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ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
78/260

第77話 いざ、奴(アンドラス)の所へ……。

「入る作戦だと?……」


 鬼神化フェニックスは、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードに視線を向ける。


「そうだ。少し難しいが、貴様と協力すれば出来ない事ではない……」


 鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは黒剣を構え、黒い異形を眺める。

 奴と協力するのは気が進まんが、目的の為だ。その後は、ゼブラを消して、ディアブロスの所に連れて行くだけだ。


「なら、俺はどうすればいい?」


 鬼神化フェニックスは炎剣を片手で構える。


「簡単だ、貴様は黒い球に向かって突っ込め……。俺は、奴が展開する爆発の場所に、自身の魔力に変換させ、打ち消す。それだけだ……」


 鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは鬼神化フェニックスの後列に移動し、黒剣を構える。

 後列のヴァンは援護、前列のゼブラは攻撃。粒子爆発を回避し、黒い異形に接近するには、コレしかない。


「簡単だな、よし、ついてこいっ!!」


ーーー鬼神化フェニックスは炎剣を横に構え、全身に炎を燃え盛らせ、黒い異形に向かい、飛行。


「貴様が仕切るなっ!!」


ーーー鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは全身に黒熱を漂わせ、飛行し、ゼブラの後を追いかける。

 何故か、ゼブラと一緒なら、心強い。達成出来るかもしれない。

 

ーーーーッ!!


 黒い異形は地鳴りを響かせ、詠唱。

 空中全体に、粒子爆発の発動段階である熱圧がバチバチと、無数に漂わせる。

 これが、粒子爆発のポイントである……。


「来るぞっ!!」


 鬼神化フェニックスは、後列の鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードに向き、伺う。


「分かってるっ!!」


ーーー鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは黒剣を掲げ、粒子爆発のポイントに狙いを定め、詠唱。


ーーーーッ!!


 空中全体の粒子爆発のポイントは、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードの属性魔力の変換により、停止した……。

 鬼神化フェニックスは、魔力ポイントに自身の魔力を変換させる技は、得意ではない。

 一方の鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは、遠距離攻撃を得意とするので、魔力ポイントに自身の魔力を変換する技は、得意である。


「ナイスだっ!!」


 鬼神化フェニックスは、後ろの鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードに向き、親指を立てる。


「うるさいっ!!」


 鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードはムキなり、黒剣をブンブンと振る。


ーーーーそして。


 黒い異形はパキパキと脈音を響かせ、全体を震動させる……。


「オイッ、入り口は?」


 鬼神化フェニックスは空中停止し、辺りをキョロキョロと眺める。


「それは、貴様が作れっ!!」


 と、鬼神化重力の魔王グラビティ・ロードは後ろに振り向き、黒剣を掲げ、粒子爆発を自身の魔力に変換させ、停止させる。

 しかし、停止させていられるのにも時間はない。早く、入り口を作らなくては……。


「作れ、だと?……。なら、これでどうだっ!!」


ーーー鬼神化フェニックスは魔力を宿らせ、全身に炎を燃え盛らせ、突っ込む。

 技は、ゼブラの必殺技、孔雀鳳凰剣である。

 道は、無ければ切り開いて作るのみ……。が、ゼブラの考えだ。

 刃身から燃え盛る炎の長さは数十メートル、威力は強力だ……。


ーーー黒い異形の下層から、鬼神化状態により確認可能な熱圧がジワジワと浮かび上がり、魔力反応のポイントを示している。


孔雀鳳凰剣くじゃくほうおうけんッ!!」


ーーー鬼神化フェニックスは魔力反応ポイントに炎剣を振るい、ダメージを与える。


ーーーーーッ!!


ーーー孔雀鳳凰剣くじゃくほうおうけんの一撃により、魔力反応ポイントは、鬼神化フェニックスの属性魔力を注がれた事により、紅炎のゲートに変貌した。

 炎の輪の中心に、黒い渦がグルグルと渦巻き、紅炎のゲートを形造る。

 

「行くぞっ!!、突入だっ!!」


ーーー鬼神化フェニックスは紅炎のゲートに入り込む。


「ふん………」


 鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは後を追い、紅炎のゲートに突入。

 そして、2人の鬼神化使いが突入したと同時に、紅炎のゲートは、パキッと渇いた音を響かせ、消滅した……。


ーーーこの先は人外の領域、人が中に入る事が許されない闇の領域であり、言葉では表せない恐怖の空間である……。

 人は何故、闇を怖れるのか……。闇により、自身の心が漆黒に染まり、が怖いからである。

 は、死……。闇は……、を表している……。


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