46話 死んでも時代の流れは変えられない
ハーピー達を助けたあと
少し森に入った場所で、食事を取る事にした
火を維持するための薪代わりが欲しかった
食事を作りたいと言うとみんな素早く動き、魔物や木の実をささっと集めてくれた
パフュにハーピー達の食事は任せて
レイスに魔物をメインに食事を作ってもらう
魔物は血も魔力も抜くのが一番だが、まぁそこまでは求めない
自分を食べてるやつが何を今更ってね
食事は何事もなく終えた
「ハーピー達はこれからどうするの?」
チャネラー、パフュ、オラクル
と檻から助けたクィーンに聞く
「セーラ様が宜しければ私達はこの森で過ごしたいのです、外の生活というのを知らないので、その...」
パフュが前に出て跪いて喋る
口ごもるが怖いのだろう
俯いてしまうパフュ
「...分かった、それでいいよ」
顔を上げて嬉しそうな表情をするパフュ
「過ごせる場所を探して、少し手伝ったら私は行くことにするよ、使い魔としては契約は残るけど、私が死んだら自由でいいよ」
助けるために強制契約した、それ以上でも以下でもない
恐れ多い...と言ったような顔をしているがまぁそこまで重く考えなくていい
私がそこまで深く考えてないだけだから
◇
そこそこ高くて、地盤もしっかりしており、土地的にも大丈夫な木を探す
そこにみんなでハーピーしか分からないような言葉を発声させている
詳しく聞いても分からなかったけど、魔法というのは分かった
魔物の特異魔法みたいなものと認識することにした
その魔法は木を中心に結界が貼られ、木は急激な成長をし始めた
成長は私の影響だとハーピー達が言うが私は魔力を流すのを手伝っただけだと思う
木の成長が私が手伝う様なことを帳消しにしてくれるほどだったらしく、私はすぐに行くことにした
オラクルが森を出るまで飛んでくれるらしい
「セーラ様はまた来てくれますか?」
ぷらーんとオラクルに吊られている状態でオラクルが聞いてきた
「この先の街に行って用が済んだらここを通るからね、また見に来るよ、案内も欲しいし」
「その時は迎えに来ますね」
嬉しそうに答えるオラクル
森から出るまではそんなに時間はかからなかった、荷物を届けにチャネラーが追いかけていたのはあったけど
それからは森で足止めが嘘のように順調に進み、まぁ迷子になる要素はない訳だが
依頼の街に着いた
いや、着く前、少し手前の街の入口でオオカミに行く手を阻まれる
街の方からは何人もの人が様子を見に来ている
「...なに?」
オオカミは私の背より少し高いくらいの大型で、バチバチと漏れる電気から、魔物だと、わかりやすい
私が話しかけるとぐぅ、と唸り街の方へのしのしと歩いていった
少し間を開けて街の入口に向かう
「オオカミさまがあんたは大丈夫と言っていたからね、よろしくねぇ」
門番、と言うよりかはおばちゃん三人に話しかけられ捕まる、わたしはいらないだろう話が永遠に続きそうだったので頃合を見て逃げる
この街についての情報を仕入れる
ここは魔物使いが多い大きな街が近いこともあって、危険が薄ければ魔物も歓迎されるらしい
街中にも猫やら空中ジャンプする犬やらと、動物も魔物も変わりない扱い用だ
オオカミさまとは少し前まで荒れていたこの街に来て、睨んで落ち着かせたとか、街の安全を守っているとか、色々話が出てきた、悪い話は聞かない
街に誰かが近づいた時、見定めて、悪い人なら追い払ってくれるらしい
「お前さん、オオカミさまが呼んでおるよ」
街を引き続き見て回っていたらおばちゃんが声をかけてくれた
...依頼って何するんだっけ、とりあえず近づくことは依頼対象だから助かるけど
オオカミはどこぞの天幕の奥とやらに何も無ければ引っ込んでいて、そこには護衛がついているらしい
...なんで?
何かある度に出てくるの面倒くさそう
というか人が近づいたら見定めに行くなら街の出入口にいた方がいいよ?
天幕の奥に通される
オオカミは伏せの状態で私を見ていた
...あのお腹を枕にして寝転がりたい
ふっと笑われる
...誰に?目の前のオオカミに
「あの...会ったことありますよね?」
妙に親近感の沸くオオカミだ
まるでシェリダンの時...あ
「最初の三匹のリーダー?」
やっとか、そんな声が聞こえる気がする
ああそうだ、久しいな
と言われる
うん、言われてる、絶対に
頭に響いてくる訳でもなく、こう思ってるんだろうなぁと言う私の考えが最後に入るので...
やりずらい、非常にやりずらい
なら、早速本題に入ろうか、とオオカミがいう
簡単に言えば依頼を出したいらしい
依頼先で依頼かぁ...
この街のすぐ近くに大きな街があるらしく、その街にいるはずのオオカミの二匹を助けてやって欲しい
とのこと
そのオオカミ二匹とは
あの時のオオカミ三匹で襲いかかってきたサイド二匹とのこと
片方は私も会いたかったけど
「助けるって?」
恐らくは売られているらしい
街では魔物の魔人化も行われているらしく、魔人化した場合は大抵が奴隷として扱われるらしい
その流れ自体は何十年も前からあることで今更覆すことは出来ないが、せめて二匹はオオカミの理から外れて欲しくない
とのこと
最近は魔人化に拍車がかかり活発的に動き出しているらしい
この街にも届いた情報によると伝説の吸血鬼を復活させるという話もあるらしい
んな、適当な...
「まぁ、行ってくるけど...依頼書にしといてね」
とりあえずは行って探してからだ
◇
隣町、壁が遠目にうっすら見えるくらいには近い場所だった
オオカミが日帰りで泊まる場所は用意しといてやる、と言うのもありがたい話だ
歩いて向かったが門にはすぐ着いた
入口では中に入るのに手続きが必要のようで滞在許可証を作ってもらう
「...ちなみに、こっちの門から入るのだが、手前の街には寄ったのかい?魔物に管理されてる上に追い返してくる酷い街だったろ?」
ニコニコした顔からふとそんな話題を門番から振られる
オオカミさん嫌われてませんかっ!?
「そ、うなんですよー、ただこの街との間は治安が良さそうでテント張ってたんです、いい宿ってありません?」
どう言うか迷ったが、まぁいい方でしょう
すると機嫌良さそうに街のオススメとかを教えてくれた
正解かな?
街の中に入る
人で賑わっている、そして多くの人が後ろに魔人化したであろうごつい首輪をつけた人を連れ歩いている
その人達はどこかしらに人外の要素を備えていた、獣耳が多い、目を引くのもあるけども
食べ物とかを売っている大通りを少し外れれば檻に魔物が入れられて売られていた
チラホラと人もいて、ちょうど買う様子を見ることが出来た
購入すると、魔物の首や腕に付けられたリングの宝石?が光る
魔物は唸り、狂ったようにその宝石に齧り付く
すると人の姿になっていくのだ
購入した人は気分良さそうに鎖を繋げ、引っ張って歩いていった
途中で嫌がった魔人が暴行をうけて魔物の姿になる、弱ったまま引きずられ、私の視界からは消えた
酷く気分が悪かった
私はこんな光景は耐えれない
オオカミは流れを変えることは出来ないと言った
時代の流れ、この街や、周辺は闇魔法の発展と共に生きてきている、と
とにかく
この依頼は早く終わらせたい
ハーピー達は無事に助かりました、迷いの森...絶対意思を持ってるよな...
死んでも時代を築いてきた流れを変えることはできない、犠牲は踏み倒され、偉大だとしてもあとから評価が来る程度には、変えることはできない




