15話 死んでも追いかける
「っていう話」
受付嬢に黒い集合体に会った話をする
上手く逃げたことになってる
「本当に大丈夫なの?」
街に戻ったら周りに心配の目を向けられ
ギルドに戻ると奥の治療室に連れてかれた
まぁ怪我はないが
服のせいだろう
そこで受付嬢に話した
とても心配してくれる優しい
「本当に大丈夫そうね...実は黒い集合体の話はこっちでも出てるの」
どうやら2日前から出没し始めたらしい、確認されたのは場所の遠さ的に2匹だろうとのこと
パーティーが1つ壊滅しており遠距離を任されていた冒険者だけ逃げ切れたらしい
ギルドも告知はしているがダンジョンに行った人に伝える手段はない、ダンジョン外だとギルドのカードによるサポートもない
ダンジョンからの帰りに襲われる可能性は高い
「...情報ありがとう、ひとまずは休んで」
対応に追われている
大変そうだ
なにか出来ないだろうか
◇
難しいことは無理だ
そう判断し討伐に向かうことにする
街では無闇矢鱈に街から出ることを禁止しているが以前の依頼書を使い街から出る
依頼書で残っているのは酒場から出たやつしかなかったのでネアは忙しくて来れないと言っておいた
街兵は納得しなかったけど通してくれた
ぷにぃー!
スライムが興奮したように跳ねる
なにか感じているようでそれについて行く
普段は重い(らしい)体を跳ねさせることないのに...
街から少し離れた森に入る
スライムについて行っているのだが
スライムが止まり、その前方に二人組が見える
スライムを小脇に抱えて二人組に近づく
「えっと...すいません」
背中を向いているので声をかけた
その時不穏な空気を感じた
スライムが震えた気がした
ゴウッと空気を切る音
腹部に斧が刺さった
「...なっ」
無意識的に手を前に出していて...手に力は入らない
スライムも前に飛び出して斧の威力を殺してくれたようだ
弾けたスライムが集まろうとしていた
刺さった斧を押し込まれる
「ァあっ!?」
二人組の一人が目の前まで来ており脚で斧を押し込んできている
その目は半開きで生を感じられない
男から黒いモヤが見える
人外の力の元だろう
体が悲鳴をあげ目の前が真っ暗になる
◇
直ぐに意識を取り戻す
私は私の体を見下ろしていた
音は感じられず色も無い
感覚が無いか?
ゴーストっぽい
目の前には私を殺した二人組が
私の体を見下ろしていた
その光景を見下ろす私
死んだ体を見ると綺麗に真っ二つだ
血が流れている
男達からは黒いモヤが伸びていて背後霊のようになっている
コイツは黒い集合体だろう
嫌な感じが似ている
男達は頷き私の体を後にする
「ガ...カァ、アノマチヲオソウ」
そう呟く男
◇
目が覚める
体が酷く重い
周りに男達はいない
直ぐに向かわなきゃ
ガクンと視界が落ちる
足に上手く力が入らない
グイっと引っ張られる
私の顔が目の前に...
「スライム、あの男達を追いかける」
私の姿になったスライムが頷く
スライムの肩を借りて街の方に向かう
アイツらは喋らないなら普通の人に見える
...街を襲わせはしない!
◇
肩を借りながらも急ぐと門の少し前辺りまで二人組は到達していた
「...火球」
ボッ...
二人組は気がついたようでこちらを向く
門番は遠目から見ているだけだ
気がついた男達は少しづつ私の方に寄ってきた
門までの距離は少しある
「ガ...あ...あっあー」
「アーこんなモのカ?」
少し変だが男達が喋り出す
ますます危険だ
ナイフを出し魔力を込める
「なンだ、サッキのやつカ」
余裕の表情
後ろに殺気
感覚のままふり抜く
「オッと...」
斧を押し込んだ方が後ろにいた
男の体がミシミシといっている
人の可動域を超えているだろう動き
パチュンッ
横から破裂音がする
「アガ?コイツスライムダゾ」
前にいたやつの目を離した隙にスライムがやられた
速い...!
こいつら両方ともこの速さか
ゴスっ
腹部に強烈な一撃
「うぐ...」
ドスッ
後ろからも一撃を貰う
ボボッ...
私の体から炎が漏れ出す
斧の攻撃は再生が間に合わず魔力でつなぎ止めていた
そこを再び攻撃され傷口が開いた
「くっ」「あっつ」
男達が距離を置く
構えようとした時、足を払われ頭部を殴られた
地面に倒れ込む
ナイフは落ちすぐさま手を足で踏まれる
「くっ...」
ザシュッ
右肩に焼けるような感覚
斧を突き立てられていた
斧を持っている男の右手に手を伸ばす
「ひっ!?」
「なんだコイツ」
左手で男の右手を掴み引っ張る
右手は落ちた
体が少し持ち上がり立ち上がる
「クソがっ!」
だいぶ滑らかになってきた言葉を聴きながら視界が宙を写す
首をはねられた
もう1人の男が剣を握っている
まだ視界は写っている
体の感覚もある
お前達を逃がしてやるものか
私から炎が溢れる
◇
ダンジョンから戻ってきたら直ぐに街の外に来てくれと言われた
セレナとミスラ二人とも、と
案内について行くと街の外で煙が上がっているのが見える
そのまま門をくぐる
多くの人が集まっていたが私とミスラに道を譲ってくれた
視界に写る異様な存在達
人型の炎の水の存在が
人型の黒い存在二つを相手しているように見える
炎の水は円状に広がっておりそこから熱気を放っている
そこにいる黒い存在の足元は燃え続けている
「ミスラ」
「あれは炎の魔法の上の存在じゃないか?噂でしか聞いたことないが...」
分析し出すミスラ
「いや、後で聞くわ、とにかく近づきましょう」
街の方でも防衛の強い魔法を準備しているらしい
しかし、私たちがなんとか出来るならその方がいい
黒い存在については討伐対象と言われる
蛇の形のはず...と零していたが
「ミスラからお願い、それでも止まらないなら私もやってみるわ」
「分かった、でも両方ともあの場所から動いてないみたいだから、消し炭にするから出番ないよ」
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