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ユーギガノス  作者: やませさん
破壊神ラモディウス編
93/260

第92話 突入、死霊の塔

ーーーーゼブラ、ライガは塔の入口の門前に立ち、頂上をジィーっと眺める……。

 塔の高さは数百メートル、頂上付近にはモンスター、人間と言った死霊体が塔の周りを警護するように、グルグルと浮遊している。

 

 死霊は魔力が高い場所に集まる……。頂上付近に溜まっている場所にはディアブロス達がいる。

 そして、ユリアが捕らえられている……。


ーーーーーッ!!


 ゼブラ、ライガは門扉をドンッと、蹴りを叩き込み、ごじ開ける。


ーーーー〈死霊の塔〉ーーーー


 屋内全体は広間が広がり、右端の壁には頂上に続く階段、左端の壁には地下へと続く階段が伸びている……。

 広間の中央部には祭壇が設置され、壇上には無数の骸骨達がゾロゾロと女神に集まり、救いの骨手を差しのべている壁絵が飾られている。


ーーーー2人は右端の階段に向かい、走る。


ーーーーーズウッ!!


 2人が広間の大床に足を踏み入れた瞬間、巨大な詠唱文字が急速に描かれ、詠唱陣が展開した……。


「コイツは探知式の魔導術ッ!!」


 ライガは思わず声を上げる。

 

ーーーーーッ!!


 詠唱陣から無数に伸びる骨手。

 骨手はゼブラ、ライガの全身をガシッと掴み、身動きを捕らえる……。

 骨手の握力は強く、振りほどいて離れるのは不可能に近い。探知式の罠魔導術、敵が足を踏み入れたら発動する魔導術だ。


「クソッ!!、何て力だ……」


 ジタバタ暴れるゼブラ。


ーーーー骨手はゼブラ、ライガをグイグイと引きずり込む行動。二人の足元は詠唱陣に少しずつ、ズルズルと沈み込まれていく……。

 ヤバイ……。このままでは、二人は引きずり込まれる。骨手の握力からは、力を吸収する能力をも備えられ、ゼブラ、ライガは力が抜ける。


(こうなったら……)


 ライガはニヤリと微笑む。

 碗力を振り絞り、骨手を振りほどき、ゼブラを担ぎ上げる。


「ライガ、何をするつもりだッ!!」


 ゼブラは声を上げる。


「こうするんだッ!!」


ーーーーライガはゼブラを上階段に向け、放り投げる。


「ライガ、アンタはどうするんだっ!!」


 ゼブラは階段前に着地。

 ライガは無数の骨手に再度、掴まれ、ズルズルと沈み込まれていく……。足元から腰元まで、上がるにはヤバイ状況である。

 助けなければ……。と、ゼブラは考える。


「お前が行け、お前がお嬢ちゃんを救うんだ!!。それがお前自身、いや、お前やお嬢ちゃんに与えられた責務だッ!!」


 ライガはギロリと睨み、声を上げる。


「でも……」と、ゼブラは戸惑う。


「バカ野郎、お前が行かなくちゃ誰が行くんだッ!!。お前にとって、お嬢ちゃんはその程度だったのかっ!!、あの時、俺に叩き込んだ一撃の意思は嘘だったって言うのかッ!!」


 と、ライガは激昂。


(すまん……)


 ゼブラは階段を駆け登り、走る。


(フン……。それで、それで良いんだ……)


 ライガはニヤリ……。同時にズルズルと詠唱陣の中に吸い込まれ、消えた……。

 彼の表情からは、自身の行動にスッキリした様子が伺える。詠唱陣が消えた後、大広間は何事も無かったように元に戻る。


ーーーー〈通路階段〉ーーーー


 ゼブラはカツカツと足音を鳴らし、階段を駆け登っていた。レンガ壁には松明が灯され、走る風圧により、火がユラユラ揺れる。

 ライガ、彼は幾つもの修羅場を潜り抜けた熟練の冒険者だ。生きている事を信じるしかない。


ーーーー数分後、階段を駆け登った先には扉。


「ていっ!!」


 ゼブラは扉を蹴破り、侵入。


ーーー〈通路廊下〉ーーー


 廊下を伸びるレッドカーペット、壁には上品な装飾ランタンが灯され、天井にはシャンデリア。

 外部の光景とは裏腹に、気品に満ちた景色が広がっている……。


ーーーー………。


 レッドカーペット、天井、壁に詠唱陣が展開。

 詠唱陣からズルズルと召喚されたのは骸骨騎士ボーンナイト

 数は、1体、2体……、10体以上の骸骨騎士ボーンナイトが出現し、ガチャと剣を構える。

 主人ディアブロスが召喚主の為か、骸骨騎士ボーンナイトの装備が少し華がある。


「外見とは裏腹に、随分と用心深い奴だ、感心するぜッ!!」


 と、ゼブラは皮肉を吐き、剣を抜く。

 同時に突っ込み、駆け走る……。


ーーーーッ!!


 骸骨騎士ボーンナイト達はカタカタと骨を鳴らし、剣を振り回す。

 数体の骸骨騎士ボーンナイトは斬りかかる。


「お前らに鬼神化は必要ねぇッ!!」


 ゼブラは剣を横に振るい、1体の骸骨騎士ボーンナイトに狙い、剣撃を叩き込む。


ーーーー数体の骸骨騎士ボーンナイト達はゼブラの剣撃に巻き込まれ、地面に転倒。


「ーーーーーッ!!」


 ゼブラは転倒した1体の骸骨騎士ボーンナイトの頭をガシャと踏み潰し、駆け走る。

 右側から斬りかかる1体目の骸骨騎士ボーンナイトは剣を振り上げ、左側から斬りかかる2体目は剣を降り下ろし、両断。


ーーーーッ!!


 1体の骸骨騎士ボーンナイトは片手剣を振るい、正面からゼブラに斬りかかる。


ーーーーーゼブラは上半身を屈ませ、回避。

 中間距離から突っ込み、骸骨騎士ボーンナイトにタックル。


ーーーータックルがヒットし、骸骨騎士ボーンナイトを床に転倒し、骨がバラバラに飛散。


「どけどけぇッ!!」


 ゼブラは通路廊下のレッドカーペットを駆け走り、次々と骸骨騎士ボーンナイトを斬り倒す。

 レッドカーペットは、骸骨騎士ボーンナイト達の粉砕骨が散らばっている。


ーーーーそして……。ゼブラはレッドカーペットの通路廊下を抜け、階段をさらに駆け登る……。


「ここが……」


 ゼブラの正面には巨大扉。

 扉は青銅に造られ、月と太陽の紋章が刻まれ、扉の奥からはドス黒い雰囲気が漂っている。

 奴は、この先にいる……。と、ゼブラは剣をギュッと右の片手で握り、左の片手で巨大扉のドアノブに手を伸ばした……。


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