第96話 拳と拳
ーーーーッ!!
ゼブラ、ヴァンの顔に互いの拳撃が叩き込まれ、空中に血渋きが舞う……。
拳撃のダメージ、痛みは険しい表情を浮かべ 、誤魔化し、歯をガチッと食いしばる。
何故なら、殴られて痛い。と言う事より、ムカついた事の方が大きく、気持ちが燃え上がる。
ーーーーーッ!!
ゼブラ、ヴァンは再び拳を伸ばし、拳撃をお互いの顔に叩き込む。
2回、3回、4回、何度も叩き込み、空中に漢気の血渋きが舞う……。
「ダアッ!!」
ゼブラは少し後退。
同時に低く体勢を構え、ヴァンに狙いを定め、レスリングを行い、腰元にガシッと掴みかかり、ズルズルと前に押し込む。
「ちぃっ!!」
ヴァンは、ドスッドスッとゼブラの胸元に膝蹴りを叩き込み、膝撃。
ーーーーッ!!
ゼブラは、膝撃によるダメージによる痛み、吐き気を歯を食いしばり、耐える……。
反撃の如く、上半身から前頭を伸ばし、ヴァンの顎に狙いを定め、頭撃を叩き込む。
山育ちのゼブラは石頭、頭の強さには自信があり、小型のイノシシを気絶させた事もある。
「ぐふっ………」
ヴァンはヨタヨタと後退……。
顎にダメージを与えられた為、口から吐血、視界がチカチカ光る。
ーーーーーーッ!!
ゼブラは険しい表情を浮かべ、中間距離からヴァンに狙いを定め、拳を伸ばす。
「はぁっ!!」
ーーーーヴァンは体勢を低くし、拳撃を回避。
そして、ゼブラのボディに拳を伸ばし、拳撃のカウンターをメキメキと打ち込む。
一方のヴァン、剣術だけでなく、格闘技にも自信はある……。
「ぐっ………」
ゼブラはボディを押さえ、ダメージと吐き気に耐え、ズルズルと後退。
ーーーーッ!!
ヴァンは右脚を伸ばし、近距離からゼブラの横頭に狙いを定め、上段蹴りを放つ。
「がぁッ!!………」
ーーーーゼブラは左腕を掲げ、ヴァンの上段蹴りをガード。
蹴撃により、ゼブラは左側に吹っ飛び、1回、2回と地面に転倒。
ーーーーーッ!!
ヴァンはトドメを刺す為、手刀を構え、ゼブラに向かい、駆け走る。
「ちぃっ!!」
ゼブラの視界に、地面に突き刺さる自身の剣とヴァンの剣が映る……。
ゼブラは、ヴァンの剣を持ち、ヴァンに狙いを定め、投げ放つ。
「当たるものか、バカ者がぁっ!!」
ヴァンは、投げ放たれた剣をパシッと受け取める……。同時に剣を横に構え、斬りかかる。
「当たれよ、このヤロウッ!!」
ゼブラは自分の剣を持ち、斬りかかる。
ーーーーーッ!!
ゼブラ、ヴァンの剣撃が激突し、つばぜり合いを展開させる。
「暑苦しい奴だ……。さっさとくたばればいいモノの……」
ヴァンは傷だらけの表情とは裏腹に、冷静な声を上げる……。
「その暑苦しい奴と、ここまで苦戦するお前はどうなんだよ?……」
ゼブラはチクリと、返答。
「ーーーーーッ!!」
ヴァンはチッと、舌を打ち、跳び下がる。
そして、中間距離から剣を構え、1発、2発、3発の剣突きを放つ。
「ぐっ………」
ゼブラはジリジリと後退。
剣を上段構えで振るい、ヴァンの剣突きを弾き、切り払う。僅かに刃が斬れたのか、頬からポタポタと血の雫が滴る……。
「死ねぇ!!」
ヴァンは剣を振り下ろす。
ーーーーーッ!!
ゼブラは左側にピョンと跳び、回避。
紙一重で回避した後、同時に体勢を立て直し、ヴァンの左側に狙いを定め、斬りかかる。
ーーーーッ!!
ヴァンはゼブラの方向に振り向き、上段に構え、剣撃を受け止める。
ギチギチと金属音を響かせ、緊迫感を漂わせるつばぜり合いを展開させる……。
「お前はカッコいい奴だ、大切な人を守る為なら、どこまでも堕ちる……。もし、俺がお前の立場なら、同じ道を歩いていただろう。そして、今日みたいに、俺とお前は戦うのだろう……」
「何が言いたいっ!?」
ヴァンは剣を押し込み、睨む。
「勝つのは俺だッ!!。それだけだッ!!」
ゼブラはグイグイと剣を押し込み、剣圧でヴァンを後退させる。
「訳の分からないセリフだッ!!。しかし、俺はお前に勝利するッ!!。いや、しなくてはならないッ!!。彼女の為にッ!!」
ーーーーヴァンは十数メートルの距離まで後退し、剣を突き立て、声を響かせる……。
そして、鬼神化・重力の魔王に変身し、全身から重力属性の周波をズウッと広げる……。
「うるせぇ!!、ネタ切れなんだよっ!!。勝つのは俺だッ!!」
ーーーーゼブラは、鬼神化フェニックスに変身し、全身から鳳凰属性の炎圧をパキパキと展開させ、炎剣を構える。




