第71話 どうすればいい
「変態がゾロゾロと……。全て片付けてやる」
ーーー鬼神化・重力の魔王は黒剣を掲げ、属性魔力の重力を全域に漂わせ、空中に無数の詠唱陣を描き、無数の詠唱陣から重力の雨撃の光線を一斉放射。
ーーー黒熱の爆煙が辺りに充満し、視界不良……。
「ーーーーッ!!」
爆煙が切り裂かれ、晴れる……。
10体の分身ムジカは両手を掲げ、重力の雨撃の光線を吸収し、全身に白濁色の魔力結界を展開。
「黒曜の光爆」
本体のムジカは、静かに詠唱。
ーーーーーーーッ!!。
ーーー10体の分身ムジカは全て粒子化。
粒子化した分身ムジカは、部屋全域に、黒曜の十字架形の粒子爆発を展開。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王は黒曜の光爆を浴び、ダメージ。
鬼神化を持ってしても、爆発の場所を反応し、回避行動と同時に、爆発してしまう。
同じ魔導術を使用したローズ・ハットンとは、魔導術の質が違う。
「黒曜の雷剣」
ムジカは静かに詠唱。
ーーー空中に、紫雷をバチバチ漂わせた5体の黒曜の巨剣を具現化させ、降下。
「重力の反射結界ッ!!」
ーーー鬼神化・重力の魔王は黒剣を掲げ、重力の反射結界を空中に広げる。
黒曜の雷剣を空中で停止させ、バチバチと雷流を放ち、受け止める。
「ーーーーーッ!!」
ーーー鬼神化フェニックスは炎剣を横に構え、ムジカに向かい、一気に駆け走る。
(………)
ムジカは、正面から突っ込む鬼神化フェニックスに、アメジストグリモアを片手で構える。
「ーーーーッ!!」
ーーー鬼神化フェニックスは全身に鳳凰の炎を燃え盛らせ、近距離から炎剣を振るう。
自身の気持ちに、ユリアを思い浮かばせ、鬼神化をパワーアップ。
鬼神化は、自身の意識の強弱により、パワーを大きく左右する。例え、小さな願い事でも、強く思えば思うほど、鬼神化はパワーアップする。
(………)
ムジカは、アメジストグリモアを掲げ、受け止める。
ーーーアメジストグリモアの剣圧、鬼神化フェニックスの剣撃が交じり合い、ぶつかり合う衝撃により雷流をバチバチと漂わせる。
ーーーーーッ!!
ムジカ、鬼神化フェニックスは中間距離まで跳び下がり、体勢を立て直す。
「黒曜の六突破」
ーーームジカは残像が残るスピードで移動し、鬼神化フェニックスに突っ込む。
ムジカは六体に分身し、鬼神化フェニックスの正面から剣突きを打ち込む。
アメジストグリモアにより、使用者の身体能力を100倍アップさせる。
「ーーーーーーッ!!」
ーーー鬼神化フェニックスは炎剣を振るい、剣突きを受け流そうとするが、100倍スピードアップした剣突きは全て受け流せず、100発のダメージを受け、衝撃で吹っ飛び、地面に一回、二回と叩きつけられる。
「黒曜の雷柱」
ムジカは詠唱。
「グアッアアアアアアアアアッ!!」
ーーー鬼神化フェニックスの立ち位置に、闇の詠唱陣が描かれ、黒曜の雷柱がゴウッと轟音を響かせ、昇雷。
黒曜の雷柱のダメージにより、鬼神化フェニックスの全身は雷流がバチバチと漂わせ、生身なら、丸焦げ、即死している……。
「重力の雨撃ッ!!」
ーーー鬼神化・重力の魔王は唱え、空中に無数の詠唱陣を描き、特異能力の重力をムジカに漂わせ、重力の雨撃の光線を一斉放射。
「ーーーーーッ!!」
ーーームジカは1発、1発の重力の雨撃の光線を、華麗な足さばきで回避。
全域に、白濁の爆煙が吹き立てる……。
「重力の爆裂波ッ!!」
ーーー鬼神化・重力の魔王は、左側数十メートルの距離に立ち、止まった所に狙いを定め、ムジカに重力の爆裂波の光線を放射。
「ーーーーーーッ!!」
ムジカはアメジストグリモアを片手で掲げ、重力の爆裂波を受け止める。
「ーーーーーッ!!」
ーーー鬼神化・重力の魔王は、高速でムジカの背後に移動し、刃身に黒熱を漂わせ、黒剣を振るう。
重力の雨撃、重力の爆裂波は、囮……。
「ーーーーーッ!!」
ムジカは察知。
左側にスッと跳び、鬼神化・重力の魔王の剣撃を避け、通過させる。
「クソッ!!」
鬼神化・重力の魔王は急いで体勢を立て直し、ムジカに振り向く。
「遅い……」
ムジカは鬼神化・重力の魔王に闇属性の魔力を宿し、熱圧を燃え盛らせる左掌を掲げ、闇の衝撃波を放つ。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化・重力の魔王は、衝撃波がヒットし、吹っ飛ぶ。
地面に一回、二回と叩きつけられ、空中でクルリと回転し、体勢を立て直す。
どうすればいい、強すぎる……。鬼神の意識から屈指した戦術を展開しても、一撃のダメージすら与えられない……。
(………)
ムジカは、黒曜の熱圧を全域に燃え盛らせ、アメジストグリモアを片手で構えている。
最悪な事に、パワーが増幅され、全身から黒曜の熱圧がジワジワと漂わせ、黒曜に染まっている。
正直に言えば、勝てない……。と、言いたい状況である。




