23話 死んでも命を雑に使う奴は許さない
私にスーラ
ギルドの受付嬢メイル
にゴーストのドーハを加えて地下水路の奥に向かう
「ところでなんで私ってドーハと触れるの?」
ドーハはニコニコしながら私の手を握ってる
可愛い
お姉ちゃんになった気分だ
ちなみにドーハは少し浮いてる
足も大根だしね
「セーラって一回死んでるでしょ?」
当然みたいな感じで聞いてくるドーハ
いやまぁそうだけど
なんなら
「一回どころじゃないけどね」
「えっ」
ドーハに引かれた...
「えと、人って死ぬと体と魂が一回離れるの、死ぬ原因の外傷を治して魂を戻すと生き返るんだけど」
へぇー
ドーハは続ける
「私目線だと魂は見えてて...メイルみたいに人の体の中に魂が入ってるの、うっすらみえてるんだけどね」
一度スーラをみて目を逸らしたな
「ただセーラは魂が体なの」
「...?」ちょっとよくわかんない
「えっと...人型の魂...なのかな体と魂が混ざっているって言うか?ちょっとよくわかんない存在、とりあえずゴーストにはめっぽう強そう」
最後雑になったな
わかんないなら仕方ないかー
「...ちなみにスーラは?」
「えっと...」
そろーっとスーラを見るドーハ
スーラはきゃーハズカシーと言ったように顔を抑えてる
ちなみにメイルにはドーハは青っぽい人魂に見えていてゴーストは喋るとポうっ...と光る気がする存在かも
なんて言ってた
「えっと...スーラは...」
「ハッハッハ!やはり帰ってきたか!ドーハっ!」
話を遮って話しかけてきた男
奥の部屋であろう扉、の前にいる
ちょっと遠い
「...それで?」
まだ十五秒ぐらい着くのにかかる
「うおぉっいっ!グホッゴホッゴホッ!」
男は大声を出してむせだす
ダサい
「だっサ」
男がむせてる間に距離もいい感じに詰まった
「で?誰」
「なに?ドーハから聞いてないのか?ゴーストから聞けないのか?そんなにでかい魂をしてるのにか?」
「つまり誰だよ」
なんで魂基準なんだよ、私にはその基準は見えないよ
「クックック!私...われ?吾輩こそがかの有名なスカージレット様だぁ!」
知らなかった...
メイルは残念な人を見る目になった
「吾輩ー?俺様っていうスカージレット様なら知ってるけどナー」
なんかスーラが適当な事言い出した!?
「む、そうか、コホン、俺様っ...んんっ?俺様こそがスカージレット様だっ!」
俺様に疑問を抱きながらも言ってくれるスカージレット、めっちゃノリいいぞこいつ
スーラはぱちぱちーと手をたたいている
「そうか、じゃあ燃えろ」
スカージレットに向けて熱線を放つ
「うおあっ!?」
じゅぉぉ...
後ろの扉にあたり表面が溶ける、貫通してないからセーフ
「セーラさん!?ちょっと何してるんですか!」メイルが切れる、そりゃそうか
「いや、つい」
「ついで殺そうとしたのか!?」
「やかましい...」
「なっ......まぁいい、面白そうなさんに...二人?と一匹だ私の物にしてやる」
そう言って片手を上げると
壁や床を貫通しながらゴーストがなん匹も現れる
一匹ってスーラなのかな
もっかい熱線で...
「おっと!本当にそれを撃っていいのか?」
するとゴースト達にどこからか体が現れる
「...ん?」
だから何なんだ?
「待ってくださいっ」
構わず撃とうとした時メイルが止めてくる
「なに」
「あの人たちは水の都の墓地に埋葬されてる人の体です...」
「そうだよっ良かったよ!その子がいてくれてっ!」
スカージレットが怒ったように話す
「わざわざ火葬とかにも出向いてやったんだぞ!」
「そんな...」
コイツ...
「ほらっお前もこいっ」
奥の部屋の手前の扉から女の子が現れる
「...うぅ」
ドーハが呻く
その女の子は痣だらけで傷だらけの酷い有様だった
「...その子がバンシーか」
「お?知ってるじゃないか、そうだ、今のところ最高傑作だな」
言い終わり高笑いするスカージレット
ギリッ...
私の歯ぎしりを聞いてか聞かずかドーハがメイルに聞く
「メイル、さっき光魔法を使ってたよね」
道中の光魔法、ライトのことだろう
「...え?あ、はい魔導書で」
「強い光魔法か浄化魔法、回復魔法のどれか使えない?なるべくゴースト全員に届くやつ」
「ありますけど...それはドーハさんも...」
「いいの、やって」
「あん?何コソコソ喋ってる、とりあえずゴースト達!少しずつ詰めよれ!」
じわじわと近づいてくるゴースト達
メイルは魔方陣に魔力を流し始めている
集団から外れ一人特攻してくるゴーストもいて私とスーラは傷つけないように受け流し、転ばして投げ転がす
ゾンビのような足取りのため対処はしやすいが少しずつ詰め寄られている
私たちに対処法は...ない
「...準備出来ました」
メイルから声がかかる
「やって」
ドーハが返事をする
私たちが手をこまねいている間にドーハは覚悟出来ていたようだ
「...ドーハごめん」
私に微笑むドーハ
「おいおい おいおいっ!それはやめろよ!せっかくの実験体が台無しになるじゃないか!」
発動する魔法が全体を浄化するものだと気がついたのだろうスカージレットが声を荒らげる
「ちぃっ!おい、バンシー!コレを飲み込めっ!」
ゴースト達から合間見えるスカージレットは先ほどよりもこちらに近づいていた、だから気がついたのだろうが
そして少し前にいるバンシーに手のひら大の植物のような目玉のようなものを押し付けている
「アレはっ...やめてっ!」
ドーハが霧散し集団のゴースト達の先、スカージレットの目の前で集まりスカージレットに近寄る
「アッハハハハハ!ドーハ!お前達が悪いんだ!せっかくの実験体が勿体ないじゃないか!...だから実験は最終段階に進める」
喋りながらもバンシーは飲み込んでいる
スカージレットの最後の言葉は低く、威圧感のようなものを感じた
「バンシーっブルームを吐き出して!お願い...お願いだから...」
ドーハは手を伸ばしバンシーに近づくがその手が届く前にバンシーはブルームを飲み込んだ
「アァう...ウガァア?」
バンシーが奇怪な声を上げる
「いや...いや...」
ドーハが、周りのゴースト達がバンシーに吸い込まれているかのように見える
「メイル!発動は!?」
咄嗟にメイルに叫ぶが
「してますっ飲み込んだ瞬間に!...ただどっちで苦しんでるか、わかんないですっ」
「最終実験名!アンデット・ネクロナイズ!進化せよ!ゴースト達ぃいっ!」
スカージレットはノリがいいですね
だがしかし敵だ
水の都の人達の魂を雑に扱うスカージレット
その扱いはバンシーにも
...ゆるさない




