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ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
44/260

第43話 次なる作戦。進撃?監察?

ーーー〈医務室〉ーーー


「待ってくれっ!!」


 目を開き、ゼブラは手を伸ばす……。


 目を覚ました場所は医務室のベッド、黒染みで薄く汚れた白い天井、壁、タイル張りの床。

 4台のベッドが縦にズラリと並び、3列目のベッドに身体を横に倒していた……。

 消毒液の匂いが室内をキツく充満させ、地下世界の環境の質のせいか、温暖。

 消毒液がキツいのは温暖な為、菌が繁殖しやすいからだ。


「起きたか、ゼブラ……」


 ベッドの横の座椅子に腰掛け、ゼブラを見つめるムサシ。


「何をしているんだ?」


 ゼブラは尋ねる。


「お前がなかなか目を覚まさないから見に来ただけた。……べっ、別にお前自身が心配で見に来たわけワケじゃ無いんだからな。アクマでも、共に戦う仲間としてだな……」


 ムサシは頬を紅く染め、モジモジさせる。


ピタッ……。


 ゼブラはムサシの額に手を伸ばす。

 ムサシの額、自身の額に手を当て、容態を計る。


「ーーーーーーーッ!!」


 ムサシは顔を紅く染め、口をのパクパク。

 ゼブラの顔が自身の瞳に映り、言葉に表せない気持ちをバクバクと振動させる。

 馴れ馴れしい、しかし嫌な気持ちではない。


「熱はないようだな……。お前、さっきから顔を赤いし、大丈夫か?」


 ゼブラはムサシの額から手を離し、尋ねる。


わなわなわなわな………。


 ムサシはうつ向き、身体を震わせる。


「どうした?……」


 ゼブラはムサシをジィーと見つめる。


「貴様なんぞっ!!、貴様なんぞっ!!、貴様なんぞっ、貴様なんぞっ!!」


 ムサシは頬を紅く染め、患者のゼブラに刀をブンブン振り回す。

 嫌いじゃない。けど、コイツには何故か腑抜けた様子を見せられない……。と言う自身の固いプライドが素直な気持ちを閉じ込めてしまう。


「チクショー。なんだってんだっ!!」


 ゼブラは驚き、ブンブンと振り回すムサシの刀を危うい動きで避け、ベッドから転倒。

 身体を横に倒していたベッドのシーツは切り裂かれ、ボロボロの状態になっている。

 ゼブラはムサシの気持ちはわからない……。

 印象では、奴は変な所でムキになるし、怒ると刀を振り回すし、扱いには難しい……。


ーーー〈会議室〉ーーー


「ダリウス平原の中央ラインの監察隊によれば、魔界軍に今の所、目立った動きを見せていません。最初、森林の出入り口を行き交っていた兵士は、一人もいなくなりました……」


 監察隊の代表兵士は立ち上がり、報告。


(……………)


 会議テーブルに腰掛ける上級兵達は腕を組み、重たい雰囲気を漂わせ、沈黙。

 

「奴ら、態勢を立て直しているかもしれない。今、このスキに全軍で一斉進撃するべきだ……」


 第2部隊長は立ち上がり、発言。


「奴らが待ち伏せしている可能性がある。監察隊を派遣し、調査すべきだ……」


 第3部隊長は立ち上がり、主張。


「何を言っている。今、我が軍が落ち着いたからこそ、進撃を仕掛ける好機ではないか?。監察隊を派遣した所で、奴らに態勢を立て直す時間をさらに与えるだけだ。絶好の好機をムダにするのかっ!?」


 第2部隊長は苛立つ声をあげる。


「絶好の好機だと?……。冷静に考えるんだ、森林の出入り口に奴らは姿を見せない。これが怪しい以外、何がある?。今、何も考えず進撃した所で、奴らの策略にハマり、態勢を崩したらもう遅いのだよっ!!。監察隊を派遣するべきだっ!!」


 第2部隊長派の上級兵は立ち上がり、発言。


「状況はコチラが有利だ。例え策略にハマっても、一時的勢いが乱れるだけ、すぐに態勢が立て直る。進撃するべきだっ!!」


 第3部隊長派の上級兵は立ち上がり、発言。


ーーーーそして会議は荒れ、進撃派と監察派と分かれ、激しい論争が会議室に響き渡る。

 この様子では、永久に答えは決まらない。時間だけが、一刻と過ぎていく……。


「ーーーーーーッ!!」


 ムジカは憤った表情で会議室のテーブルに拳をドンッとを叩きつける。


ーーームジカの様子に論争を響かせていた上級兵士達はカチンと静まり、ムジカに目を向ける。


「貴様ら、ロクに会議をまとめる事も出来ないのか?……」


 ムジカは憤った表情を浮かべ、低い声をあげる。


「すいません、遅れました……」


 会議室に都合の悪いタイミングで入室したのはムサシ、隣にはゼブラ。

 会議室はピリピリした緊迫感が重苦く張り詰め、言葉を出すのを躊躇ってしまう。

 会議室のテーブルのイスは満席の為、ゼブラとムサシは室内の端に立っておく事にする。


「先程の戦いで勝利したのに、意見の結束力が無さすぎる。まぁ、お前達の論争は否定しない。戦いを慎重に動かしたり、進撃に動かしたい気持ちもわかる……。ワシが意見を唱えよう……」


 ムジカは立ち上がる。


ーーー上級兵士達は静まり、ムジカに目を向ける。


「まずは、全部隊再編成。その後、ダリウス平原中央部にて、エボルド森林に全軍進撃を開始したい。と、言いたい所だが、むやみに敵地に踏み込むのは危険だ。そこで、作戦を考えた……」


 ムジカは会議テーブルの上にダリウス平原の地図をバサッと広げる。

 青のチョークを手に取り、義勇軍のマークである青の目印を、ダリウス平原の地図の中央部に描く。


ーーーゼブラとムサシ、会議室の兵士達はダリウス平原の地図に目を移す。


「敵は知っての通り、エボルド森林に潜伏している。進撃したい所だが、敵の作戦やトラップに捕まり、体勢を崩してしまっては元も子もない。そこで、最小限の行動が可能な特殊部隊を送る……」


 ムジカは真剣な表情を浮かべ、(特殊部隊)と、記された札を、エボルド森林の地図に置く。


ーーー会議室に、真剣に張り積めた空気が漂う。


「特殊部隊の任務は、敵が潜伏する地に潜入し、内部の視察と破壊工作し、内部を混乱させる。その後、宣戦の合図の信号弾を打ち上げ、混乱の状況に全軍を進撃させる作戦だ」


 ムジカは(特殊部隊)と記された札の上に、(宣戦合図)と記された札を乗せる。

 そしてダリウス平原中央部の地図に、義勇軍と記された札をエボルド森林の地図に移動させる。

 分かりやすい任務であり、最初の特殊部隊には危険が伴う……。


「その特殊部隊は、誰が?……」


 第1部隊隊長の上級兵士が手を上げ、尋ねる。


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