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ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
77/260

第76話 希望は、託された……。

「待て、2人共……」


 ムジカは決心の声を上げ、ゼブラとヴァンを呼び止める……。

 自分は間違っていた。勝利の為に、大切なリサを犠牲し、勝利したとしても、祖先のアストラルは喜ばない。彼なら、自身の命を犠牲にしても、大切なリサを助けに行くだろう。

 

ーーー2人は、ムジカに振り向く。


「ーーーーッ!!」


 ムジカは2人の肩を後ろから掴み、詠唱。


「ーーーーーッ!!」


 ゼブラ、ヴァンの足元に詠唱陣が描かれ、回復。

 全身から緑の光粒子が放出し、与えられたダメージ、重い疲労感が、抜けていく。

 

 体調はまるで朝起きた様に軽く、よい気分……。


「うっ……。頼んだぞ、2人共……」


 回復魔導術を唱えた後、ムジカの髪は白濁に変色し、顔中はパキパキとシワが広がる。

 彼は全ての魔力を2人に流し込み、回復させたのだ。今の自分が戦うより、2人に託した方が、得策と判断したのだ。


「ああっ……」


 ゼブラは鬼神化フェニックスに変身。


「俺は、あのクソガキにムカついたから貴様に協力するだけだ。奴に借りを返さなくてはな……」


 ヴァンは、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードに変身。

 彼は魔界軍に追われ、殺されかけ、死にかけた……。 と、アンドラスから見せる冷酷な表情により、ここまでの思い出に腹が立ち、許せない。


ーーーー2人の鬼神化使いは、黒い異形を睨む。

 同時に、黒熱の微風が、地面全体に暖かく吹き付け、漂わせる……。


「かはっ……。ハァ……、ハァ……」


 ムジカは咳き込み、へたり込む。

 全身の感覚は軋むように痛々しく、多大な疲労感がズシッと現れていた。

 

「ムジカさんっ!!」


 ムサシはムジカの肩を抱き、支える。


ーーーーッ!!。


 2人の鬼神化使いは飛翔し、黒い異形に向かい、空を切るスピードで飛行するのである。

 2人を、信じよう。待っているのは、地下世界アストラルに生きる者達全てである。

 

 ーーーユーギガノスに選ばれし刃

       戦地を駆け抜ける時

          始まりの戦乙女ヴァルキリーは目覚め、運命は2つに1つに別れん……。


        ~ミュードロウ黙示録来の詩。


(頼んだぞ……。二人共……)


 ムジカは瞳を力無く閉じ、何を思ったのか、ミュードロウの黙示録を思い出した。

 先の運命は2人次第、先は希望、終末か……。


ーーーー〈エボルド森林上空域〉ーーーー


ーーー鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは、森林上空を飛行。


 地上の森林全体は、黒い異形から広がる魔力により枯渇し、荒廃の地帯となっている。

 荒廃地帯には、逃げ切れなかった小動物、兵士の戦死体の白骨死骸が散らばり、黒熱の毒素が充満。


ーーーーーッ!!


ーーー黒い異形は空中にズウッと地鳴りを響かせ、地上に黒熱の毒素を噴出させる。


ーーー鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは空中で停止し、眺める。


「近くで見ると、凄い威圧感だな……」


 鬼神化フェニックスは炎剣を構え、伺う。


ーーーーーッ!!


 黒い異形は全体に黒熱の毒素を放出させ、震わせる。


「ーーーーーーッ!!」


ーーーーすると、鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは察知し、一辺に離散し、空中移動。


ーーーーッ!!


ーーー離散した所から黒球の粒子爆発が発生。

 黒い異形は、空中に漂わせる毒素を無差別な場所に凝縮させ、粒子爆発を発生させる。

 1発の粒子爆発の威力は、龍老樹ドラグーンの力を宿している事により、大きい。


「ーーーーーーッ!!」


ーーー鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは粒子爆発の場所を察知しながら、空中移動。

 空を切るスピードで飛行し、回避、回避、回避。


ーーー空中に広がる黒球の粒子爆発。

 爆煙が充満し、爆煙から魔力を凝縮させ、粒子爆発を繰り返す。


「クソッ。入り口が分からないし、爆発で近づけないっ!!」


 鬼神化フェニックスは数百メートルの距離まで下がり、空中停止し、黒い異形を眺める。

 黒い異形の空中爆発は、範囲が限られている為、鬼神化フェニックスの距離まで届かない。

 しかし、長くは戦っている時間はない……。


「何だ。大層に言ってた割には言い訳か?」


ーーー鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは鬼神化フェニックスの隣に移動し、炎剣を片手で

構える。


「言ってるお前も、こっちに来てるじゃねぇか?」


 と、鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードをムッと睨む鬼神化フェニックス。


「貴様とは理由が違う。こっちは入り口に入る作戦を思いつき、実行しようする所だ……」


 鬼神化・重力の魔王グラビティ・ロードは黒剣を構え、黒い異形を眺める。

 ヴァンは空中移動の中、鬼神化の思考力から戦術を想像し、考えていた。現役の傭兵である彼は、戦術が豊富であり、ゼブラとは経験が違う……。



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