22話 死んでもゴーストに肩入れする
「門で会った人」
「街から出て行かなかったのか、それにギルドの娘もいる...この街は放棄されたんじゃなかったのか?」
聞いてるのか呟いてるのか分からないニュアンス、ならむしろ聞こう
「あなたはギルドに誰もいないと知ってて勧めたのか?」
女性に質問するセーラにスーラが耳打ちする
「あいつ上の時より魔物の匂いが強い」
スーラを見る、至極真剣な顔をしているが上で既に魔物と気がついていたなら教えてくれてもいいと思うんだ
「あなたはこの街の人なんですか?でも雷の街で住人は全員揃ったと...」
「ふっ、この奥の実験は漏れなかったんだね」
優しい表情になる女性
さっきまで怒ってたのに
「それでも、この先には行かない方がいい、酷い目に会う、アイツはこの状態でも来れる強者を求めているから」
そう言ってフッと消える女性
「あわわわっ...き、消えました」
慌てるメイル
「ゆーれい?」
「ゴースト系の魔物?」
私達、分析し出す
「...冷静ですね、とりあえず行きましょう」
メイル、女性の忠告をものともせずに先に進む
メイルが一番冷静かもしれない
...
地図を持っているメイルについて行く
水路に沿っている左右の道を使っているのだが、臭いが酷い、自然と鼻をつまんでしまう、臭いの元は水からきていると思う
度々でるネズミの魔物はスーラが蹴り飛ばしたりスーラの体に取り込んだりしている
...メイルはずっと地図と睨めっこしているが割とグロい、バレる云々関係なく見ない方がいい
地下水路沿いの道は全体的に黒い、そして毒も薄く感じる、つまり私の火が全体に行き届いた、と考える、すると出てくる生き物が少ないのも頷ける
「もうすぐです、魔物を討伐してくれてスムーズにつけそうです、ありがとうございます」
顔を背ける私
いいよぉと返事するスーラ
前方で言い争いが聞こえてきた
「言葉が使える魔物...?」
「知性があるネ、案外さっきの仲間かも」
白いふわふわした存在が集団でさっきの女性と言い争っている
集団は五人...人型ではあるがまぁゴーストだ
「どうして言うこと聞かないのっ」
女性が五人...匹?のゴーストに叫んだ
「うるさい」
「ブルームはお前にない」
「お前の命令は聞かない」
「うるさい」
「私達はスカージレット様の元に戻る」
色々言われながら女性は押され、倒れる
「うわっ」
倒れた拍子にポヒュンと音がしてゴーストの姿になる
五匹はその場から立ち去っていく
「何かあったみたいだネー」
「管理室はあの先ですね」
「話しかけてくる」
二人をおいて先行する
「ねぇ」
「ぐすっ...なんだ人間風のヤツか」
「え、なにそれ...まぁいいや、何かあったの?」
「あー...」
キョロキョロして俯いて
口を開けたかと思えば閉じて悩む
女性、と言うより子供、女の子の容姿でちょっと半泣き
「いや、言えよ」
バフッッ!
火を付ける
少し付けるだけの予定がちょっとした爆発を起こす
「あわわ...」
慌てる女の子
「何虐めてるの」
スーラがのろのろやってきた
後ろにメイルがくっついていて非常に歩きづらそうだ
「いじめたわけじゃ...」
どちらかと言うと脅しただし
「お前達はアイツに会うのか?」
アイツが誰かは知らないが
「管理室...一番奥?にいるんでしょ?」
頷くゴースト
「なら会う」
そっかーと漏らすゴースト
「ちょっとややこしいとこもあるけど全部話す、だから助けて」
そう言って喋り出すゴースト
元々はゴーストじゃなかったという
この奥にいる人物、スカージレットに連れてこられて奥の手前の部屋で殺された
名前はバンシーとの事
殺されたあとゴーストとして呼び出されて他のゴーストを使役させられていた
闇魔法の実験体にされているらしい
バンシーの時の体は保管されていてその体がある限り生き物に乗り移ることが出来るらしい
スカージレットの研究は衰弱した生き物が必要らしく街の地下に来たらしい
それでバンシーはゴースト体のドーハとして生き物が来ないように色々してきたとの事
「それで多分なんだけど今日、お前達に接触したのがバレてゴーストに命令するための力を取られた、と思う」
「...ナルホド?」
「今はドーハさんですか?バンシーさんですか?」
「命令する力?」
多分スーラは分かってない
「今はドーハ、命令する力は元々私にあったんだけどそれをスカージレットは物に移してバンシーに持たしてたの、その名前がブルーム」
「結局ドーハはどうしたいの?」
「えっ...」
質問の意味が理解出来ないのか
それともどうしたいのか分かってなかったのか
「ドーハのことはまぁ大まかにわかった、スカージレットも危ないヤツと分かったし、どうせならなんとかしてあげる」
実はゴーストは地下水路に入ってからかなりの数がいて、しかしメイルは見えてなさそうだしスーラは見ないふりをしてた
見えてないと思ってるのか目の前まで来て悪口を言ってくるゴーストを無視していたら色々喋ってくれた
アイツはもう終わりだしあの方について行くよねーとか
あの方は街からは人の体が取れないから他の街に行くだとか
悪巧みしててしかも部下にダダ漏れとか
管理体制ガバガバかな?
それでこのドーハは何とかすればいいかと思えば、裏には親玉がいたと
「私は...バンシーを取り返したい」
「...殺されたんじゃないの?」
「殺されて、魂の私を追い出して生き返らせてる、バンシーにそこら辺のゴーストを入れて動かしてぅうぅ...」
喋りながら泣き出すドーハ
「可哀想です...助けてあげましょう!」
メイルが私の手を握って熱くなっている
「うん、助けよウ!可哀想!」
スーラもやる気だ
「まぁそのつもりだし、じゃあ、行くよ、ドーハ」
ドーハに手を差し出す
...あれゴーストって触れるの?
「...うんっ」
ドーハは私の手を握って立ち上がる
スカージレット、名前しか知らないけど
命は粗末に扱っていいもんじゃないっ!
命は粗末にって...ブーメランですね
投稿にあたり読み返しましたがバンシーのくだりややこしいですね、バンシーの霊のドーハが他のゴースト達を使役してた
過去の自分はそう言いたかったんだと思います
(未来の作者の方がダメかも知れませんが...)
たとえ敵側だとしても放っておけない、手が届くなら差し伸べる、それがゴーストだとしても




