↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
68/262

第67話 VSアンドラス

「チェルシー……。いや、アンドラス、貴様をユーギガノスの名の下に、無に葬らんとする」


 ムジカは剣を構え、冷徹の表情。

 仲間であるチェルシーは、地下世界アストラルに戦争を引き起こした黒幕。仲間の情を欠き消し、代わりに冷たく、そして熱い戦闘意識がジリジリと滲み出す。


「私と戦う気かい?。なら、戦闘領域(バトルフィールド)をチェンジだね」


 アンドラスはパチンと指を鳴らす。


ーーーその時、龍老樹(ドラグーン)の広間全体に生え茂る草花が一斉に悲鳴をあげるように、白い粉塵を空中に発生させ、ズシンと揺れる……。


「まさか……。やめろっ、この場所を壊すなっ!!」


 鬼神化フェニックスは何かを察知し、アンドラスに視線を向ける。


ーーーそして、龍老樹(ドラグーン)の広間全体に生え茂る草花は一斉に粉塵化し、巻き上がる。

 地面の土質は死に、褐色に荒廃し、残ったのは、木ノ葉がパキパキに枯れた龍老樹(ドラグーン)、全体は広域な闘技場(コロシアム)と化した。


「これで、スッキリしたでしょ?」


 アンドラスは無邪気かつ、残虐なスマイル。

 龍老樹(ドラグーン)の広間に生えていた草花は、地下世界アストラルで生を終えた生きとし生きる者の魂を表し、還る場所を意味している。


「貴様、今やった事の意味を分かっているのか?。ここの花達は皆、地下世界アストラルで死に、生まれた全ての命、それを貴様は全て消したんだぞっ!!」


 ムジカは剣を突きつけ、怒りの咆哮。

 龍老樹(ドラグーン)の広間に生える草花を消した事は、人を大量虐殺した事を意味する。


「所詮、花でしょ?。人間と同じで弱く、いつかは朽ち果てる運命。違う?」


「なら、教えてやる。貴様に人間の強さを……」


 ムジカは四属性の魔力を宿し、虹色の熱圧を全身に漂わせ、剣を構える。


「なら、遊んであげる。言っておくけど、私は強いよ。力を暴走させて消滅させたローズ・ハットンとは訳が違う。まぁ、用済みになれば彼も消すつもりだったけど手間が省けたよ。もし、君達が私を倒せば、お姉様を返してあげる」


 アンドラスは龍老樹(ドラグーン)の太枝から飛び降り、体勢を立て直す。

ーーー異次元に高い魔力を宿し、全身からドス黒く、熱圧、バチバチとした黒い雷流を漂わせる。

 全身に漂わせる熱圧、雷流により、小石や塵が浮遊し、能力値の高さを物語る。


「なら、全力で行く。氷よッ!!」


ーーームジカは氷属性の魔力を宿し、ビシッと左手で詠唱陣を描き、詠唱。

 そして、全域にキラキラと光る氷の粒子が充満し、氷の霧(アイスミスト)を展開。

 

「ーーーーッ!!」


 氷の粒子はパキパキと凝縮し、10体のムジカの造形分身を形成。

 ムジカの分身達は剣をスラリと構え、アンドラスに斬りかかる。


(ふん……)と、アンドラスは指を鳴らす。


ーーーーアンドラスが指を鳴らしたと同時に、ムジカの造形分身達はパキっと割れ、消滅……。

 奴は指先に自身の魔力を宿らせ、音波を響かせ、造形分身に宿る魔力を解放させ、浄化させたのだ。


「こんな小細工が通用するとでも?」


 アンドラスは黒い息を吐き、不敵に笑う。

 

「ーーーーッ!!」


ーーー鬼神化フェニックスは炎剣を構え、陽炎のスピードで突っ込み、中間距離からアンドラスに狙いを定め、炎剣を振るう。


「クスクスクス……」


ーーーーアンドラスはクスクスと笑い、瞬間移動のスピードで回避し、鬼神化フェニックスの背後に移動。

 

「ーーーーーッ!!」


 鬼神化フェニックスは察知。

 背後に移動したアンドラスに振り向き、炎剣を脇に振るう。


「甘い」


ーーーアンドラスは魔力を宿らせた右掌をビシッと掲げ、黒熱の衝撃波の放つ。

 鬼神化フェニックスを吹き飛ばさし、一回、二回と地面に叩きつける。


「ーーーーーッ!!」


ーーー重力(グラビティ)を漂わせ、鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)は黒剣を構え、投げ飛ばされる鬼神化フェニックスの横を通過し、アンドラスを正面から突っ込む。

 鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)から漂わせる重力(グラビティ)を浴びれば、並の人間なら重圧で動けない。しかし……。


「ーーーーーッ!!」


 アンドラスは中間距離からガシッと両手を伸ばし、鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)の黒剣を掴み、グルグルと回し、左側に投げ飛ばす。


「ーーーーーーッ!!」


ーーー投げ飛ばされた鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)は壁に衝突跡を残し、叩きつけられる。


(………)


 アンドラスは辺りを眺める。

 熱を加えた紅の霧がジワジワと空気中に漂い、パキンと音を響かせ、10体の粒子結晶体に造形化させていた。


「ーーーーーッ!!」


ーーー10体の結晶体はムジカに姿を変え、剣を構え、アンドラスに斬りかかる。

 紅の霧の正体はムジカの幻想魔導術、結晶体から変身させ、囮攻撃を仕掛ける戦法だ。

 ムジカの分身はいくら破壊しても、魔力が続く限り、再生する。

 

「ーーーーーーッ!」


 アンドラスは屈み、跳脚。

ーーー1体、2体、3体、と、同時に振るう分身ムジカの剣撃を潜り抜ける。


ーーー潜り抜けた先、アンドラスの正面に2体の分身ムジカが剣を振り下ろす。


「ーーーーーーッ!!」


 アンドラスは立ち止まり、2体の分身ムジカの剣を両手でガシッと受け止める。しかし……。


 パキパキパキ………。


ーーー2体の分身ムジカは紅熱の結晶宝に変化し、アンドラスの全身を摂り込む。


「ーーーーーッ!!」


ーーーアンドラスを摂り込み、結晶体化したアンドラスの左側から鬼神化フェニックス、右側から鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)が剣をガシュと突き刺し、魔力を注入。

 魔族には、物理攻撃を加えるより、魔力を直接注入すればダメージの効率はよい。


「何をしているの?」


 アンドラスの声。


「ーーーーーーッ!!」


 鬼神化フェニックス、鬼神化・重力の魔王(グラビティ・ロード)は声の方向である右側に視先を向ける……。

 映るのは、ムジカの喉元から片手で持ち上げ、残酷な笑みを浮かべるアンドラス。

 分身ムジカの姿は一体も見当たらない……。恐らく魔力解放されて消滅したのだろう。

 結晶石に摂り込まれたアンドラスは偽者、いや、摂り込まる直前に、自身の肉体から精神体だけを脱出させ、後方に移動し、精神体から肉体を再構築した……。


「こんなんで私を倒そうと?」


 アンドラスはムジカをポイッと投げ飛ばす。


「ゲホッ、ゲホッゲホッ!!」


 地面に叩きつけられ、苦悶の様子を浮かべながら咳き込むムジカ。


「さて、準備運動はこの位にして……」


 アンドラスは首をコキコキと鳴らし、両手を掲げ、詠唱。

 本番は、ここから……。スピードは、準備運動のレベルとは思えない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。