクルに渡していた
なんでも此処のみんなと連絡を取れるものらしい
チャネラーが独自に作り出したらしい
凄い
ハーピー達は歓迎してくれると言うのでここで一日過ごすことにした
◇
大型の魔人になれる鳥人は七羽いる
みんな鳥の姿では私の胸元に届くだろう位の大きさで
魔人化すると私の背を超える
オスメス比が三四で私の周りの女性率が高い
なんでもシェリダンの鳥の魔物を集める基準になるべくメスを求めたらしい
理由は知らないらしいけど
ろくなことじゃない
さてこのコ達も魔物である訳で
オラクルが私を
コル、オオカミを一匹ずつ
で空を移動した
私の使い魔になったら力がスムーズに使えたらしく特に苦もなく
雷の街に着くことが出来た
ちなみに場所はレイスが案内した
遠目に見た雷の街は相変わらずな規模で一日二日で探索するレベルなのだな、と思った
この地下にあんな光景があると思うとまた、違う感じもした
あぁ、帰ってきたなと思いながら
雷の街に、帰ってきた
◇
黒服を呼び出した
雷の街における私の権限はちょい高めで門の所で部屋を貸してもらえた
自分の部屋から繋がるテラスのような場所を手配してもらえた
鳥達用の部屋も
依頼達成も大きいらしく、時間が合えば現在最上位に当たる人物と戦って欲しいと言われた
雷の街についてからコルには飽きれられたけども、私の部屋に泊まるということで滞在に無理を通してもらった
部屋に戻ったが人の気配がしなかった
今日昨日の話じゃなく、何日も前からいない様子だ
「...バンシー?」
外見のない家、部屋しかないが部屋も随分と広く、数も増えて、大きくなった
レイスに生活をするのに必要な準備をさせながらバンシーを探した
玄関のところでコル達を待たせていたのだが、コルから声がかかった
「これ、置き手紙じゃない?」
玄関に置いてあり気が付かなかったようだ
『最上位の元に行ってきます、ごめんなさい』
とあった
そして、裏には
『たすけて』
と
死んでも帰る場所があるのはいいものです
その手紙には...
...




