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ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
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第44話 隠れ者のカメレオン

「特殊部隊には、俺とムサシ、ゼブラとカメレオンの四人だ……。少し言い方が悪くなるが、この特殊部隊の任務は重要な役割であり、実力が長けた者でなければ難しいからだ……」


 ムジカは腕を組み、説明した。


ーーームジカの説明に、ムサシとゼブラはチラリと視線を向ける。


「俺達が合図を送ったら、お前達は遠慮なく進撃開始に移ってくれ。戦いの最後はお前達にかかっている。期待しているぞ……」


 ムジカは会議室テーブルに座る上級兵士達に、期待の気持ちを送る。

 ユーギガノスの子孫であり、義勇軍に役立たずの戦士はいない……。と、言う意味を表している。


ーーームジカの言葉に、上級兵士達は一斉に立ち上がり、ビシッと敬礼。


「ところで、カメレオンって誰だ?。姿が見えないけど……」


 ゼブラはムサシに尋ねる。

ーーーすると……。


「ボクチの存在に気づかないとは、未熟練なヤチだよ……」


 擬態の紙が、会議室テーブルの天井からベリッと剥がれ落ち、現れたのは小柄の少女。 

 紫の丸髪。細い瞳に小さな口、身長は130センチ、顔立ちは十代前半の幼女だ。

 左頬には(隠)と刻まれた入れ墨、紺色の袖無しフィットスーツを着用し、両手には吸着グローブ。 ピッタリした黒の半ズボンに足袋。 体型は細く、戦い向きとは思えない。

 彼女は義勇軍の連絡兵であり、味方に位置を伝える役割を持っている。


「相変わらず、隠れるのが上手いな、カメレオン……」


 ムジカは関心な声をあげる。

 彼女を連絡兵に勧めたのは、かくれんぼでも一度も見つかった事もないからだ。


「ありがとうデシ、ムジカさん……」


 カメレオンは天井から飛び降り、会議室テーブルに着地。

ーーそして会議室テーブルから降り、ゼブラとムサシに歩み寄る……。


「ゼブラ・ハルシオンだ。よろしく、カメレオン」


 ゼブラは言った。


「ムサシだ。お前とは初対面だが、よろしく」


 ムサシは言った。


「………臭い」


 カメレオンは鼻をクンクンと動かし、ムサシの全身を眺める。


「何っ?……」


 ムサシはイラッした様子、思わず足を一歩踏み出す。


「オイッ、ムサシ………」


 なだめるゼブラ。


「匂う、匂う、匂う……。アヌタの全身から漂う汗の匂いから隠れたフェロモンが……匂う。アヌタ、好きな人がいますね。くさい、そしてエロいっ。くさエロいっ!!」


 カメレオンは独特な喋りでムサシに近づき、彼女の全身を隅々まで眺め、嗅ぎ回る。

ーーー次の瞬間。


「ーーーーーーッ!!」


 ムサシは赤面。刀を抜き、カメレオンに振るう。

 一辺は属性魔力により、氷結化……。


「よっと……。ウヒヒヒヒ……」


 カメレオンは嘲笑い、紙一重でバク転し、会議室テーブルに着地していた。 

ーーーー殺気立つ雰囲気に、会議室は氷結の粒子煙を吹き立て、騒然……。


「クソガキ……。コロス……」


 ムサシは瞳を鋭く凄ませ、刀を構える。


「ムサシ、落ち着けって……」


「うるさいっ!!。キサマは触るなっ!!」


 なだめようとするゼブラを、ムサシは憤った表情で刀を振るう。

 一方のゼブラは尻餅を着かせ、転倒。

 今、ゼブラが彼女をなだめようとしても、火に油を注ぐだけらしい……。

 何故なら、ムサシの頭にはゼブラが浮かんでいて、イライラする感覚に悩んでいる。


「くさエロい内面が表にデテル、デテル……。ウヒヒヒヒ」


 と、嘲笑うカメレオン。


「止めないかっ!!、テメェらっ!!」


 ムジカは怒号を上げ、会議室テーブルをドンッと踵を落とし、事態を静まり返させる……。


ーーームジカの声に、ムサシとカメレオンはケンカをピタリと止める。


「お前達を呼んだのはケンカさせるためではない。これから始める任務の説明の為に召集した。本来なら連帯責任として罰則を与えるのだが、状況が状況だ、そんな暇はない。罰則はこの戦いが終わってから受けてもらう、覚悟しておけ……」


 ムジカは言った。


「頑張れよ、ムサシ……」


 自分は関係ない。と、安心のゼブラ。


「何を安心しておる?。ゼブラ、お前も罰を受けてもらうぞ……」


「えっ何で?、俺関係ないぞ?」


 ムジカの言葉に、ゼブラは不満の声をあげる。


「連帯責任だ。同胞の失態は皆の失態……。今度こそ、コスプレ楽しみにしてるわよ、ウフフフフ……」


 途中、ムジカはオカマ口調に戻り、笑い声。


(マジかよ………………)


 肩を落とし、落ち込むゼブラ。

 戦い終わってから、忘れている事を祈る……。


ーーーそれから気を取り直し、ピリピリと張りつめた緊張感を漂わせ、作戦会議。

 ムジカが話す作戦内容を耳に入れ、どんな小粒の言葉でも聞き逃さない。

 緊張感か張りつめている為か、鬼神化使いのゼブラの感覚は、どんな小さな言葉でも察知され、耳に入ってくる。

 一方のムサシは嫌悪の瞳を輝かせ、まだカメレオンを睨んでいる。


(大丈夫かな…………)


 ゼブラは心配な様子で二人を見守る。


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